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『介護入門』 [読書日記]

介護入門 親の老後にいくらかかるか? (ちくま新書)

介護入門 親の老後にいくらかかるか? (ちくま新書)

  • 作者: 結城 康博
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/03/10
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
老老介護、介護殺人、介護自殺など介護にまつわる事件が後を絶たない。介護保険が施行されてから10年経つが、事態はなんら改善されてはいない。それでも、超高齢化が避けられない現在、誰もが介護に直面することになる。では、どうすれば安心して介護生活を送ることができるだろうか。数多くのインタビューによって現場の声を丹念に拾い上げ、わかりにくい介護の仕組みを解説する。
3年以上積読にしていた本である。海外駐在時代に購入したものの、すぐに帰国の辞令を受け取り、引越しのどさくさで読むタイミングを逃してしまった。その後この主題とまったく縁もゆかりもない内容の仕事に忙殺されるうちに体勢を立て直すタイミングも見失い、とうとう3年が経過してしまったというわけだ。

著者自身がケアマネージャーから大学准教授になった人なので、現場感覚は持っておられて、役人が鉛筆を舐めて行った制度改編に対する評価には厳しいものもある。書かれた時期的には民主党に政権交代が行なわれた直後の執筆で、民主党政権の体たらくが露呈する前に書かれているので、その前の自民党政権との比較で民主党政権への期待感がにじみ出た書きぶりだ。しかも基本的に日本の介護保険制度の解説なので、時間が経てばどうしても情報が古くなるのは否めない。それは仕方がないか。

持論を補強するために現場の当事者にインタビューを試みておられる。自身が介護業界に身を置いた経験があるからといってそこに安住するだけではなく、常に現場に足を運んでその感覚を磨いておられる姿勢には好感が持てる。ただ、どういう問題意識に基づいてそのインタビューに臨んだのかについて、各節冒頭で明記しておいていただけると、もっと理解しやすい本になっていたかもしれない。

政権もまた自民党に替わったことだし、そろそろ次の1冊を書かれるのではないかと思う。

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