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『革命のファンファーレ』 [仕事の小ネタ]

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

  • 作者: 西野 亮廣
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: 単行本

内容紹介
クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を個人で調達し、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた天才クリエイターが語る、"現代のお金の作り方と使い方"と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方。

昨年ブータンでお目にかかった日本人の方で、間違いなく最も自分が影響を受けた方が、吉本お笑い芸人・キングコング西野が立ち上げた「おとぎ出版」の取締役を引き受けられている。100人が確実に買ってくれる本なら出版を請け負うというロングテール狙いの出版社である。

一昨年、昨年と、僕はある2冊の本の出版を、シリーズものとして扱ってもらうべく、それを扱っているY出版社とやり取りのある知り合いK氏に打診してみた。ちゃんとした企画書も作り、どう売るかという点も書き込んで送ってみたのだが、インド時代に自分が関わった事業の歴史をドキュメント風にまとめようとした一昨年の出版企画書Aは完全スルーされた。昨年の出版企画書Bは僕自身が作ったわけではない、著者は別の日本人だが内容はブータンに関するもので、「ブータン」と付くだけである程度のコアな読者層は確保できるという確信もあった。それもK氏には後ろ向きなことを言われてスルーされかかったので、昨年7月にK氏の所属先の上層部に直談判して、「そちらでダメならシリーズとは切り離して別の出版社に打診してみるから」とブラフをかけ、ようやく企画のGOサインはいただいた。次なる問題は執筆者がちゃんと原稿を書き上げてくれることだが(笑)。

さて、完全スルーされた企画書Aの方の処遇について、先にご紹介したブータンで自分が最も影響を受けた日本人の方とはまさにそのインドでの事業を通じて初めてお目にかかったので、「Y出版社のシリーズものとして出すのが難しいのなら、切り離して西野君のところでやろうか」と言っていただいている。ありがたいオファーではあるが、今すぐ原稿執筆に専念できる自信がないので、回答は保留している。

この方から受けた薫陶はこれだけではない。「Sanchai君、会社作りなさい」とも言われた。ただ、ブータンにご滞在されていた1週間弱の間に、その会社での事業について、あれもそれ、これもそれといった形でいろいろご提案をいただいたので、会社の事業内容をどう定義すればいいのか僕自身が理解しきれずにいた。その壮大な構想を理解する糸口をいただいたのが、まさにこの方が親交のあるキンコン西野の近著『革命のファンファーレ』と彼のブログであった。

◇◇◇◇

第1に書籍出版について。

そんなに沢山は売れないという見込みから出版社が刊行に消極的な本の出版をどうやったら実現させられるか、具体例が描かれていたのは参考になった。彼の取った手法はその本のコンテンツをアンバンドルしていろいろなメディアを通じて事前に公開してしまうというものだが、僕は昨年だけで4本英文の論文を書いていて、既にアカデミックジャーナルに掲載されているのもあるので、今年前半に書く予定の2本ぐらいをドッキングさせれば、ブータンで出版できちゃうかもしれない。

また、出版にあたって出版社にOKを貰うには編集・印刷製本費をカバーするぐらいの冊数の買取りを事前に保証しておく必要があり、そうすると僕も自腹を切ることになる。僕はそれを全額持ち出しとしてカウントしていたが、本書を読んでみて気付いたのは、そうやって自腹で本を大量購入したものも、セミナー会場等で売れば、ある程度は資金回収できてしまうのだという当たり前のことだった。著者謹呈で献本したい人も多いので、全額回収というわけにはいかないけれど、我が家の「大蔵大臣」を説得するには良い材料をいただいた。

以上はブータンで出す英語の書籍の話であるが、もう1つ、本書を読んで背中を押されたことがある。あと1年ほどで僕は帰国の時期を迎える。そしたらブータンの開発について考えたこと、実際に取り組んだこと、それにこのブログでも取り上げた幾つかのネタを組み合わせて、1冊日本でも本を出そうかというアイデアを漠然と考えていた。大学院時代にお世話になった先生からも、「出版社紹介するから、書け」と言われていたし、この年末年始の充電期間中にその本の構成を考え、この1年はそのための情報収集を現地で行うつもりであった。前段落で述べた英語書籍とは違う内容になる。

キンコン西野の著書を読んで、背中を押されたのは、以上2冊の書籍刊行構想をこの時点で明言しておくことであった。おかげさまで、このブログの読者には「ブータンLOVE」の固定客の方が相当数いらっしゃる。そうした方々に、書籍刊行を予め宣言させていただきます。キンコン西野がやったように、事前にクラウドでファンディングを募ったりはしませんが、刊行のあかつきには、どうか買ってやって下さい!!

◇◇◇◇

第2に、会社設立について。

既に相当書き込んできてしまったので、この点についてはそんなに踏み込まないが、なんとなく、書籍刊行をベースにしつつ、売れる本の企画・製作、売るためのイベント等、派生的にいろいろな事業が発生する。キンコン西野の発想は、できるだけ多くの人を著作工程に巻き込んで参加者意識を高めようというところにあるので、こうすることで出来上がる本を多くの人に届けることも可能になってくるという仕掛けだと感じた。少なくとも、本書を読む限りでは。

でも、そこからの派生で彼のブログを読んでみたところ、昨年8月29日付の記事で、彼が「株式会社おとぎ町」というのを設立したとの記述があった。著作権の問題もあるので(本書の記述からはキンコン西野は著作権に拘泥しないのではないかという確証もあるが)そこで掲載されていた概念図はここでは紹介しないが、「事業内容は「おもしろいこと全般」です。ジャンルは問いません」と書かれていたので、概念図と合わせて非常に腑に落ちた。

事業内容をどう定義するかはこの2ヵ月漠然と考えていたこともあるが、こんなんでいいのかなぁと確信が持てていなかった。本書を読んでいて、そこの部分があながち見当違いではないというのがわかってよかった。会社設立を具体的に考えるのは1年以上先なので、現時点ではこのお話は詳らかにしません。

◇◇◇◇

本書については賛否両論あるようだ。書かれているのは当たり前のことばかり、他人の受け売りばかりだとの批判もアマゾンの書評欄を見ると結構根強い。でも、たとえそうだったとしても、自分の著作を実現させ、しかもできるだけ多くの人に届けるという目的1点に絞って、これだけ頭をひねって知恵を出して、努力をしてきたというところはすごい。当たり前のことだけれど、出版界のロングテール部分にアドレスするという着想はおそらく「売れないからダメ」と出版社に言われて泣く泣く本を出すのを断念した経験のある人には福音ともいえるだろう。

でも間違ってはいけないのは、彼は本を売るためにすさまじいまでの努力もしているという点である。ものは作っておしまいというのではなく、売ることも考えておかなければいけない、陳腐なものであっても売り切るためには頭を使い、汗をかかねばならない。そんな当たり前のことを改めて考えさせてくれる。この本の装丁だって、各章冒頭ページの構成だって、彼は彼なりに考え抜いてその形にしている。

昨年僕が薫陶を受けた日本の企業の経営者の方のお考えの深淵、本書を読むことでちょっとばかし垣間見ることができたような気がする。いい読み物だった。

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