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『ESG経営ケーススタディ20』 [持続可能な開発]

ESG経営 ケーススタディ20

ESG経営 ケーススタディ20

  • 編著者: 日経エコロジー
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2017/06/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
近年急速に注目を集めるESG(環境・社会・ガバナンス)経営
最新20社の事例に基づき、ESGへの取り組みがビジネスに役立つ具体例を詳しく解説
いま「環境経営」は「ESG経営」へと大きく進化しようとしています。グローバル企業は従来の環境対策に加えて、世界が抱える社会課題の解決や生物多様性に配慮した経営を強化しています。投資家や金融機関も、ESGに優れた企業に投融資する動きを加速させています。今後、日本企業もESG経営が求められるでしょう。従来の環境対策やCSR活動に加えて、より一層の温暖化対策の推進、貧困や人口減少などの社会課題解決、天然資源の持続可能性に配慮した調達などを進めなくてはなりません。
本書は、ESG経営のヒントになるケーススタディー集です。環境・CSRの専門誌『日経エコロジー』は先進企業を多く取材し、連載「ケーススタディ環境経営」で取り上げています。本書はその中から読者の人気が特に高かった20社を紹介しています。全事例とも、専門記者が経営者や環境・CSRの担当役員などの幹部取材と、事業の現場に足を運んで取材して執筆。
≪掲載企業一覧≫ コニカミノルタ/大日本印刷/デンソー/TOTO/大和ハウス工業/川崎重工業/積水ハウス/竹中工務店/清水建設/リコー/佐川急便/コマツ/積水化学工業/イオン/サントリーホールディングス/住友林業/三菱地所/日立造船/東レ/ヤマハ発動機

積読蔵書圧縮計画、10月分の第二弾はこの本。去年、ある国際会議に事前論文提出を求められ、参考文献候補として考えてアマゾンで注文した。内容的に自分の書く論文と関連性があるのかどうかがわからなかったが、書店店頭で立ち読みすることもできず、取りあえず「ESG」と付いていたのでリスク承知の上で発注した。そして見事に外れてしまった。少なくとも、論文執筆には役には立たなかった。

それを今読んだのは、これは単に積読状態解消を急がねばという義務感以外の何ものでもない。

こういう、新聞や雑誌で連載されたシリーズを、ある程度原稿がまとまってきたところで本にするというのは、僕も同じようなことを会社で担当したことがあるから、編著者側の気持ちはわかる。でも、一方で、これを買う人はどこをどう読むのだろうかという疑問も湧く。

自分の会社が紹介されているのなら、その会社の人は買うかもしれない。でも、200頁以上ある本の中の、10頁程度のものだとすると、買おうとする社員はそもそも少ないだろう。自社の取組みのところだけ読むのなら、最初から日経エコロジーで掲載された時の号を買えば済む。

逆にこれから取り組もうとしている会社にとっては、先行事例は参考にはなるだろう。ただ、せめて1冊にまとめるなら、古い記事は追加取材してアップデートするぐらいのサービスはして、発刊時点での情報に揃えておくぐらいのことはあっても良かったのではないかと思う。それが無理だとしたら、せめて全ての記事を横串で分析してみて、今何が言えるのかをまとめた総説がもっとあっても良かったのではないだろうか…。

自分なりにこれらを読んで感じたことを述べると、取り上げられた会社はどこも、環境配慮や社会への貢献を、自社の本業での取組み課題と位置付け、それらに取り組むことで自社の収益アップを目指しているという点である。環境や社会にしっかり役に立つ仕事をして、それでお金を稼ぐというのが、持続可能な企業経営ということなのかなと感じた。

ただ、ESGと言いつつ、G(ガバナンス)についての取組み事例が、一見すると少ないという印象を受けた。Gをどう捉えるかという定義の問題のような気もするが、流し読みしたぐらいでは、そこまでははっきり読み取れなかった。

これを読んだ自分がこの本をどう活用するかと考えてみたが、寄せ集め感はあるし、自分は企業のCSV担当部署で勤めているわけでもないので、今後も活用する可能性はほとんどないと思う。これだけ有名企業を揃えられても、自分自身の実践にはそうそう結び付かない。ああ、そういえばこういう会社もあったな~ぐらいの感じで読んでおく。本当なら、もっと小さな企業でも、「こうやったらESG経営ができる」という事例集でもあれば、背中を押される人はもっと大勢いると思う。

タグ:SDGs
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