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地元産の竹には期待するが… [ブータン]

リンチェンディン僧院の斜面安定化に向け、竹の植樹を実施
Bamboos planted to mitigate landslide risks on Rinchending Monastery- Phuentshogling
Kinley Dem記者、BBS、2023年5月27日(土)
http://www.bbs.bt/news/?p=186414
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【ほとんど抄訳【抄訳(www.DeepL.com/Translator(無料版)翻訳を筆者編集)】】
モンスーンの季節が近づき、プンツォリン郡(ドゥンカク)と市(トムデ)の職員は、地滑りの予防策を検討している。今日、関係者とボランティアは、リンチェンディン僧院の下にある約3エーカーの地域に3千本以上の竹の苗木を植えた。

リンチェンディン僧院の下の地域は、カルバンディ・ゴンパとして人気があり、地滑りが発生しやすい。僧院の下は地滑りが多く、現在もその危険にさらされている。駐車場の一部が浸食され、さらに駐車場、歩道、近くのチョルテンに亀裂が発生している。僧院の僧侶たちは、次のモンスーンで同様の地滑りが起こるのではないかと懸念している。

「ここはとても危険です。昨年は地滑りで2軒の家が埋まりました。モンスーンが始まった今、もし地滑りが起きたら、まず私の後ろにあるチョルテンに、次に僧院に影響が出るでしょう」(リンチェンディン僧院のロペン・ナムゲイ氏談)

リンチェンディン僧院のロペンである彼は、「支援を求めるため、関係当局に手紙を出した」と言う。支援を受けたとはいえ、僧院の下に作られた壁はあまり役には立たなかった。

そこで、ドゥンカクとトムデの関係者は、現在、別の対策を試みている。

「この地域は斜面崩壊が起きやすく、僧院だけでなく、近隣に住む人々にも甚大な危険を及ぼしています。壁を作るなど、さまざまな取組みが行われましたが、うまくいきませんでした。だから今、私たちは植林に挑戦しているのです」(ドゥンカクのカルマ・ジュルミ区長談)

「気候変動は、私たち全員に影響を及ぼしています。今、対策を講じなければ、僧院にも影響が及ぶでしょう」(ウッタル・クマール・ライ市長談)

200人近くが、ほうき草を含むさまざまな竹の植樹に参加した。竹は成長が早く、根が張り巡らされているため、土砂崩れを防ぐのに効果的だと関係者は言う。

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しかし、この地域に住む人々の中には、この対策に疑念を抱いている人もいる。植林は有効かもしれないが、適切な安全壁の建設がより重要だという。手遅れになる前に、より良い解決策を打ち出すよう、関係機関に求めているところだ。.

ファブラボCSTができて以降、CSTの学長は、「竹の有効活用」を口にしている。竹はブータン産の数少ない資源だから、今まで以上に活用の幅を広げるために、ファブラボの施設の活用を進めたいとおっしゃっていた。

7月の世界ファブラボ会議(FAB23)の前半日程で、各地方ラボがホストする「Fab Bhutan Challenge」でも、ファブラボCSTがホスト役となるチャレンジの挑戦課題の候補として、「竹」は有力候補に上った。しかし、「このあたりに竹林はあるのか」という根本的な問いに対し、僕たちは答えることができなかった。CSTからプンツォリンに下りるまでの国道にも、逆にリンチェンディンのチェックポストからカムジあたりまで登る国道ルートにも、竹の自生林があったという記憶がない。

結局、挑戦課題に「竹」を選ぶのは断念せざるを得なかった。

もし、リンチェンディン僧院の麓の斜面崩壊地に竹を植えて、それが育てば、ファブラボCSTにとっては地元産の大きな資源となるに違いない。というか、ファブラボに限らず、CST全体で、竹の有効活用について研究開発し、国全体に向けて新たな活用策を提案していくことが求められると思う。

この斜面崩壊地って、大雨の度に表土が流され、濃い灰色の荒涼としたむき出しの斜面となっている。あと10年もしたら、尾根自体が崩壊に巻き込まれて無くなってしまうのではないかとすら思う。表土が流されてしまったところに植林が有効なのかどうかはよくわからない。そういうところは、土木工学の研究領域になるのではないかと思う。

それに、日本でよく言われているのは、竹の根ってそれほど深くにまで到達しないため、斜面安定化にはそれほど機能しないということだったように思う。そもそも誰が竹を選んだのかは知らないが、竹が本当に斜面安定化に有効なのかどうかは、やはり土木工学の研究領域になるのではないかと思う。

結論として、うまく育てば地域の資源として有効活用したいものだが、そもそも育つのかというのに加え、斜面安定化という目的達成に寄与するのかどうかは未知数で、そこはちゃんと実証研究をやった方がいい、ということになる。
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