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『フラット化する世界』 [読書日記]

フラット化する世界(上)

フラット化する世界(上)

  • 作者: トーマス・フリードマン
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 単行本
 
フラット化する世界(下)

フラット化する世界(下)

  • 作者: トーマス・フリードマン
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 単行本

出版社 / 著者からの内容紹介
The World Is Flat――世界は「フラット」になった。この言葉の意味を理解しなければ、これからの企業や個人が生き延びることはできません。ITの飛躍的発展はインドや中国にグローバルな競争力を与え、その結果、先進国の仕事は次々に奪われています。その一方、知識やアイディアが共有されることにより、あらゆる場所でイノベーションが起きています。競争とイノベーションの新時代を、われわれはどう生き抜けばいいのか? Google、ウォルマート、デルなど「世界のフラット化」を成功に結びつけている実例を多数紹介しながら、21世紀の繁栄の条件を示します。 
下巻内容(「BOOK」データベースより)
「世界のフラット化」によって仕事を奪われないために、先進国の人々は何をすべきなのか?子供たちの世代がインドや中国との競争に勝ち抜くには、どんな教育や社会システムを作る必要があるのか?企業はどう対処すべきなのか?本書後半では、フラット化という重大な試練を乗り越えるための具体的な方法を論じる。そして、フラット化がもつ真の可能性が明らかになる。
 
久々に大作に挑戦した。上下巻合わせて約3週間もかかった。そんな状態では本書を一言で語るのは非常に難しいと思う。1つ言えることは、この本、買っておいて時々必要なところを読み直すというレファレンスブック的な使い方をお薦めしたいということだ。考察が多岐に渡っており、フラット化した世界を実証しているのみならずその中で様々な現代社会の課題を分析している。各論の部分には面白いところが多い。時々思い出したように読み返すと良い。
 
僕の浅はかな理解能力で読むと、著者の言う「世界のフラット化」というのはグローバリゼーションとかなりの部分で合致しているのではないかと思う。今こうしてブログのエントリーを入力している実家の母のNECのラップトップにしたって、そのパーツの全てが国産でアセンブリーも国内で行われたというわけでは必ずしもない。パーツの各々の生産工程において、最も効率的な生産が行える立地で生産は行い、サイト間の情報共有は発達したインターネットがサポートしている。こうして世界の相互依存関係が強まっていくと、国家間で紛争を起こすことは当該国の信頼度に傷をつけてその国の中で行われているグローバルなサプライチェーンのアウトソーシング受注が台無しになるため、民間レベルで紛争抑止の力が働くであろうという。他方で、インターネットの情報アップロード機能は、国際犯罪やテロを容易にネットワーク化し、世界中に点在する個人を犯罪者やテロリストとしてアウトソーシングして犯罪やテロをアセンブルすることも可能にしてしまうことが懸念されるという。
 
元日の今日、初詣を兼ねて実家の近所のお寺にお参りに出かけた。朝10時から住職のお勤めが終わった後、住職が昨年を振り返るとともに、今年の展望を講話としてお話になった。年末に成立した教育基本法改正法案、そして今年与党が視野に入れている憲法改正と、愛国心を煽って若者を戦争に駆り出そうとしている、我々は断固としてこれに抗議していくことが必要であり、そうした覚悟である、住職は集まった檀家の面々に向かってこうしたお話をされた。僕は、この講話を聴きながら、フラット化する世界を思い描いた。人はこうした法案をどんどん成立させていくのは時計の針を戻して軍国主義に回帰する危険な行為だと批判するが、果たしてそうだろうか。今のこの相互依存が加速度的に深まってきている世界において、戦争を起こすことは得策だろうか、戦争を起こすことで失うものについて、僕達は正しく理解をしているだろうか。
 
この辺まで書いていくとちょっと難しい領域に立ち入ることになるので、本ブログの趣旨にも合わないと思い、ここでアップロードをしてしまおうと思う。幾つか特筆すべき記述もあるが、それらについては僕がもう1つ持つ超硬派ブログに掲載していきたい。

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