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スポーツ五輪もいいけど… [時事]

若き匠に“高き壁”――技能五輪カザン大会閉幕
日刊工業新聞、2019年8月30日
日本「金」2個、強い中国/ロシア躍進、V字復活ならず 戦略練り直し
 若手技能者が技術を競う「第45回技能五輪国際大会」がロシア西部の都市カザンで閉幕した。日本勢は「情報ネットワーク施工」で8連覇を達成し、「産業機械組立て」でも優勝。金メダル2個のほか、銀3個、銅6個を獲得した。ただ、国別の金メダル獲得数順位は7位であり、日本は国際大会に向けた戦略の練り直しが迫られる。(日下宗大)


《カザン大会開会式の様子》

日刊工業新聞の記事は全文ダウンロードできないので、個々のメダル獲得者のストーリーは別として、要点を簡単に列挙しておく。

1.技能五輪国際大会は、原則22歳以下の若手技能者が2年に一度、技能世界一を競う大会。カザン大会には、史上最多の63ヵ国・地域から1300人以上が参加した。種目数は56.

2.金メダル獲得総数でトップは前回に引き続き中国(16個)、2位は開催国ロシア(14個)、3位は韓国(7個)で、この3カ国で金メダルの過半数を占めた。日本は前回9位から7位にランクアップしたが、メダル獲得数では減った。

3.技能五輪の目的は技能者全体の技術の引上げ。しかし、競技の性格上、メダルに近づく戦略の策定は必要。日本では前回大会での低迷を踏まえて、企業や団体を超えた技術交流などの取組みが広がったが、結果は芳しくなかった。1年以上かけて国際大会の選手を育成する必要性が指摘されている。産学官が連携したバックアップ体制の構築も必要。

4.台頭する中国などは技能学校が選手育成の核となっているという。

5.次回46回大会は2021年に中国・上海で開催。第47回大会(2023年)の開催地はフランス・リヨンに決定。リヨンとの招致合戦に敗れた愛知県は、第48回大会(2025年)の招致を目指している。

◇◇◇◇

文系オヤジが言えた義理じゃないけど、技能五輪でのこの惨敗続きってどうよっていう気がする。日刊工業新聞ではずっと代表選手の特集組んでたんで、読んでずっと期待してたんだけどね。中国にも韓国にも獲得メダル数で負けてる。しかもここ数年ずっとこんならしい。

22歳以下というところもネックなのかもね。種目を見ていると、CNC旋盤だとか、溶接だとか、左官、家具、建築大工、自動車工、造園、冷凍空調技術なんてのもある。もう少し年齢層が上の熟練工なら、日本にもいるんだろうけどね。

それに、代表選手を送っていない種目もある。看護/介護、パン製造、ホテルレセプション、化学実験技術、水技術などである。なんとなく、統一した選手選考プロセスを進められるような業界団体があるのかないのかわからない種目のような気もしてしまう。そもそも、記事を読んでいる限りでは、選手選考や選手強化に、日本政府が関わっているようなニュアンスが全然伝わってこない。

でも、大丈夫なの日本?という不安な気持ちにはなる。スポーツは東京オリンピックやパラリンピックで大盛り上がりだけど、技能五輪でのこの体たらく、日本政府はわかってるんだろうか。スポーツ五輪もいいが、中国は既にものづくり大国に変貌を遂げているし、韓国とは対立しているけれど、国際大会では韓国の方が良績をあげている種目もある。

2025年の愛知県誘致を本気で目指すなら、選手育成も本気でやらねばならないし、そのためには10代前半の子ども達にもっとものづくりにじっくり取り組んでもらえるような環境を作って底辺を広げないといけないのではないかと思う。

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