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イヌは増えているようです [ブータン]

2009年以降、不妊措置が取られたイヌは8万5000匹
85,000 dogs steralised across the country since 2009
Kuensel、2018年8月13日、Karma Cheki記者
http://www.kuenselonline.com/85000-dogs-steralised-across-the-country-since-2009/
【ポイント】
ヒューメイン・ソサエティ・インターナショナル(HSI)と農業省畜産局は、6月24日から7月10日にかけて、第2回イヌ人口調査を実施。それによると、ブータンのイヌ総人口の60~80%が不妊化及びワクチン接種措置がとられていたという。2009年、政府は全国イヌ人口管理・狂犬病抑制プロジェクトをスタートさせたが、それ以降の累計で約8万5000匹のイヌが不妊化と狂犬病ワクチン接種が行われてきたことになる。

同調査では、街のイヌの人口計測だけでなく、イヌの飼い主を対象としたKAP調査(知識、態度、実践実態調査)も実施された。結果、ティンプー、パロの都市住民世帯数の21%、農村世帯の40%がペットとしてイヌを飼っていることが判明。

調査によると、可移植性性器腫瘍(CTVT、イヌ科に発生する感染性の腫瘍)の兆候が見られるイヌはティンプーでは見られなかった。2009年以前にはCTVTはよく見られた兆候だったので、これは全国イヌ人口管理プロジェクトの成果といえると分析。

第1回イヌ人口調査は2015年に実施。その際、ティンプー市の野犬の67%、パロ市街地の野犬の73.8%が不妊化措置を受けていたことがわかっている。また、ティンプー県農村部の野犬の45.5%、パロ県農村部の野犬の57.6%も不妊化。都市部では毎年1500匹程度の不妊化措置がとられ、これによりイヌ人口がほぼ変わらない水準で数年経過しているとのこと。

一方、2018年の第2回調査の結果、パロ、ティンプーともにイヌ人口密度が上昇していることがわかった。これは、不妊化を免れているイヌの間で新たな子どもが生まれていることを意味し、2009年からのプロジェクトがうまく行っていないことになる。ティンプーやパロはこの間、人口も増え、ホテルも増えた。これに伴い精肉店も増え、生ごみも増えた。これらの人間生活の変化が、イヌの人口増加にもつながっているとHSIでは分析。

野犬実態調査は、ティンプー、パロ、サムチ、チュカ、ブムタン、タシガン、サルパン、サムドゥップジョンカルの8県で実施。また、飼い犬実態調査はティンプーとパロで行われた。

農業省の全国イヌ人口管理・狂犬病抑制プロジェクト担当官によると、こうした実態調査は、プロジェクトのインパクトを確認し、今後どのような措置を取っていくべきか、目的達成に向けた長期戦略の策定にも役立つとのこと。

◇◇◇◇

この記事、ヘッドラインには結構問題ありで、先ず「不妊化(sterilize)」のスペルを間違えているし、また記事本文を読む限りでは最も重視すべきなのは都市のイヌの人口が増えているという実態の方だと思えるのだが、それを2009年からの不妊化措置の成果の方をタイトルに持ってきている。

それに、これを読んでいると、手段と目的がなんだかごっちゃになっているような印象も受ける。そもそも2009年から始まったプロジェクトは長期戦略に基づいて行われたはずなのに、そのインパクトを調べるための調査を以って、今後の長期戦略の策定に役立つというような言い方を担当官はしている。

そんなのんきなことを言ってないで、イヌの問題を何とかしろと言いたくなるのは市民の当然の信条で、それを察したかのように、クエンセルはその翌日、社説でイヌ問題を取り上げ、プロジェクトがうまく行ってなくて、イヌの総人口は20万匹にも到達しそうで、ブータンの人の総人口の半分にも達しそうだと述べている。人がイヌに国を乗っ取られるぞという勢いだ。("Dog population has to be brought under control" Kuensel, 8月14日)

前の農業大臣は、以前、自信満々に、「2009年から始まったプロジェクトは今6、7年目を迎えている。10年計画で見ていて、いずれイヌの人口は減り始めるから、イヌの問題はそう気にしなくてもよい」と語っていたことがあるが、その10年目というのは来年のことであり、少なくとも今回の実態調査の内容を見れば、プロジェクト自体がうまく行ってないという現実は受け入れないといけないのではないかと思える。それだけに、このプロジェクトの担当官の呑気なコメントには少しばかり腹も立つのである。

僕はこの国は陸上長距離の高地トレーニングにはすごく向いていると思っている。実際、8月18日からインドネシアで始まるアジア大会に向けて、インドの陸上チームと思われる一団が、朝の涼しい時間帯でロードの練習をしているところを見かける。少なくともインドの陸上チームにとっては、ブータンは高地トレーニングの地となり得るのだというのを感じる。

でも、ロードの練習をやれる場所も限られる。高地トレーニングをやるならハなんてのもクロスカントリーにとても向いていて、国際空港からも比較的近く、海抜もティンプーやパロよりも高いのでその点でもアドバンテージがあると思うのだが、ここでロード練習をやれば確実にイヌの餌食になる。野犬ではない。各世帯で放し飼いにしているのである。イヌに追いかけられてペースを乱すようなことが頻発すれば、そういう、長期でお客さんを誘致するような取組み自体がこの国では難しいということにもなってしまう。

イヌが多すぎることで、他の面でいろいろ支障が生じているのだ。

余談ながら、僕が今住んでいるアパートの敷地内でも、僕は最近特定の飼い犬に咬み付かんばかりに吠えられ、肝を冷やすことが二度三度とあった。2年以上住んでてもこれかよという感じである。

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