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感染者を出したビルの処遇 [ブータン]

「危険ビル」から「危険部屋」へ
Transitioning from red buildings to red flats
Nima Wangdi 記者、Kuensel、2022年3月9日(水)、
https://kuenselonline.com/transitioning-from-red-buildings-to-red-flats/
red-flat.jpg
【要約】
ある建物の一室に住む住民から陽性者が出た場合、建物全体を封鎖するという方針は緩和される見込み。陽性者を出した部屋(Red Flat)だけが封鎖される。保健省関係者によると、この概念は3月7日からティンプーで実施されている由。

但し、建物の中の隣人が陽性判定を受けた住民と濃厚接触をしていた場合はこの限りではなく、建物全体が封鎖となるが、こういうケースは都市部ではあまり多くないと見られている。

部屋の入口に傍れた赤いステッカーを剥がすことは禁止。Desuupがいちいち部屋を外から監視することは困難であるため。ステッカーは10日間貼られ、その後撤去される。食事や生活必需品は地区担当のDesuupが供給。供給の度にステッカーを剥がし、中の住民がそれらを受け取った後、再びステッカーが貼付される。

支障があれば隔離施設の利用は可能だが、近隣にそうした隔離施設があることが前提。

10日が経過すると、住民は解放される。何らかの症状がまだ残っている場合は、最大14日間にまで延長される。陽性者が出た場合、検査は初日と10日目に行われる。

トイレや水場といった共用施設を住民が皆利用しているケースもあるが、その場合のクラスター形成は比較的小さいと判断。

ティンプー市内には先週時点で、「危険ビル(Red Building)」が115棟、「危険区域(Red Cluster)」が13区域ある。前述の制度変更は、国内で危険ビルや危険区域を減らしつつ、住民の利便性を確保するために検討された措置。.

2回目の首都ロックダウンも今日で16日目である。誰に訊いても、今回の先の見えない行動制限措置では精神的に来ていると言う。

今回、このクエンセルの記事を取り上げようと思った理由は、僕の知人で、今ブータンに仕事で来られている邦人の方が、この「危険ビル」指定された建物に缶詰めになっておられるからである。非常に運が悪いケースで、2回目のロックダウンがはじまる前日、アナウンスを聴いて同じゾーン内で動けるよう、当地で彼を受入担当してくれたブータン人のアパートに居候することにした。すると、引っ越した直後にこの建物の中で感染者が出てしまい、それで封鎖された。

僕はその方と契約上は関係がないが、いずれ契約関係を持って将来的に一緒に仕事をすることもあるかもしれないので、僕にとっては「関係者」だと思っている。それに、彼を受け入れたこのブータン人とも僕は普段から仕事上の接点がある。僕の「声かけ」が十分だとは決して思わないが、では僕以外の日本人がその方に対してそれ以上の声かけをしているかといえば、あまり聞こえては来ない。

その方が仰っていたのは、ある建物の中で感染者が出てしまうと、建物全体の住民が連帯責任を負わされているというような感覚になるということだった。以前も書いたが、「危険」指定された建物に対する投石があって、Desuupでは手に負えなくなったところでは、警察官も配置して警戒に当たらざるを得なくなったという。投石は極端な例かもしれないが、「危険」指定された建物や区域を市内で見かけたり、話を聞いたりすると、「どうして感染しちゃったんだろうか」と一瞬でも思わなかったとは僕も言い切れない。

また、「いつこの「危険」指定が外れるのか先が見えない」というのも仰っていた。そう聞いた直後にこのクエンセルの記事が出た。2回目のロックダウン入りしてから今日で16日目ということは、この記事にある「10日」どころか、「最大14日」すら超えた期間の封鎖が実際にはまだ残っているということである。7日からすでに実施されているのなら、早くその方の居候している建物の「危険」指定も外して欲しい。

ホテル住まいで、行動制限があってもビル内なら動き回れる僕のような人間でも、今回のロックダウンはきつい。それが、部屋から出られないというレベルの行動制限だったら、そのインパクトは甚大だ。足腰は確実に弱るし、同居人との間でのストレスもたまる。

そういう状態に置かれている邦人が存在するのですが、大使館の方はご存じでしょうか。

―――こういうことでいちいち気に触っている自分の今の言動をメタで見てみると、自分の精神状態もちょっとヤバいなと感じないでもない。なんか、攻撃的になっているかもしれない。
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