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『邪馬台国の秘密』 [読書日記]

邪馬台国の秘密 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)

邪馬台国の秘密 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)

  • 作者: 高木 彬光
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/10/12
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
邪馬台国はどこにあったか?君臨した女王・卑弥呼とは何者か?この日本史最大の謎に、入院加療中の名探偵・神津恭介と友人の推理作家・松下研三が挑戦する。一切の詭弁、妥協を許さず、二人が辿りつく「真の邪馬台国」とは?発表当時、様々な論争を巻き起こした歴史推理の一大野心作。論拠を示したエッセイを併せて収録。
先月、鯨統一郎の『邪馬台国はどこですか』を読んだので、流れで高木彬光の『邪馬台国の秘密』も読んでみることにした。最初はコミセン図書室で1979年発刊の角川文庫版で読み始めたのだが、100頁ぐらいいったところで返却期限が来てしまったため、図々しくも2006年の光文社文庫版を購入し、我が家の蔵書とすることにした。僕が読み終わってもいつかは子供達が読んでくれるだろうという淡い期待を胸に…。

以前述べた通り、僕はこの作品を中学1年の時に目にしている。父が買っていたのか、友人から借りたのか、それとも僕が学校近くの文具店兼書店でなけなしの小遣いをはたいて買ったのか、多分自分で買ったのだと思うが、自分の勉強部屋に東京文芸社版の二段組みの本があったのだが。こういう歴史の謎とされていることへの関心が人一倍高かった中学生時代に出会えば必然的に手に取る作品だったわけだが、難しくて読み切れなかった。対馬・壱岐や北九州に関する土地勘が全くなく、地名や史跡に対する思い入れがあまりなくて読み切れなかったのである。読み切ったのは今回が初めてだ。

面白いことは言うまでもない。おそらく中学生の頃に読もうとしても頭に入って来なかっただろうが、日本史や世界史への理解の幅をそこそこ広げ、『古事記』や『日本書紀』を今一度勉強し直し、対馬の民俗学的調査について読み、そして北九州を何度か訪れた後であれば、かなり状況をイメージしながら読めるだろう。それでも400頁以上あるからイッキ読みというわけにはいかないだろうが。

我が子供達にも、中学生の頃とは言わないが、高校生の頃に一度でも手に取ってみてくれたらと今から期待する。

さて、序盤の読書ペースは相当鈍かった僕も、後半の200頁はかなりのハイペースになった。その理由は、今週二度目の病床を経験したこと。しかも、今度は風邪ではなく、どうも腰椎椎間板ヘルニアらしく、立っていても座っていてても臀部から左膝にかけて痛く、腰を屈めると激痛が走る。横になって腰を伸ばしている間は楽だが、無理して起きると暫くは腰が伸ばせない。トイレに行ってもズボンを下げるのも上げるのも痛いし、恥ずかしい話だが左手でお尻が拭けない。かなりヤバい状態である。発症した10日(金)朝はまあ頑張って出勤したが、休日の今日11日は何もできず、横になるか座るか、とにかくじっとしていて、その間に残りの頁を全て読んでしまった。

中学1年生の頃に落としてきた忘れ物をようやく見つけた満足感とともに、今まで経験したことのないこの腰の痛みはきっと忘れないだろう。

それで、肝腎の邪馬台国の場所ですが、まあ読んでみて下さい。かなり説得的です。と同時に、卑弥呼が誰かという推理もしている。こういうのを読んでから、安彦良和さんの『ナムジ』、『神武』のシリーズを読むと、ストーリーがもっとよく理解できるだろう。

それと、ついでにグーグルマップでその場所の上空からの写真が見れないものかと試みたのだが、画像が粗くて前方後円墳が確認できなかった。残念!


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