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罪作りな国語入試問題 [備忘録]

大学入試 ステップアップ 現代文(基礎): 入試基礎固め! (大学入試絶対合格プロジェクト)

大学入試 ステップアップ 現代文(基礎): 入試基礎固め! (大学入試絶対合格プロジェクト)

  • 出版社/メーカー: 増進堂・受験研究社
  • 発売日: 2013/10/25
  • メディア: 雑誌
内容紹介
◆各単元には、「読解のコツ」を設け、扱っている文章全体の構成や読解のポイントが解説してあります。「重要語句」「重要漢字チェック」では読解に必要な知識を整理してあります。また、「参考事項」では、著者の略歴や作品名を掲載しています。 ◆全部で26単元あるので,、日1単元を学習し,約1か月で終えられるようになっています。また、「評論」「随筆」「小説」などのジャンルを示してあるので、ジャンルごとに集中して学習することもできます。 ◆解答編には、実際に問題を解く際の「着眼点」と、くわしい「解説」がついているので、解き方や考え方がわかりやすくなっています。

先日、「梅原猛『いま何が問われているのか(モダニズム信仰)』」という記事を書いた際、冒頭で言及した国語の問題集というのがこれである。我が家の次男坊の国語の勉強にオヤジも付き合おうと一緒に購入したが、問題集にありがちな途中挫折で10日目ぐらいでいったん休止してしまった。ただ、さすがに2冊購入してしまった罪悪感もあったので、コロナの巣ごもりを契機に、取りあえず残りの問題を全部解いてしまおうと僕は考えた。毎日朝食後、リモートワークに入るまでの時間帯で、1日1題のペースで片付けていくことにした。早朝ウォーキング、朝風呂、朝食でだいたい7時頃なので、それから8時のNHK朝ドラの時間までの約1時間を埋める日課として、コツコツやっていけた。いいペースメーカーになったと思う。

自分の高校時代と比べたら、読書の習慣は付いたし、新聞も含めて論説文を読むことにも結構慣れてきていると思う。僕も高校時代は国語が苦手で、特に現代国語では赤点スレスレで踏みとどまる3年間を過ごした。あの頃は論説文の読解は特に苦手で、文脈が読めないからいい回答がなかなか書けなかった。あの頃と比べたら、問題集で出題されている文章はそれほど難解ではないから、きっと息子に対しても恥ずかしくない高得点が挙げられるとたかをくくっていた。

しかし、結果は、それほど良くはなかった―――。

それほど読んでいて難解と感じることは確かに減っていた。でも、わりと自信をもって選んだ回答が間違っていたケースが結構あって、しかも解説を読んでもなんでそれが正解なのかが理解しづらいことも多かった。逆に僕が選んだ回答がなぜ不正解なのかの説明も、納得感の乏しいものが多かった。解説者だって執筆者本人なわけじゃないんだから、執筆者がどのような気持ちをその表現に込めたのなんて、正確に理解できるわけがない。それを正しく回答せよなんて、そりゃ無理っていうもんだよ。

その文章を読んで読者がどう捉えるのかなんて十人十色だろう。それを正解は1つだけだとして、それで評価するなんて、国語って随分と罪作りなことをしているではないか!

全26題をクリアしたものの、全問正解できたのはせいぜい6題。中には全滅というのもあった。平均すると60点から70点というところだろう。読解は楽になった気がするが、正答率はそんなに上がっているという実感はなかった。

この結果をもって、愚息には何がアドバイスできるだろうか。

1つは、頑張っても国語で点数を底上げするのは、解題する文章の出題者じゃないんだからはっきり言って無理だということか。出題者が誰なのかもわからぬ中で、出題者と目線を合わせるのなんて不可能なんだから、どう頑張ったって100点など国語では取れないだろう。目指すなら70点ぐらいで十分だろう。

2つめは、だからと言って、じゃあ国語はテコ入れしても無駄なのかというとそうでもない。文章題を読み込む過程で文章がスラスラ頭に入って来るかどうかは、やっぱりその文脈に対して免疫ができているかどうかによって違う気がする。今だったらグローバル化とかポストモダニズムとか、効率主義とか持続可能な開発とか、選ばれる単文のテーマには傾向がある。文章題を見た瞬間、「ああこのテーマだったら知ってる」と思えれば、そして可能ならその論点が予め頭の中でイメージできれば、文章題をこなすのはさほど苦ではないだろう。

国語の成績が芳しくないと、親としては「新聞を読め」とか「本を読め」とか言いたくなるが、やっぱりそれは一理ある。そうでなくても、こういう問題集で文章題に沢山触れるのでもいいかもしれない。それで新聞の論説文並みのインプットはできるだろう。正解か不正解かにはあまりとらわれず、文章を読んで論点を理解して行けば、それだけで十分。そうすると、入試本番の際に、出された文章を見て、「ああ、これどこかで読んだな」と思えるかもしれない。

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