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『ウェブはバカと暇人のもの』 [読書日記]

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)

  • 作者: 中川淳一郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/04/17
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
著者はニュースサイトの編集者をやっている関係で、ネット漬けの日々を送っているが、とにかくネットが気持ち悪い。そこで他人を「死ね」「ゴミ」「クズ」と罵倒しまくる人も気持ち悪いし、「通報しますた」と揚げ足取りばかりする人も気持ち悪いし、アイドルの他愛もないブログが「絶賛キャーキャーコメント」で埋まるのも気持ち悪いし、ミクシィの「今日のランチはカルボナーラ」みたいなどうでもいい書き込みも気持ち悪い。うんざりだ。―本書では、「頭の良い人」ではなく、「普通の人」「バカ」がインターネットをどう利用しているのか?リアルな現実を、現場の視点から描写する。

今週末はアグラ行きが延期になったために自宅に長くいたのだが、その分少しぐらい今まで未整理だった新聞記事や資料の読み込み、視聴覚資料の内容確認等をやろうと思いつつ、時々ラップトップのキーボードを叩いている自分に気付く。中毒に近い状況になっているのはよくないと思い、気分転換に外出もした。そこで本書を読んだ。自戒の意味も込めて。

反省すべき点はある。ただ、少しばかり救われる記述もあった。例えば、人々がブログを書く理由として、総務省が2008年7月に発表した「ブログの実態に関する調査研究」の結果によれば、「ブログ開設動機」の上位は、「自己表現」(30.9%)、「コミュニティ」(25.0%)、「アーカイブ型」(25.0%)、「収益目的(アフィリエイト等)」(10.1%)、「社会貢献」(8.4%)だという(p.70)。僕はこのうち「アーカイブ型」に含まれると思うが、それが25.0%もいるというのは救いだとも思う。「アーカイブ」というと、たいていの場合は「日記」なのだろうが、僕がインドネタでものを書く時は本当に記録(アーカイブ)と思って書いているし、読んだ本についてもそうだ。年齢的に読んだり聞いたりしたことを放っておいたら忘れてしまうので、記憶にとどめておくようにしている。

著者はこうした「アーカイブ型」まで全て否定しているわけではない。ちょっとだけ安心させられた。

「リア充」という言葉があるというのは知らなかった。著者によれば「リアルの生活が充実した人々をなかば侮蔑的に表現した言葉」だという。僕は最近は記事の予約公開機能を使っているので、ブログ掲載時刻がそのまま僕がその記事を書いていた時刻であるわけではない。だから、更新時刻だけを見て「こいつ暇なんじゃないか」と判断されるのはツライなと思っている。日中はちゃんと仕事をしており、それを中断して書くようなことはしていないし、そんな余裕もない。ただ、「リア充」とは違って週末は更新頻度が高い。割と暇だからだし、情報整理を週末にまとめてやっているからでもある。だから、僕は「暇人」と言われるのにも抵抗はあるが、だからといって完全無欠の「リア充」というわけでもないのかもしれない。

最近は1日1000PVに届く日もあるが、僕はこの1000PVというのがどういう水準なのかよくわからないでいた。本書によれば、企業のHPで1日2000PVあればまあそこそこという感じらしいから、1000PVというのには少し身の引き締まる思いがした。僕は100PVを超えるようになったあたりから誰に読まれているのかわからないと思うようになり、意識して家族や自身の素性を記事では見せないようにしてきた。ことインドネタについては意外と読んでいるという声を耳にするようになってきた。自分の記録と、加えて英文翻訳の練習のためにやっているという位置付けもあるが、気持ちが締まる思いがする。

1日1000PVもあれば時として厳しいコメントを頂戴することもある。匿名の方から記事削除を求められて応じたこともある。本書にある次の項目を参考にして、記事の書き方には注意をしていきたいとも思った。ややもすると、同じ記事を書く際にも書き方ひとつで読者の受け止め方が一変するリスクもあるわけで、素材だけではなく包丁さばきも盛り方も重要だと改めて痛感させられた。

ネットで叩かれやすい10項目
1)上からものを言う、主張が見える
2)頑張っている人をおちょくる、特定個人をバカにする
3)既存マスコミが過熱報道していることに便乗する
4)書き手の「顔」が見える
5)反日的な発言をする
6)誰かの手間をかけることをやる
7)社会的コンセンサスなしに叩く
8)強い調子のことばを使う
9)誰かが好きなものを批判・酷評する
10)部外者が勝手に何かを言う

また、これ以上閲覧者数が増えることについては不安も大きいので記事選択の基準はあくまでも「記録」としての位置付けを重視し、ネットユーザー受けするネタを拾っていくつもりはあまりないものの、著者はこんな9項目も挙げているので参考にされたい方は参考になさってはいかがだろうか。

ネットで受けるネタ
1)話題にしたい部分があるもの、突っ込みどころがあるもの
2)身近であるもの(含む、B級感があるもの)
3)非常に意見が鋭いもの
4)テレビで一度紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフートピックスが選ぶもの
5)モラルを問うもの
6)芸能人関係のもの
7)エロ
8)美人
9)時事性があるもの

本書は具体例も豊富だし、読みやすい文章だし、内容の厳しさは別としても、かなり短期間で読めるし、その主張の多くの部分は理解できる。「暇なんですね」と言われないよう、これからも気を付けていきたいと思う。
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seal

はじめまして。niceとコメントありがとうございます。ということでおうかがいしたのですが、この本の紹介、さっそくためになりました。パッと目を引くタイトルの本は内容がないとだまされた感が強いので、気にはなっていましたが無視していたのですが、さっそく読んでみようと思います。ありがとうございました。
by seal (2009-11-09 22:31) 

カオリ

こんにちは。この本、気になっていました。なにせ、ワタシ暇人の典型なので・・・。ワタシももうすぐブログを初めて5年、たぶんいつもコメントくれる方以外の固定の読者の方もいらっしゃると思われ、以前に比べるとやっぱり気をつかうようになりました。

近いうちに読んでみます!
by カオリ (2009-11-10 16:55) 

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