天然痘について読んでいて息子が水疱瘡に… [帚木蓬生]
エイズを巡る親子の会話
今、帚木蓬生著『アフリカの瞳』 (講談社、2004年7月)を読んでいるところだ。430頁の大作だし、今週末も子供絡みの行事がいくつかあったので、読むのは遅々として進まないが、暇を見つけては読むように心がけている。南アフリカに蔓延するエイズの話だ。読み終わったら、僕の超真面目なもう1つのブログの方で書評でも書いてみようと思う。
帚木蓬生著『アフリカの瞳』を読み終えた後、その前編とも言うべき『アフリカの蹄』(講談社文庫)を読んでいるところだ。『~瞳』の12年前の南アフリカ共和国の話であるが、前者がエイズ問題に切り込んでいるのに対して、『~蹄』は天然痘の話である。未だアパルトヘイト撤廃からさほど時間も経っていない頃、同国内で貯水ダムを建設する計画が持ち上がり、ダムに沈む予定の黒人居住地域に強制立ち退きをさせるために、意図的に政府が天然痘ウィルスをばら撒くという話である。事の真偽はともかくとして、ありがちな話であると思う。
今は天然痘は撲滅宣言まで出されていて、安全なウィルス管理の観点から、世界でも2、3カ国しか管理が許されていない。僕達の世代は種痘を接種しているが、その効力も30年くらいといわれ、今もし世界のどこかで天然痘が再発したら、免疫がある筈の僕達でもサバイブできないと考えられている。ましてや種痘の接種自体をしていない子供達の世代はといえば・・・。
天然痘(Small Poxと呼ばれる)は、2001年9月の米国同時多発テロ以降、「貧者の武器」としていつ米国での細菌テロで利用されるのではないかと戦々恐々となったのが記憶に新しい。世界が不安定になるにつれて、再びどこかで誰かが天然痘ウィルスをばらまくのではないかとの懸念が取りざたされているのである。
そう思っていたら、先週くらいから、ミッキーの陰茎の裏側に発疹が出て、さらにルイの体中に発疹が出始めた。皮膚科に連れて行ったら、「水疱瘡」ということであった。ルイの体は赤い斑点で一杯で、ちょっと変な本読んじゃったかなと反省させられる。
いえ、決して悪い本じゃありません。アパルトヘイト下で黒人がどのような生活を強いられていたのか、白人はどのような考えに基づいて人種差別を行なってきたのか、天然痘はいつ撲滅宣言が出されて、今どのように管理がなされているのか等等、参考になる情報は多い。
『アフリカの蹄』は、2003年1月頃、NHKでドラマ化されている。全部見たわけではないけれども、当時非常に話題になった小説である。保健医療・疫学関係の著者の知識は疑うべくもなく、読むだけでこうした途上国における伝染病の問題について理解を深めることができる。
『アフリカの蹄』が間もなく読み終わるので、今日、コミュニティセンターの図書館に行って、次の読み物を借りてきた。今度はエボラ出血熱に関する小説である。
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m(_ _)m
by 依光次郎 (2008-07-06 00:16)