今年も親子読書 [地域愛]
パートの仕事に応募していた職場から合格通知をもらい、今週から仕事をはじめた妻に代わって、僕は、3日(水)朝、次男の小学校のクラスで、朝の本の読み聞かせボランティアを務めた。
決して初めてというわけではないのに、こういう時の題材選択では毎回苦労する。特に、今回は妻から急に言われたこともあり、題材選びにそれほど時間をかけられなかった。先週、胸が苦しくて午後会社を休んだことがあったが、その帰宅の途中で自宅最寄り駅近くの市立図書館に立ち寄り、候補になりそうなものを数点急いで選んで借りてきた。週末にリサーチした結果、『セミたちの夏』を使用することにした。
不安だったのは、題材の重複。これまで読み聞かせを行なう際には必ず連絡帳のようなものがあり、それまでに読み聞かせを担当した母親がどのような本を用いたのか、読んでみてどうだったか、子供達の反応はどうだったか、今後注意すべき教訓は何か、といったことを前の当番に当たっていたお母さん方が書いて下さっていた。今年もそういうのがあるのかと思っていたら、妻によれば今年はまわってきていないという。担任が代わり、方針が変わったのだろう。
『セミたちの夏』はこの7月発刊なので、おそらくまだ誰も使っていないだろうと思った。ましてや父親が読み聞かせに来るケースは極めて稀で、父親でもないとまずあり得ない題材選択だという自信もあった。読み聞かせの所要時間は10分で、この分量はけっこうギリギリ、つまり、普通に読むだけなら10分で十分だが、途中子供とのインタラクションを入れると12分程度で見ておいた方がいい。
実際に使ってみて、子供達が最後まで静かに、でも積極的に聴いてくれたので、とてもやりやすかった。まあ夏休みにセミはいっぱい見たことだろうし、中には木の上のセミが命を落としてひらひらと地面に落ちてくるシーンを目撃した子もいるだろうし、田舎の祖父母に会いに行って東京では生息していないクマゼミの鳴き声を聴いたことがある子もいるだろう。皆それぞれに夏の思い出を持っていて、しかもその記憶が比較的新しいから、子供達は付いてこれたのだと思う。
これまで、次男の学年の読み聞かせは、彼らが2年生の時に一度だけやったことがある。その時はカレーライスの話をした。この日のクラスの子供達の中には、僕が去年カレーライスについてお話をしたことをちゃんと覚えている子もいたりして、ちょっと感動。(ただでも父親が読み聞かせに来るケースが稀だから、来た時の話は子供達の印象に残りやすいのかもしれない。)
途中、何ヵ所かで子供達とのインタラクションも入れた。アブラゼミは卵から生まれて成虫になって最後に死ぬまで6年間かかるが、米国には「17年ゼミ」(13年ゼミというのもいる)というのがいて、周期的に大量発生するというビックリエピソードも入れたりもしてみた。それでも制限時間3分オーバーでなんとか収まり、ひと仕事終えて教室を後にした。まずまずの出来だったと自画自賛だ。
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ワンガリ・マータイさんやマザー・テレサを紹介した絵本は、こうした偉人について小3の子供がどこまで知っているのか自信が持てない中で候補には含めたが、リサーチ段階で読んでみてやっぱり盛り上がりにちょっと欠け、子供達がついて来れないかもしれないと不安になった。お二人の功績が理解できるようになるにはもう少し時間がかかる気がする。
古典説話集『宇治拾遺物語』なんてどうかとも思ったが、挿絵もない説話を朗読だけで聴かせる自信がどうしても湧いて来ず、しかもどの説話をピックアップするか決めるのに、ひと通り全編読まないといけない。そんな時間的余裕が今回は全くなかった。これは高学年になってからもう一度考えてみたい。
本当なら、今週末のNHK大河ドラマ『平清盛』で描かれる牛若丸vs.弁慶の京・五条大橋での遭遇シーンなんかがあると良かったのだが、図書館で物色してみて、そういう作品はあることはあったが、ちょっと記述内容が難し過ぎて、本来の朗読以外に補足解説を相当つけないといけない、これじゃ制限時間10分間の朗読には持たないということで、早々に断念した。
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