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寸評:今週読んだ本(2013年6月前半) [読書日記]

個別に記事を書くほどではないが取りあえず読んだという本が何冊かあるので、備忘録としてまとめて紹介しておく。

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剣道日本 2013年 07月号 [雑誌]

剣道日本 2013年 07月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: スキージャーナル
  • 発売日: 2013/05/25
  • メディア: 雑誌

特集記事「速さ、力に頼らない剣道」というタイトルに惹かれてついつい購入。先月、20歳以上年下の若手剣士と試合をする機会が何度かあり、速さに応戦して3分間で精魂尽き果てるという経験をしたり、超重量級で足が動かない剣士の術中にはまり、懐に飛び込んで行ったところを鍛え上げた腕っぷしで引き技取られたりと、苦くてしょぼい試合が続いた。せっかく米国まで出かけて昔の先生や稽古仲間と集中して稽古してきたのに、その経験が全く生かせなかった。

いい加減、シニアの部で試合させてほしいと弱音を吐いているが、先生からはダメと言われ、暫くは年下相手にどう試合するのかが大きな課題となっている。そうした時にこの雑誌の企画。タイムリー過ぎて泣けた。

収録されている記事の中には参考になるところはあったが、特集なんだから、もう少し多く記事を集めて欲しかったなという気もする。例えば、高段者が長年修練を重ねていけば収録記事にあるような境地に達することは可能だろうが、残念ながら僕らは中断期間も長いふつうの剣士であり、そういう人でも「これなら自分にも手が届きそう」と希望を感じられるような、そんな人の手記があってもいいと思った。また、高段者であっても構わないが、60代ぐらいの剣士の方が20代の剣士と試合をやって、勝った事例を細かく分析するような記事があったらよかった。

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短編工場 (集英社文庫)

短編工場 (集英社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/10/19
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
読んだその日から、ずっと忘れられないあの一編。思わずくすりとしてしまう、心が元気になるこの一編。本を読む喜びがページいっぱいに溢れるような、とっておきの物語たち。2000年代、「小説すばる」に掲載された短編作品から、とびきりの12編を集英社文庫編集部が厳選しました。
続いてのご紹介は、集英社の雑誌「小説すばる」に掲載された短編作品を集めたアンソロジー短編集。何か一貫した共通テーマがあるわけではないので、全編バラバラで寄せ集め感はある。それが本の苦しいタイトル『短編工場』に繋がっている。ただ、1つ1つの出来栄えはすごくいい。

「ここが青山」(奥田英朗)は『家日和』の中で一度読んだことがある。こういう短編集だと、どうしても合う作家と合わない作家があるなぁというのがわかる。いきなりその作家の単行本を読む前に、作家毎の特徴を把握しておくのが、読んでハズレに遭遇するリスクを回避できるいい手段なのかもしれない。

今まで一度も読んだことがない作家さんの作品としては、「川崎船」(熊谷達也)、「約束」(村山由佳)は良かった。「約束」は、小学校4年生のうちの末っ子でも読ませたい作品だが、逆に「川崎船」は大人にならないとその味わいはわからない。そういう、想定読者の年齢層にバラつきがある作品を集めて短編集を出すのは大変だ。

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東京都謎解き散歩 23区編 (新人物往来社文庫)

東京都謎解き散歩 23区編 (新人物往来社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 2012/10/05
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
「大森貝塚の碑がふたつある!?」「森鴎外と夏目漱石が同じ家に住んでいた!?」「東京が日本一の酪農王国だった!?」などなど、誰もがわかっているようでいて、実はわかっていない東京都の「謎」が盛りだくさん!江戸の風情を残しながら時代の最先端をゆく23区の「謎」がわかると、違った風景が見えてくる。
新人物往来社って、ソリッドな歴史書をハードカバーで出す出版社だと勝手に思っていたが、こんな文庫本も扱っているんだなと少し感動。コンビニでも売っていそうな装丁だし、内容も軽い。1つ1つの項目はそれなりに面白いし、「へぇ~」と思わされるものもあったのだが、1項目に費やすのはせいぜい3頁ほどで、その中に「あれも、これも」といろいろ詰め込んでいるから、深掘りはなされていない。そういうもったいなさはある。欲を言えば、僕が働いている市ヶ谷あたりのことが書かれている項目があったら嬉しかったが、ないものねだりだろう。

本書は、各項目を大学や高校で日本史を教えている先生方が分担執筆をされている。書き方にバラつき感があるのはそういう理由からだろう。また、僕はこの本を東京23区外にある三鷹市のコミセンで借りたが、この本の姉妹編で三鷹のこともとり上げているであろう「武蔵野・多摩・島しょ編」というのを、ここの図書室に入れていないのもちょっと不思議だ。執筆協力者の中に、この地域の住民の方でもいらっしゃったのだろうか。それとも、このシリーズの面白さに気付いた近所の方が、図書室に購入申請でもされたのだろうか。

調べてみるとこのシリーズは都道府県別とか私鉄沿線別とかでいろいろ出されていて、読んでいったら結構面白いのではないかと思う。図書館の蔵書にこのシリーズがあることに気付いたら、息抜きに借りてみるのも一案かと思った。

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