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『バイユーの悪手』 [時事]

横浜市がカジノ誘致を正式発表 「これまでにない経済的社会的効果」
朝日新聞、2019年8月22日
横浜がIR誘致、山下ふ頭がカジノ候補地 反発は必至
 横浜市は22日、カジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致すると発表した。横浜港の山下ふ頭(同市中区、47ヘクタール)に整備し、2020年代後半の開業を目指す。だが、IR誘致には市民の間や議会内に根強い反対の声がある。林文子市長が「白紙」としてきた従来の姿勢を変えたことに対し、反発が起きるのは必至だ。
 林市長は元々、IR誘致に前向きだったが、17年の市長選を前に「白紙の状態」と慎重姿勢に転じた。一方、昨年7月のIR実施法成立後、IRに関心がある民間事業者から構想案を公募。「白紙」の姿勢を維持しつつ、IRに関する情報を集めてきた。
 市は9月2日から始まる市議会定例会に、誘致実現に向けた専門的な調査分析、ギャンブル依存症の実態調査などの費用として計2億6千万円の補正予算案を提出する。可決されれば、誘致に向けた準備を本格化させる。
 市は22日に示した資料で、市内の人口が19年をピークに減少に転ずると推計。高齢化が進む中、経済の活力低下や財政悪化が進むと見込んでいる。また、宿泊せずに日帰りする観光客が多く、1人あたりの観光消費額が全国と比べて少ないことが課題とし、「IRはこれまでにない経済的社会的効果が見込まれる」としている。
 IRの経済波及効果について、建設時は1兆2千億~7500億円、開業後は年1兆~6300億円に上るとの試算も公表した。(武井宏之)

22日から休暇をいただいていた。まさにその休暇初日に報じられたニュースがこれだが、僕はこの横浜市長のIR誘致表明の報道を聴きながら、20年以上前に米国ルイジアナ州で起こっていたことを思い出していた。

このブログのアバターがずっとLSU(ルイジアナ州立大学)フットボールチームのヘルメットであることが示す通り、僕はルイジアナ州バトンルージュにあるLSUのメインキャンパスに、1985年8月から86年5月まで留学していた。当時は、エドウィン・エドワーズ州知事の二度目の任期の2年目にあたり、僕が留学開始する頃には、既にエドワーズ知事が打ち出したカジノ誘致が政策論争の焦点になっていた。

ルイジアナ州は元々産油州で、特に原油価格が1バレル40ドル前後あった1980年頃は州財政が非常に潤っていた。ところがその後の原油価格の低迷により、州財政は悪化の一途を辿り、そこでエドワーズ氏が1983年の知事選で勝利して二度目の就任を果たして以降、打ち出してきたのがカジノ誘致であった。それが留学当時、テレビでニュース番組を見ると連日報じられていた争点となっていたのである。

エドワーズ知事は民主党の選出で、立場的には黒人票やマイノリティ票、低所得者層の支持票は彼に流れるというのがパターンだったようだが、知事選で勝つたびに何かしらのスキャンダルにも見舞われて、再選というのがなかった。1983年の知事選もそうだったし、87年の知事選も結局共和党候補に敗れている。その時の敗因の1つは、明らかにこのカジノ誘致論争があった。

それでも91年の知事選に立候補して勝つことができたのは、この時の知事選にはデビッド・デュークという、白人至上主義の秘密結社KKK(ク・クラックス・クラン)の指導者が出馬していて、なんと決選投票にまで勝ち上がっていたからだった。さすがにKKKの指導者と民主党候補者とであれば、後者に支持は流れる。結果として四度目の知事就任を果たすのである。そして、この選挙で勝ったことで、カジノ誘致論争についても、支持を得たことになる。

エドワーズ知事の四度目の任期中の1992年6月、ニューオリンズにカジノを開設することを認める法案が州議会で可決され、その後は州内各地にあるリバークルーズの船上にカジノを設けることも認められる。船上カジノは州内15カ所にも及ぶ。さらに、陸地でも、州宝くじが認可されて、そこら中の小売店で宝くじが販売されるようになった。

僕は留学を終えた後、2000年代初頭に米国駐在の機会があり、ニューオリンズには何度か行っているが、その時は当たり前のようにリバーフロントエリアにはカジノのネオンがキラキラ輝いていた。

Bad Bet on the Bayou

Bad Bet on the Bayou

  • 作者: Tyler Bridges
  • 出版社/メーカー: Farrar, Straus and Giroux
  • 発売日: 2002/05/15
  • メディア: ペーパーバック

エドワーズ州知事の下で、カジノ法案がどのように承認されていったのか、そして、結果としてカジノの餌食になって困窮生活に陥った人々がどのような経緯からギャンブルに手を染め、そして堕ちていったのかは、2001年にハードカバーの初版が刊行された上記ルポが非常に詳しい。僕は、2001年に訪ねたニューオリンズのカジノのネオンに複雑な気持ちを抱きつつ、同時期に出た本書を書店で購入し、すぐに読んだ。政治的な思惑はどうであれ、ギャンブルは人を狂わせる。これを実感させられるルポだと思う。

ただ、この本、こうして2002年頃には既に読了していたのに、僕はそのまま日本に持ち帰り、今もうちの本棚に眠っている。

この休暇中、なんとか始めたかったのはメルカリでの出店だった。その記念すべき第1号に選んだのがこの本であった。僕も多少の断捨離を始めている。今だったらこの本は参考図書としては価値があるように思うので、廃品回収に出すよりもメルカリ出品に持って行ってみることにした。このブログを読んで関心ある方にはメルカリ出品と同じ条件でお譲りしてもいいです。

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