作品売れて醜聞あり－『3 Idiots』を巡るドタバタ：サンチャイ☆ブログ（संचै पत्र）：SSブログ

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作品売れて醜聞あり－『3 Idiots』を巡るドタバタ　[インド・トリビア] [編集]

映画が大ヒットするといろいろ騒動が起こるようで、現在劇場公開中の『3 Idiots』も、売れたがためにひと悶着があったようだ。1月3日付Hindu紙には「『3 Idiots』のプロデューサー、怒鳴り散らしたことを謝罪（3 Idiots producer apologises for outburst）」という記事が載っていたし、同じく3日付Hindustan Times紙では、コラムニストVir Sanghviが「問題は高貴に振る舞えるかどうかだよ愚か者！（It's about behaving with grace, you idiots!）」というコラムを書いている。
＊Hindu紙の記事はこちらからダウンロード可能です。
http://www.hindu.com/2010/01/03/stories/2010010356521800.htm
＊Hindustan Times紙のVir Sanghviのコラムはこちらからダウンロード可能です。
http://www.hindustantimes.com/It-s-about-behaving-with-grace-you-idiots/H1-Article1-493145.aspx

事の顛末はおよそこんな感じらしい。

１）12月25日に劇場公開された『3 Idiots』は大ヒットとなったが、これに対して、小説家チェタン・バガットが批判を始めた。彼の訴えによると、この映画作品は彼の2006年発表の小説『Five Point Someone』からヒントを得て制作されているのは明らかであるにも関わらず、映画のエンディング・クレジットに自分の名前が載っていないのはおかしいという。

２）これに対しては、主演のアーミル・カーンが、この小説は読んだことがあり、著者に対してもあらすじについては事前に説明して了解を取っており、今さらこうした批判が飛び出すのはチェタン・バガットの売名行為に過ぎないと取り合わなかった。アーミル・カーンはさらに、こうした批判は、映画作品の脚本家だったアビジャット・ジョシの評価を下げるものであるが、この脚本家はこのスクリプトを3年にもわたって温めてきたのだと主張した。

３）ところが、この論争にマスコミが飛びついた。1月1日にデリー郊外の新興都市ノイダで行なわれた記者会見の席上、ある記者がこの映画が『Five Points Someone』に酷似していることを指摘した。この記者はディレクターのラジクマール・ヒラーニと脚本家のアビジャット・ジョシに対してチェタン・バガットの小説に関する質問をしようとしたところ、プロデューサーのヴィドゥー・ヴィノッド・チョープラはこの記者にその小説を実際に読んだのかと尋ね、彼が「読んでいない」と答えたため、チョープラはこの記者に対して「シャラップ（Shut up!）」と叫んだという。同席していたアーミル・カーンは、チョープラを落ち着かせて記者に謝罪させようとしたが、チョープラは謝罪を拒んだ。

まあ、よくある話だろうし、何となくボタンの掛け違えみたいなもので、映画のエンディング・クレジットに名前が載っていないのは拙かっただろうが、それは何らかの形でちゃんとクレジットすれば済む話であるような気がする。DVDが出た時でもいいし、このような記者会見の場でもいい。制作側がチェタン・バガットを無視する態度を貫くのが賢明だとは思えない。

実はそれくらいこの映画のプロットは『Five Points Someone』に似ている。面倒なのでウィキペディアに書かれていた本書のあらすじをそのまま原文で掲載するが、『3 Idiots』の学生時代の3人組の描写は小説と酷似しているのは間違いない。

The novel is set from the Indian Institute of Technology, Delhi, in the period 1991 to 1995. It is about the adventures of three mechanical engineering students (and friends), Hari Kumar (the narrator), Ryan Oberoi, and Alok Gupta, who fail to cope with the grading system of the IITs. The three hostelmates - Alok, Hari and Ryan get off to a bad start in IIT - they screw up the first class quiz. And while they try to make amends, things only get worse. It takes them a while to realize: If you try and screw with the IIT system, it comes back to double screw you. Before they know it, they are at the lowest echelons of IIT society. They have a five-point-something GPA out of ten, ranking near the end of their class.

The book is narrated in the first person by Hari, with some small passages by his friends Ryan and Alok, as well as a letter by Hari's girlfriend Neha Cherian. It deals with the lives of the three friends whose elation on making it to one of the best engineering colleges in India is quickly deflated by the rigor and monotony of academic work. Most of the book deals with the numerous attempts by the trio to cope with and/or beat the system as well as Hari's fling with Neha who just happens to be the daughter of Prof. Cherian, the domineering head of the Mechanical Engineering Department.

While the tone of the novel is humorous, it takes some dark turns every now and then, especially when it comes to the families of the main characters. Most of the action, however, takes place inside the campus as the boys, led by the ever creative Ryan, frequently lamenting how the internationally lauded IIT system has stifled their creativity by forcing them to value grades more than anything else. Uninspiring teaching and numerous assignments adds to their woes although the boys do find a sympathizer in Prof. Veera, the new fluid mechanics professor.

実はチェタン・バガットという小説家はインドではかなり売れっ子であり、彼の最新作『2 States: The Story of My Marriage』や『The Three Mistakes of My Life』を旅行中の飛行機の機内で読んでいる人は非常に頻繁に見かけるし、『One Night at the Call Centre』は映画化もされた。しかもその映画の主演は、『3 Idiots』のおバカの1人を演じたシャルマン・ジョシでもある。チェタン・バガットからすれば、『One Night at the Call Centre』のように作品そのものが自分の小説の映画化だと言って欲しかったのだろうと思うし、往々にして原作と映画作品が異なるストーリーになることはあるので、チェタン・バガットも映画の脚本自体をどうこう言っているわけではないと思う。