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インド下院総選挙の結果 [インド・トリビア]

月曜日(18日)、本社からの依頼を受けて標題のレポートを作って提出しましたのでご紹介します。この日は他に提出期限がこの日だった博士論文執筆計画というのもあったのですが、急な依頼に応対せざるを得なくなり、もう1つの方は夜なべ仕事でなんとか片付けました(笑)。但し、抜粋のみでレポート全部をお見せすることはできないのでご了承下さい。

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4月16日より5月13日にかけ、5回に分けて全国で投票が行われたインド下院総選挙の開票作業が5月18日に行なわれ、結果が判明したので概要を以下の通り報告する。

1.選挙結果概要
◆国民会議派を中心とした与党連合・統一進歩同盟(UPA)が257議席を獲得し、改選前より78議席を増やして大躍進した。国民会議派単独でも206議席を獲得し、改選前より61議席を増やし、1984年総選挙以来の勝利となった。

◆二大国民政党の1つであるインド人民党(BJP)の獲得議席数は116議席に留まり、改選前より22議席減の後退となった。統一会派国民民主同盟(NDA)全体でも16議席減の158議席に留まった。

◆第三勢力の中核であった左派共産党は、ケララ、西ベンガル州で敗北し、議席を激減させた(59→23)。

◆二大全国政党の連立組閣や連立維持に際して発言力を徐々に増してきた地方政党の選挙結果はまだら模様であった。オリッサやビハール州では州首相率いる地方政党(BJD、JD(U))が躍進したが、同じビハール州で第四勢力結集を目指したRJDやウッタルプラデシュ(UP)州のSPは両州での国民会議派躍進の煽りを受けて大きく後退した。また、初のダリット(不可触民)出身首相候補として注目されたマヤワティUP州首相のBSPの議席数も伸び悩んだ。

◆マンモハン・シン内閣を担ってきた有力閣僚の中では、ラルー・プラサド鉄道相の率いるビハール州地域政党RJDが議席を大幅に減らした(24→4)のが目立ったところ。

◆新聞報道によればUPAは無所属ながら与党に近い議員の支持も含めて262議席を確保しており、過半数の272議席(定数545、2議席は大統領指名議席)まであと10議席というところまで迫っている。協力政党には事欠かないことから、与党連合が過半数を獲得できる見通し。

2.今後の政治日程等
◆パティル大統領は、5月19日にシン首相を公邸に呼び、組閣を要請する見込み。

◆組閣の焦点として、①若さと清新なイメージで国民会議派躍進に大きく貢献したラフル・ガンジー幹事長の入閣(本人は意思を明確にしていない)、②ムカジー外相が兼任してきた財務相の任命(アルワリア国家計画委員会副委員長が最有力)、③友党DMK、NCP、トリナムール会議派(TC)等への閣僚ポストの配分等が挙げられる。友党ながら今回の総選挙では第四勢力として独自の選挙戦を展開したSP、RJDは、仮にUPA政権支持に回ったとしても閣僚ポストの配分は行われない見込み。

◆BJPではアドヴァニ党首の去就が注目されているが、目下のところ同党幹部からは同党首続投の要請の声があがっている。
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Seniors World Chronicleの独自調査によると、改選議席のうち310議席(57.3%)は50歳以上であり、総人口11億人のうち60%以上が25歳未満であるインドの人口構成からすると、国政の場をシニアが依然占拠しているのはいかがなものかと疑問を投げかけている。

まあ、そうでしょうね。
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toshi

ご訪問ありがとうございました。
by toshi (2009-05-19 11:33) 

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