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インド都市の温室効果ガス排出量 [インド・トリビア]

コペンハーゲン・サミットを12月に控え、気候変動や温室効果ガスの排出に関する報道が目立つようになってきている気がする。その大半は、インドは勿論相応の責任を国際社会に向けて果たしていくべきだが、より多くの温室効果ガスの排出を行なっている先進国はさらに多くの責任を果たす必要があると主張するものだ。

その典型例が11月2日付Hindustan Times紙第1面に載った「インドの都市は排出量が未だ少ない(Indian cities are emission babes)」(Chetan Chauhan記者)である。
http://www.hindustantimes.com/Indian-cities-are-emission-babes/H1-Article1-471745.aspx

以下の数字は国際NGOであるICLEI-Local Governments for SustainabilityがBritish High Commissionの委託を受けて行なった2007-08年度におけるインド主要都市の住民1人当たり温室効果ガス(CO2換算)排出量の評価結果である。

  パトナ        2.80トン
  ジャムシェドプール 2.76トン
  グルガオン     2.33トン
  コルカタ       1.83トン
  デリー        1.60トン
  バンガロール    0.82トン

これに対して、世界の主要都市の排出量は以下の通りだという。

  ワシントンDC      19.7トン
  トロント          8.2トン
  上海           8.1トン
  ニューヨーク       7.1トン
  ロンドン         6.2トン

インド人にとってはハッピーなデータだろう。インド政府もインドのNGOもこの結果は歓迎している。代表的なのはこの記事で引用されているCentre for Science and Environment(CSE)のスニータ・ナライン事務局長のコメントだろう。
最も裕福なインド人でも、最も貧しいアメリカ人より温室効果ガスを排出していない!
最も裕福な上位10%のインド人は2.0トンを排出しているが、これは最も貧しいアメリカ人の最下位10%の貧困層が排出する10~14トンと比べて圧倒的に少ないという。

こんな指摘もある。Times of India紙(ムンバイ版)11月4日付の第17面に「インドの最富裕層は米国の最貧層と同程度(Desi richest only as bad as US' poorest)」という記事で、前述のCSEが行なった第2次調査の結果として次の2点が強調されている。

◆インドの総人口の最も富裕な上位10%の人口は、米国の平均的所得水準の階層の排出量の1/4程度しか排出しておらず、米国の最も富裕な上位10%の人口の排出量の1/10に過ぎない。

◆インドの総人口の最も富裕な上位2%に絞り込んでみても、米国の同じ上位2%の富裕層と比べ、排出量は1/20程度に過ぎない。

まあ、そうでしょうね。
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