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IPL開幕を機に、クリケットのおさらい [インド・トリビア]

IPLGambir.jpg12日(金)から、今年のインディア・プレミア・リーグ(IPL)が開幕した。昨年は下院総選挙の関係で治安上の配慮から南アで開催されたIPLは、約2年振りにインド国内に戻って来たことになる。世界のスター選手(パキスタン選手は出場してないけど)が会するオールスター・キャストのリーグ戦であり、これが観戦できるインドのファンはとても幸せだ。(右写真はデリー・デアデビルズ(Delhi Daredevils)のゴータム・ガンビール選手)

南アジアに通算で6年近くも住んでいると、クリケットに対しては多少の知識も得られるようになる。Twenty20(T20)のフォーマットでW杯やIPLが開催されるにつれ、何となくこんなルールなのかなと想像ができるようになってきた。まだまだ正しいのかどうかはわからないでいたが、数ヵ月前にある日系企業の集まりでクリケットの楽しさについてレクチャーして下さった方がいて、その時の配布資料がとても参考になったので少しだけ抜粋させてもらおうかと思う。

1.クリケットの面白さ
(1)プレーが多彩
-バッツマン(打者)は360°どこへ打ってもよい。
-打ち方は多彩
-ボウラー(投手)が投げる変化球も多彩で、バッツマンの後ろからウィケットに向かう変化球もあり。
-アウトの種類が10つもある。
(2)野球と比べてアウトの重みが違うため、1つのアウトで観客が熱狂する
-1イニング制の場合は10アウトで終わり
-一度アウトになると、同じバッツマンは二度と打席に立てないため、好打者を打ち取る意味が大きい。
-アウトが際どいものが多い。10種類のアウトの多くがひと目でアウトかセーフかが判断しづらい。

2.得点パターン
(1)ラン
-バッツマンが球を打ち、その間に両サイドのバッツマンがそれぞれの対面のクリースに向かって走る。
-各々が対面のクリースに到達したら1点。ボールが返球されるまでに往復した回数だけ得点加算される。
-バッツマンの打球がバウンダリーをゴロで越えた場合は4点(FOUR)、ノーバウンドで越えた場合は6点(Six)が加算。
(2)エキストラ
-ボウラーが違反投球(WideとかNo Ballと言われるとても打てない球)を投じた場合は、その時点で攻撃側に1点加算。
-違反投球は球数としてカウントされない。
-違反投球とは異なるが、危険球(直接バッツマンの頭部や直近に投じられた球)は得点にならず、1球目でボウラーへの警告、2球目で退場となる。

3.アウトのパターン
(1)ボールド(Bold)
 ボウラーの投じた球がウィケットに当たり、ベイルが落とされた場合。バットやバッツマンに当たってからウィケットに当たった場合もアウト。
(2)LBW(Leg Before Wicket)
 ボウラーの投じた球がバッツマンのバット以外の体の部位に当たり、それがなければウィケットに直接当たっていたとアンパイアが判断した場合。(守備側の選手からのアピールに基づきアンパイアはジャッジする。アピールがないとアンパイアはジャッジしない。)
(3)コート(Caught)
 バッツマンの打球を、守備側の選手が地面に付く前に捕球した場合。これには、バットにかすったチップをダイレクトに捕球したり、打球がバッツマンの体に触れた場合も含まれる。(際どい場合は、アンパイアにアピール)
(4)ラン・アウト(Run Out)
 バッツマンがクリースを離れている状態で、守備側の選手がボールを投げるか、ボールを持った手でウィケット上のベイルをたたき落とした場合。バットも体の一部と見なされるため、バットがクリース内に入っていればセーフ。(際どい場合は、アンパイアにアピール)
(5)スタンプト(Stumpt)
 ラン・アウトとよく似ているが、バッツマンが打撃のためにクリースから離れている状態で、投球を見逃すか空振りした状態で、守備側のウィケット・キーパーがボールを投げつけるか、或いはボールを持った手でウィケット上のベイルをたたき落とした場合。(際どい場合は、アンパイアにアピール)

4.ゲーム進行
(1)オーバー(Over)
-6球を1オーバーと呼び、1オーバー毎にボウラーは交代しなければならない。つまり、同じボウラーは6球までしか投じることができない。
(2)イニング(Inning)
-打者側がオールアウト(10アウト)を取られた場合にイニングは終了となる。(1ゲームの出場選手は11人だが、2人1組で打撃を行なうので、10アウトになると攻撃が続行できない。)
-リミテッドオーバー制の場合、規定オーバー数を終了した場合、打撃側のオールアウトを待たずにイニングが終了となる。(例えば、IPLやT20は20オーバー制で行なわれ、1イニングのみで終了する。逆に、テストマッチ(Test)と呼ばれる公式国際試合の場合は、オーバー数が規定されていない実質無制限試合だが、全日程で5日間という制限があり、その中で試合終了しなかった場合は引き分けとなる。)

以上で説明できなかったけれど、テレビでクリケットの試合を見ていると、守備側の陣形が投球の度に変わっていることに気付かされる。守備側はどこに打たせようとしているのか、そのためにボウラーはどんな投球をするのか、それを読んでバッツマンはどのように打とうとしているのか、1球1球でそんな駆け引きが展開されているのだと言う。

また、逆算で見ていくと今攻撃側は優勢なのか劣勢なのかがよく見えるらしい。IPLの場合は20オーバー制で、150点取るとそのチームは優勢だと見てよい。従い、先攻側は150点を目指して、現在のオーバー数で何点ぐらい積み上がっているのかによって調子の良否がわかり、後攻側は先攻側の得点を目標にして、残りのオーバー数で勝ち越しまでに何点必要かというのを見ながら、FourやSixが出る度に一喜一憂していくのだ。

因みに、今年のIPLはYouTubeと提携してゲームやダイジェスト動画を配信している。下記URLで観戦できるので、上で述べたルールを振り返ってみていただけると幸いです。
http://www.youtube.com/ipl

【参考資料】
瀧田朋穂 『クリケットの世界-インド生活の楽しみを』
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コメント 1

toshi

十数年前、インドの旅行中、テレビでインドとパキスタンがクリケットの試合をしているのを見ました。この時、インドが勝ったので、ホテルの従業員たちが、大変喜んでいました。どこの国も同じだと思いました。
by toshi (2010-03-16 13:19) 

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