『ナリワイをつくる』 [自己啓発]
内容(「BOOK」データベースより)【Kindle Unlimited】
「個人レベルではじめられて、自分の時間と健康をマネーと交換するのではなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身につく仕事を「ナリワイ」(生業)と呼ぶ」(まえがきより)。生活と遊びの中から年間30万円程度の、他者と競争しない仕事を複数つくり、生計を組み立てていく方法論。
2カ月以上前にダウンロードしておきながら、最初の10%程度で停止してしまい、全然読み進められなかった1冊である。読み進められなかった理由は、単に忙しかったからで、同じ期間中ページをめくる手が完全に止まっていた本は、これ以外にもある。
では、この本を読もうと考えたきっかけはというと、著者が7月下旬にブータンにお越しになると人づてで聞いていたからだ。伊藤氏の著書としては過去に『イドコロをつくる』を読んでいて、読了後、仕事の関係で当地にお越しになられた方と食事をした際、その方が伊藤氏の知り合いであることがわかって盛り上がったことがあった。伊藤氏が7月下旬のFAB23(世界ファブラボ会議)でブータン入りされるという情報も、その方から伺っていた。せっかくだから、もう1冊ぐらい著書を読んだうえでご挨拶しよう―――それくらいの考えで本書を選び、ダウンロードした。
それで、結果はというと、FAB23での現地対応を含めてあまりにも忙しくなってしまい、読了した状態で現地でお目にかかるという状況はどうしても作ることができなかった。ご挨拶はさせてもらったが、なんとなくバツが悪かった。
著者といえば、「モンゴル武者修行ツアー」の主宰者として有名で、今回のブータン初訪問でも、そうした今後の「ナリワイ」や「イドコロづくり」のタネを見つけられたのだろうか。
僕は本書で提示されたような論点は、ブータンのような市場規模の小さい国では特に必要で、複数の小さなナリワイを組み合わせてそこそこ生きて行けるような生計のスタイルはこの国には向いている気がする。伊藤氏が来られている間、氏の提唱されているようなライフスタイルをブータンの若者に広く知ってもらうような機会を設けられなかったのはちょっと残念だった。
お詫びと言ってはなんだが、本書で描かれたライフスタイルは、残る3カ月少々の間に、うちの学生には伝えていくよう意識はしていこうと思う。
さて、この2カ月の間に起きたもう1つの大きな出来事というのは、還暦を迎えたことと、派遣元の人事部から送られてきた定年延長の打診に対し、明確に「雇用継続は希望しない」と回答したことだった。大きな組織を飛び出してしまったら僕もただの人だが、DIYをやりつつ生活費を切り詰め、その間に今持っているスキルをもう少し高めていくというのは、まだ体がちゃんと動く次の10年間のうちに、少しでも進められたらとの思いがある。
本書は、自分の退職後の生き方を考える上でも指針としたい1冊である。
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