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『陽だまりの彼女』 [読書日記]

陽だまりの彼女 (新潮文庫)

陽だまりの彼女 (新潮文庫)

  • 作者: 越谷 オサム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/05/28
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。
こういうファンタジー小説を40代後半のオヤジが読んだというのは相当気恥かしいことなので、軽めの記述にとどめておきたいと思う。書店の文庫コーナーで平積みされている頃にも、ハッと目に止まる表紙なので気にはなっていた。1週間以内で読み終わって図書館で返却できる軽い小説ということで、借りてみたのである。

アマゾンや読書メーターの感想欄を見て驚かされるのは、この作品は登録読者が相当多いということである。読書メーターで比較すると、現時点で池井戸潤『下町ロケット』(9045人)、森見登見彦『太陽の塔』(9011人)の2作品が登録読者数としては断トツだが、これに続くのが本作品の6717人である。しかも、ほぼ毎日7~9人の人が読了して感想を掲載し続けている。増殖の一途だ。

どうしてこんなに読まれるのか。僕のように、装丁で「胸キュン」して、ついつい買ったり借りたりしてしまったという人は確かにいるだろう。でも、内容紹介に描かれたような「同級生再会もの」で、昔仲良かった子と10年も経ってから再会して、そこで改めて愛が芽生えて結婚までひた走るというストーリーには、惹かれる人が多いということもあるのだろう。男子から見たら理想の彼女であり、理想の出会い方であり、理想の付き合い方であり、そして理想の「結ばれ方」である。そういう理想の姿が描かれていて、読んでいて心地よさを感じる20代男性は相当いるに違いない。うまいツボをついたストーリーだ。

しかも、これ以上は書きづらいが、中学生ぐらいの子供には読ませづらい行為を初めて終えた翌朝の描写とか、繰り返しそうした行為にふける新婚夫婦の日常生活にも話が及ぶ。オジサンがこう述べるといやらしさがにじみ出てしまうのでこれ以上は書かないが、本書が読者のボリュームゾーンとして想定しているであろう20代の男性の皆さん、まあ読んでお得感があるストーリーです。

途中でオチの予想がついてしまったが、それでも最後まで読める。この結末を「ハッピーエンド」と言い切れるのかどうかはよくわからないが、頁をめくる手は止まらなくなるに違いない。

ほんと、ファンタジー小説の感想をオヤジの分際で書くのは恥ずかしいので、これくらいにしておきます。

タグ:越谷オサム
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