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インドの熱い夏 [インド・トリビア]

インドの隔週刊誌『DOWN TO EARTH』の6月16-30日号に「2010年は現時点でインド観測史上最も暑い年に(2010: hottest year in India till date)」という囲み記事が掲載されていた。今年、離任の日を控えていた僕は、例年だったら家族の夏休みに合わせて休暇をいただく6月をデリーでまるまる過ごした。最高気温が40℃を超える日が相次ぎ、加えて蒸し暑いアンドラプラデシュ州沿岸部やオリッサ州南部訪問をエアコンなしで過ごした時期もあったため、離任の頃には夏バテに近い症状になった。送別会を含めて宴会続きだったので肝臓がお疲れ気味だったというのもある。

3年しかいなかった者が今年の夏を例年の夏と比較するのは暴論かもしれないが、過去2回の4月と比べてみて、今年の4月は明らかに違っていた。細かい砂を含んだ夕立が殆ど来なかったことだ。例年なら砂嵐だか雷雨だかよくわからない暴風が夕方ぐらいになるとデリーを襲い、それが夕方から夜にかけての気温を快適なものにしてくれた。今年はそれがなかった。

『DOWN TO EARTH』はこれ以外にも、幾つか今年の異常気象のポイントを挙げている。
1)5月31日までに、インド全土で熱射病のために約250人が亡くなったと言われている。1901年に観測記録が取られるようになって以降、今年は最も暑い年となっている。 

2)3月と4月の中心気温もまた観測史上最高を記録。3月の場合は26.3℃で例年を2℃上回っており、4月も29.1℃とこれも例年を2℃上回っていた。

3)3月から5月にかけてインド北西部から中部に留まった高気圧(anticyclone)は西の地中海から来る大気の流れを遮断し、この大気の流れがモンスーン前の小規模の降雨期の到来を告げることができなくなった。

4)高気圧が時計回りに動くことで、熱い西風がインド北部に入ってきやすくなった。

5)3月17日に東海岸地域を襲ったサイクロン『ライラ』は、東部沿岸地域に雨をもたらす東風を押しやった。

6)昨年のエル・ニーニョ現象の後遺症として、インドを含めて全世界的に気温上昇が見られる。
5月20日から26日にかけてインドを熱波が襲った。特に熱波が厳しかったのはパンジャブ、ラジャスタン、グジャラート、ハリヤナ、デリー等で、加えてヒマーチャル・プラデシュ、ウッタルプラデシュ州西部、マディアプラデシュ州、沿岸部を除くマハラシュトラ州、AP州のテランガナ地方、チャッティスガル州、ジャルカンド州等である。幸い、僕自身は24日から29日までAP、オリッサ州を訪れていたので、熱波というものをまともに経験したことはない。ましてや異常な湿度の高さに辟易したAP州沿岸部からデリーに戻ってきた5月29日は、いかに熱波であったとしても、湿度の低さがこれほど快適なのかと痛感させられた。

とはいえ、グルガオン郊外では野鳥の楽園と言われていた湖が干上がって白骨化した魚が目立つショッキングな写真が新聞紙上で紹介され、家畜にも被害が出ている話がこの1カ月度々紙面を賑わせている。

帰国して、今何が一番つらいかと言えば東京の湿度の高さである。最高気温が44℃あったデリーから30℃を下回っている東京に戻って来れば涼しくてさぞ快適だろうと思われるかもしれないが、この東京の湿度の高さは苦痛以外の何ものでもない。早く梅雨明けを迎えたいと真剣に願っているところである。加えて毎日の歩く距離は延びているわけで、既にかなりバテている。
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