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市民講座「少子高齢化と日本経済」(第11回) [少子高齢化]

 市民講座「少子高齢化と日本経済」(第11回)                                      「三鷹市の地域福祉-市民参加による福祉のまちづくり」                                                        講師:酒井利高・三鷹市地域福祉課長

約2ヵ月の長い夏休みが明け、9日から講座が再開された。これだけ間が開くと、なんとなくモチベーションが殺がれて出る気が失せる方も多いのか、空席が目立った。辞められた方もいらっしゃったりした。1年間って結構長いから仕方がない。僕だっていつ出られない状況になるかわからない。

さて、9日のテーマはある意味僕にとってはとてもタイムリーなものだった。少子高齢化に対する日本のグッドプラクティスが「地域福祉」だという話を7月に行われたJICAの公開セミナーで聞いてきたのだが、それ以来、三鷹の地域福祉の取り組みについてちょっと整理してみたいなと思っていたからだ。

こういう講座に出ていると結構学びが多い。知っているようでいて地域のことをよく知らない自分に気づかされる。例えば…

  • 三鷹市の人口は現在174,000人(82,800世帯、外国人登録者2,900人)だそうだが、つい最近まで10年近く16万人台で安定的に推移してきたのが、最近のマンション建設ラッシュによって初めて17万人の大台に乗ってきたのだそうだ。
  • 高齢者の人口は29,800人で、高齢化率は17.35%と、周辺自治体と比較して少し低い。ところが、独居老人の割合は結構高く、高齢者人口の20%を超える。
  • 男性の平均寿命80.2歳は全国自治体中第4位と高い。
  • 近隣の武蔵野市と比べて所得格差が小さい。
  • 障がい者(清原市長のこだわりの部分らしく、「障害者」とは言わないのだそうだ)の中でも精神障がい者の人口が三鷹は多い。これはある意味当たり前のことで。井之頭病院や長谷川病院といった精神科の病院があり、退院者が後々通院するのに楽だからということがあるらしい。

言われてみるとなるほどと思うのだが、言われないとなかなか気づかないことが多い。こういう点は講座を受けてみて本当に面白いポイントである。

さて、肝心の地域福祉の話だが、これも驚きだが、三鷹市の地域福祉課の仕事の7~8割は障がい者福祉対応に充てられているのだそうだ。ただ、そうはいってもこの日の酒井課長のお話はとても貴重なものだった。市役所の役人の仕事は地域の人と対話し、地域のことを知り、そして異なる利害関係者の間の調整をうまく図るという骨の折れるものなのだというのがひしひしと伝わってきた。そして、コミュニティ行政と市民参加の歴史、コミュニティセンターと住民協議会の活動、市民によるさまざまな地域福祉活動の実際(中には、義母が関わっておられた「高齢者食事サービス」といったものも含まれていた)など、お話を聞くにつれ、さらに我が街を好きになっていく自分を感じた。

ただ、こういう話を聞くと、どうしても疑問に感じるところがある。これは酒井さんの問題ではない。

1)日本の福祉制度が行政主導で形成されてきた歴史について、7月のJICAのセミナーで聞いたところであり、地域福祉についても、行政側の人に説明を受けると、どうしても行政主導で進められているのかという印象を抱いてしまう。僕の思い描く地域福祉とは、住民が問題を意識し、周囲の住民に働きかけ、そして行動を起こし、必要あれば行政に働きかけるというプロセスを通じて実現していくものである。だから、高齢者同士でケアし合うような京都市・春日学区の話等を聞くと胸がときめくし、日本はまだまだ捨てたものではないと思う。子供を通わせているから学校と高齢者の繋がりというのももっとあったらいいと思う。そういう草の根から沸き起こるイニシアチブの推進者が市内にいれば、そういう方の話と市役所の方の話を組み合わせることができれば、受講者が次のアクションを起こしたくなるような講座のデリバリーに繋がったことと思う。(これはプログラムを組んだ企画側へのちょっとした注文である。)

2)こういう話を聞くと、平日の日中は三鷹を離れて都心に働きに出かけている成人就労年齢の男性の立場のつらさをどうしても感じてしまう。本日の受講者の中に傾聴ボランティア養成講座が平日夜に開催されるととても出られないとこぼしておられたお年寄りの女性受講者がいらしたが、僕からするとそういう平日夜の講座はやっていただいた方がありがたいと思う。そうでなければ働き手の成人男性は受講できないから。でも、今の僕の状況を考えたら、そうした講座に平日夜に出ることすら実は非常に難しい。ましてヘトヘトの状態で週末を迎えるとダメで、体が動かないし、動いても地域の活動に加わろうと思っても、子供が3人もいる状態では妻でも許してくれないのが実情である。従って、こういう地域福祉とか住民参加のまちづくりとか言われても、就労年齢の男性は居場所があまりないのが悲しい。(以前この質問を別の機会に講師の方に問いかけたところ、「難しい」という答えが返ってきた。)

昨日の夜は近所の神社で秋祭りが開催され、少しだけ神社をのぞきに行ったが、子供の手を引いて歩いていたところ、「○○ふるさと会」という地域の青年会のビラを渡され、「一緒に焼きそば作りましょう」と誘われた。そういうの参加できたらいいなぁと思いつつ、1日の大半を三鷹市外で過ごす僕のような人間が、イベント開催日の模擬店以外に実質的な貢献ができるのかどうか、考え込んでしまった。


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