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『文明崩壊』拾い読み [読書日記]

                                                        ジャレド・ダイアモンド著(楡井浩一訳)                                    『文明崩壊―滅亡と存続の命運を分けるもの』(上)                                       草思社、2005年12月


内容(「BOOK」データベースより)
盛者必衰の理は歴史が多くの事例によって証明するところである。だがなぜ隆盛を極めた社会が、そのまま存続できずに崩壊し滅亡していくのか?北米のアナサジ、中米のマヤ、東ポリネシアのイースター島、ピトケアン島、グリーンランドのノルウェー人入植地など、本書は多様な文明崩壊の実例を検証し、そこに共通するパターンを導き出していく。前著『銃・病原菌・鉄』では、各大陸における文明発展を分析して環境的因子が多様性を生み出したことを導き出したが、本書では文明繁栄による環境負荷が崩壊の契機を生み出すという問題をクローズアップしている。ピュリッツァー賞受賞者による待望の書。2005年度全米ベストセラーの全訳である。

未だ全部読みきっていないので、全体の感想はまたいずれ述べたいと思うが、なぜそもそもこの本に手を伸ばしたのかだけここでは紹介しておきたい。

3年前の夏、僕達家族は、駐米生活最後の夏休みにアリゾナ州を旅した。モニュメントバレー、キャニオン・デ・シェイ国定公園とか、主にナバホ・インディアン居住区を中心に車を走らせた。その地形の変化の面白さは今でも忘れられない。そして、この荒地の中で、昔の人びとの廃墟(ruin)を幾つか見かけた。

下の写真はキャニオン・デ・シェイ(Canyon de Chelly)国定公園にあるスパイダー岩(Spider Rock)であるが、注目してほしいのはこの峡谷である。グランドキャニオンほど深くはなく、夏の最も暑い頃だったにもかかわらず谷間には所々潅木が茂り、小さな川沿いには緑があった。そして、廃墟はこうした谷間の肥沃な土地から少しだけ高い、崖のふもとに多く見られた。この地形から想像するに、何度か洪水にも見舞われたことが昔はあったのかもしれない。また、こういう地形だけに下にはなかなか下りられず、廃墟を近くで見ることはできなかったが、モニュメントバレーに近いベタタキン廃墟(Betatakin Ruin)や、キャニオン・デ・シェイのホワイトハウス廃墟(White House Ruin)は、そうした場所にあった。

               

こうした住居跡に元々住んでいた人々は、どこに行ってしまったのだろうか。キャニオン・デ・シェイ国定公園の入り口にあるビジター・センターの書籍売り場で、この消えた民族「アナサジ族」について扱われた書籍を何冊か見かけた。でも、かさばるからというので結局買わなかった。だから今までこの疑問を思い出すことすらなかった。

ダイアモンドの近著では、第4章「古の人びと」で、このアナサジ族がなぜ消えたのかについての考察が述べられている。その舞台は、アナサジ文化の中心地と見られる、ニューメキシコ州のチャコ遺跡である。(続く)

                   


チャコ遺跡についてもっと知りたい人は、以下のサイトがお薦め。                                      ⇒チャコ・カルチャー・ナショナル・ヒストリカルパーク                                                        ⇒US.WEST TV(ニューメキシコ州)                                                                  ⇒Chaco Culture National Historical Park                                                                             ⇒近畿日本ツーリスト・ニューメキシコ8日間の旅

 


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