SSブログ

バジュラヤーナ仏教国際カンファレンス [ブータン]

ダッカ人質事件を受けて、世界中が騒然としている中、現在ティンプーでは、ブータン研究センター(CBS)が共催して3日間の国際会議が開かれている。そのテーマは「バジュラヤーナ仏教の伝統と革新:21世紀に向けた展望の曼陀羅」。世界37カ国から400人以上のバジュラヤーナ仏教の研究者や実践者が集まり、研究成果の発表と意見交換が行われている。

僕がこのようなテーマで知見があるわけじゃないし、普段の仕事ともほとんど関係がないテーマだけれど、「幸福の国」の秘密はこのあたりにあるんじゃないかと思い、初日(7月1日)の午前の部だけ参加してみた。「参加」といっても、ラウンドテーブルじゃなく、会場の「その他大勢」の中の1人に過ぎないが。

バジュラヤーナ仏教は日本には最澄、空海が平安時代に紹介している。どちらかというとイメージ的には空海の真言宗の方がそれに近いような気がするが、なにしろ高野山にも行ったことがない僕にはふだんから勉強する機会もなく、話を聞いていてもちんぷんかんぷんだった。瞑想とか、心と体のバランスとかいったら、多少はイメージできるものの、僕はその実践者でもない。あ、剣道の黙想とか心技体一致というのはそれに近いかも。

驚いたのは、世界中からこれだけの研究者や実践者が集まって、自身の研究成果や実践内容を紹介されていることだ。僕から見たら奇抜な服装で来られた英国人もいた。理解してなくてごめんなさい。きっとその方々の精神世界を体現しておられるのだろうと思うので、外部者がとやかく言う筋合いではないか。

2016-7-1 GNHConference01.jpg
2016-7-1 GNHConference02.jpg
2016-7-1 GNHConference03.jpg
2016-7-1 GNHConference04.jpg

そういう人々が行う発表に対して、ブータン等の僧院の関係者が主にコメントしていた。少なくとも初日の午前のセッションだけ見ていたら、発表者は外国の研究者ないしは実践者ばかりで、フロアからのコメントはブータンの僧侶が主にしているという構図になっていた気がする。研究者が自分の研究成果を発表して、別の研究者がそれに対してコメントするというのが、僕がよく知っている同業者間の研究カンファレンスの世界なのだが、この構図はなかなかユニークだった。内容についてはさっぱりわからないが、「あなたの考えはちょっとおかしい」と明確にコメントする僧侶はいらっしゃらなかったように思う。

多分発表時間の設定がタイトで、皆さんしゃべりたいことを15分間でしゃべり切るのが難しかったんだと思うが、発表者の制限時間オーバーが頻発し、モデレーターも発表者をほとんど制止しないため、各セッションの時間が延び延びになった。

主催者が公表している参加者リストによると、日本人の参加者は僕を除いてあとお二人いらっしゃっていたようだが、発表の予定はなかった。一方、日本から来られた方ということでは。宇都宮大学国際学部のバーバラ・モリソン先生もおられ、初日の午前のセッションのモデレーターを務めておられた。先生は2日、バジュラヤーナ仏教の日本への伝播というテーマで、空海の業績を紹介されたようである。(2日目は別の用事があって行けなかった。)

多少英語に自信があった僕ですらほとんど内容が理解できない会議だったわけで、日本人が登壇するのって相当難しい気がする。逆に英語が使いこなせたら、僕らが知ってる日本史を紐解いて英語の論文を書けちゃうわけで、それで世界的に注目されるのはなんだかなあという気もした。そのあたりは、研究カンファレンスの場合と同じ構図だ。

いずれにしても、自分の不明を大いに恥じることになった。チベット仏教を極めようとはなかなか思えないけれども、日本の仏教ぐらいは、もうちょっとちゃんと勉強しておけばよかったとすごく後悔した。この後悔をバネにして、ちゃんと喋れるようになりたいと思った。

*カンファレンスの模様な、全国紙クエンセルが記事で紹介している。カンファレンス前日にはトブゲイ首相ホストで前夜祭も行われている。
(7月1日付)http://www.kuenselonline.com/international-conference-on-vajrayana-buddhism-begins/

*カンファレンスHPのURLは以下の通りです。参加者リストやプログラム等は、こちらからダウンロードできます。
http://www.bhutanstudies.org.bt/
タグ:仏教 密教
nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0