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『続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』 [読書日記]

続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 (光文社新書)

続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 (光文社新書)

  • 作者: J・ウォーリー・ヒギンズ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/12/17
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
前作から1年、「もっと見たい!」の声に、ボリュームアップした続編で応えます。日本と日本の鉄道をこよなく愛する元祖「カラー撮り鉄」、J.ウォーリー・ヒギンズ氏。ふつうモノクロでしか見ることのできない昭和30年代の日本を、当時としては超贅沢なカラーフィルムで多数撮影してきた。今回は新たに見つかった蔵出しプライベート・フィルムからの傑作も加え、選りすぐりの544枚を惜しみなく公開。今なお色褪せない最上質のコダクロームの写真からは、消えゆくものに心を寄せつつ、新たな時代へと変貌をとげる日本各地の風景にシャッターを切り続けたヒギンズ氏の想いが伝わってくる。続編では(ほぼ)全ての都道府県を網羅、また前作で反響の大きかった鉄道ファンの想いに応え、廃線や廃駅を含め鉄道写真も充実させ、やや鉄分高めにお贈りする。

今日は連休最終日。僕は土曜日に急遽仕事が入ったので、計画していた里帰りを諦め、東京にいた。新型コロナウィルス感染拡大もあったけれど、先週手術を終えた妻が退院後まだ自宅療養中でもあり、仕事に出かけた以外の時間は、基本的には妻の指示に基づいて買い出しに出かけたり、やりかけで長いこと放置しておいた本の原稿をチェックしたりと、自宅周辺で過ごした。

当然読書にも時間を割くことができた。僕の読書メーターのフォロワーさんはご存知だと思うが、1月には19冊、3,710頁を読み込み、おそらく読書記録を管理し始めて以降、月間読書頁数では最高記録を樹立した。2月に入るとその反動が出るかと思いきや、読んだ本はいずれも分厚く、目下のところ冊数は14冊と減ったが、頁数は4,363頁とかえって増えた。連休に加え、妻の入院・手術等があって読書の時間も増えたことが大きい。そしてもう1つ、挿入口絵がやたらと多く、頁数の割に文章が多くない本を読んでいたことも影響していると思う。

本日ご紹介の1冊も、僕のこれまでの本の選択の傾向から言って明らかに蛇足だ。だが、新書サイズで500頁超の分厚い1冊で、しかも文章はちょっと長めの文章を全部足しても30頁ぐらいしかない。

写真を見ているだけで楽しくなる1冊である。

多分、「撮り鉄」ならもっとワクワクする1冊だろう。掲載されている写真はどれも1950年代半ばから1964年頃までのもので、ほとんどは僕が生まれる前に撮影されている。にもかかわらず、カラー写真であるから驚きだ。

昭和30年代の日本で撮られた写真のほとんどは白黒であった筈だ。こんな写真は、当時いたであろう在留米軍の関係者で、カラーフィルムでも持ってきていた写真趣味の人でないと撮ることができなかっただろう。当時の撮り鉄ってせいぜい蒸気機関車(SL)を重点的に撮影していたような人々だろうから、路面電車からモノレールから、乗り物のカバレッジが極めて広い写真を、全国津々浦々を巡って撮り続けたような人は極めて稀だったに違いない。そして、それが米国人だったというわけ。

正直言うと、僕はタイトルを見て当時の日本の風景がカラーで見られると期待して図書室で借りた。実際のところは本書は公共交通機関―――特に鉄道、路面電車、モノレール、バス等の写真集であった。だったら期待外れだったかというとそんなことはなく、僕が今勤務している四ツ谷~市ヶ谷間の総武線の写真を見ていて、あまりにビルがなくてお濠だけだった当時の様子が新鮮だったし、茅葺きの家屋が結構写真に納まっているのがわかる。今の街並みを知っているエリアの昔の様子は、見ていて楽しい。

週末の息抜きにはかっこうの一冊であった。しかし、なんで近所のコミセン図書室は、続編だけ収蔵したのだろうか。この写真を見たら、前編の方も見て見たくなったよ。

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