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ゴーゴー汽車の旅!? [インド]

アジアの鉄道を旅する―汽車旅を楽しむためのガイド&紀行

アジアの鉄道を旅する―汽車旅を楽しむためのガイド&紀行

  • 作者: 高橋 敏昭
  • 出版社/メーカー: 山海堂
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

内容(「BOOK」データベースより)
サトウキビのしぼりカスを燃料に走るシュガートレイン、現役で走る満鉄時代の蒸気機関車、周囲に防弾板を施した装甲列車…。広大な砂漠、対岸の見えない大河、鬱蒼と繁ったジャングル、険しい山岳横断…。隣の席に座った子ども、列車に乗り込んでくる物売り、酒好きの鉄道警察官…。アジア15カ国をめぐる鉄道探索の楽しみ。

インドに転勤することが決まり、どんな切り口でインドを見ていこうかと考え始めているところである。1つはビール。但し、それほど銘柄があるわけでもないので、簡単に終わってしまいそうである。それよりも面白いのは、これも米国駐在当時の(悪)趣味の延長線上で捉えて現役の蒸気機関車(SL)を利用する汽車の旅というのではないかと思う。

そんな考えから、少し汽車の旅について調べてみようと図書館でこんな本を借りてみた。インドや中国はきっとSLが未だ現役バリバリで、働く機関車としてのSLをいっぱい見れるのではないかと期待して…。でも、1998年発刊の本書で調べてみてわかったことは、インド国鉄(Indian Railways)は2000年までにSL廃止を宣言し、以来1000輌以上在籍していた機関車が次々と任を解かれているという現状だった。著者はこのペースだと保存観光用を除けば2000年を待たずしてなくなってしまうかもしれないと予測している(p.22)。

そんな寂しさはあるものの、鉄道の良さはゆっくりのんびりその国と人を観察できることにあるように思う。最近のインドは中産階級が台頭し、そんなにちんたらやってられない人々が増えてきているのかもしれないが、今回のインド駐在の間に1度や2度はゆっくり鉄道の旅を愉しむ機会があるといいなぁと密かに期待しているところである。本書には鉄道の旅のハウツー(どれも当たり前のような気がしたけど)が冒頭で紹介されている以外は、著者が乗ったアジア各国の鉄道の旅の旅行記である。インドとバングラデシュの章だけ読んでこの記事を書いている。

インドの鉄道は9つの鉄道組織に分かれて運用されている。歴史は日本よりも古く、各王国や植民地政府によって敷設されたの起源にしている。そのため、現在でも広軌、標準軌道、狭軌が混在している。インド国鉄は広軌(Wide Rail)による鉄道ネットワークを進めており、現在全国の都市では直通できるようになってきている。今後も1m軌道を広軌に変更していく見込み。

電化も進んでおり、デリー、コルカタのような大幹線では電気機関車に牽引された特急列車が100km/h以上のスピードでほぼ時間通りに運転されている。蒸気機関車は急速にその数を減らし、広軌のものは既に観光用を除き全廃、ウェスタン鉄道の一部とニルギリ登山鉄道に1m軌道、ダージリンヒマラヤ鉄道に狭軌のものが残っているに過ぎない。(以上、p.213)

「インドの列車というとものすごく込むイメージがあるが、僕たちの乗った列車は、寒さ以外は快適そのもの。不愉快なこともなく、込むといわれる2等車も区間によってガラガラだった。(中略)長距離普通列車を通しで乗る人自体がいないのだ。著しい経済の伸びを示すインド。のんびりしていた時代は、終わろうとしているのかもしれない。」(p.212)

The World Encyclopedia of Locomotives

The World Encyclopedia of Locomotives

  • 作者: Colin Garratt
  • 出版社/メーカー: Lorenz Books
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: ハードカバー

▲僕のSLネタ本。米国で仕入れた。全世界のSLの興亡を沢山の写真入りで紹介しており、図鑑としても価値ある1冊。SL好きのミッキーは、僕がこの本を開いて読んでいると、「僕の本だ」と今でも主張する。視点が米英に偏っているようでもあるが、SLの歴史を考えたら自ずとそうならざるを得ないのかも。日本にも12頁を割いている。インドは4頁でしかないが、SLがディーゼルや電気機関車に取って代わられるプロセスが描かれている。(日本語訳も出版されているらしいが、ここでは原書の方で紹介しておく。)


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