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内陸国から島嶼国へ~FAB17開催地変更 [ブータン]

親愛なる友人の皆さん、

FAB17の開催地をインドネシアのバリ州に変更し、スケジュールも2022年10月12日~22日に変わりました。

FFinal-023-01-02.pngご存知のように、COVID-19のパンデミックは、世界中の多くのイベントや会議に影響を及ぼしています。私たちは、コロナウイルスに関する保健当局および政府(地方および国)からの公式ガイダンスに厳密に従っています。このパンデミックが世界中で私たち全員にもたらした不確実性のため、ファブラボ・ブータン、ファブ・ファンデーション、MITのビット&アトムセンターは、ブータンでの世界ファブラボ会議を2023年の夏まで延期することを決定しました。これは非常に困難な決断でした。苦渋の決断ですが、すべての人の健康と安全は何よりも重要です。

並行して、ファブシティ財団とMeaningful Design Group Baliは、ファブシティ・サミットの準備に取り組んでいました。私たちは力を合わせて、ファブラボとファブラボのネットワークがスクリーンを超えて集まり、バリとインドネシアのローカルエコシステムにグローバルな知識をもたらすためのユニークなイベントを開催することを決定しました。

今年の会議のタイトルは「ファブ・アイランドー第17回世界ファブラボ会議とファブシティ・サミット2022」となります。ファブ・アイランドは、グローバルなファブラボ会議とバリでのファブシティ・サミットをまとめたもので、デジタルファブリケーションがもたらす、テクノロジー、経済、社会への示唆や適用策、さらには私たちの共通の未来について考えます。今年のファブ・アイランドは過渡的なイベントであり、新しい会議形式の試行の一環で、いくつかのオンラインでの活動を対面での活動に組み合わせます。このイベントは、ファブ・ファンデーション、MITのビット&アトムセンター、Meaningful Design Group、およびファブシティ財団が主催します。将来のFABxイベントをもう1年遅らせ、2023年にFAB18(ブータン)、2024年にFAB19(メキシコ)、2025年にFAB20(チェコ共和国)を開催する予定です。詳細については、http://fabevent.org/をご覧ください。

私たちはまだ会議の計画初期段階ですが、ネットワークを作り、FABmilyを見つけ、お互いから学び、コミュニティと私たちの仕事を前進させる対話とプロジェクトに従事する機会を提供します。

今後数週間で、ファブ・アイランドのWebサイトと登録情報を公開し、最終的な日程を定義し、基調講演者を特定し、ワークショップを募集し、プログラミングをキュレートします。多くの質問があることを承知しており、可能な限り迅速に回答できるよう最善を尽くします。

だから、2022年10月12日から22日までバリで開催される私たちの全コミュニティの対面式グローバル会議であるファブ・アイランドへの参加の予定を確保しておいて下さい。

あなたとあなたの愛する人が安全で健康であることを願っています。今は非常に困難な時期であると認識しており、コミュニティへのご支援とご尽力に感謝いたします。

安全を保ち、健康を保ちましょう!
ファブ・ファンデーション、ファブシティ財団、MITビット&アトムズセンター一同
【出所】ファブ・ファンデーション メルマガ2022年3月22日

関係者の間では、すでに1月頃から噂されていたのだが、今年7月下旬にブータンで開催予定だった第17回世界ファブラボ会議(FAB17)が1年延期になった。ずっと「FAB17」と言い続けてきたが、FAB17は今年10月にインドネシアのバリ島で開催されることになったため、2023年のブータン開催は、今後「FAB18」と呼ばれることになる。

表向きは、COVID-19パンデミックを受けた延期措置と言えるが、この間の準備過程を比較的近いところで傍観していた関係者の1人としては、準備のもたつきも一因としてあったと思っている。今年に入ってからのロックダウン等は、延期措置のきっかけになったというよりは、延期措置が正しかったことを証明した形になっている。でも、FAB17のウェブサイト立上げは、本来ならばそれ以前に終わっていなければならなかった筈だし、サイトが立ち上がっていれば、さらに進められた作業もあった。

結果的に延期は良かったのだけれど、これで準備に余裕ができたとはいえ、準備をスピードアップさせるための根本的な体制見直しがほとんどできていない気がする。

これまでは、ブータンでファブラボといえばティンプーにある「ファブラボ・マンダラ」(昨年11月に「ファブラボ・ブータン」から名称変更)しかなかったので、FAB17実行委員会は実質的にファブラボ・マンダラがかなりの負担を負って調整にあたり、準備を進めなければならなかった。しかし、今年7月にはプンツォリンに「ファブラボCST」が立ち上がり、さらに時期は未定だが、DHIが、ティンプー・テックパーク内に「スーパーファブラボ」、パロの王立アカデミー、ロベサのCNR(自然資源カレッジ)、ジグミリンのJWPTI(ジグミ・ワンチュク電力研修所)を同時開設する予定である。

これだけ発足するんだから、次のステップは「ファブラボ・ブータン・ネットワーク」を作ることだ。そしてこのネットワークの参加ラボがそれぞれの責任を果たし、FAB18で行われる様々なイベントの企画運営を担っていくことが求められる。ファブラボ・マンダラだけが準備を丸投げされて、孤軍奮闘を強いられるような状況は、作ってはいけない。丸投げはこの国でよく見られるあまり良くない傾向だが、結果として対外的な不信感を招いてしまうような状況は絶対に避けないといけない。

またファブラボCSTの設立支援にはJICAも関わっているのだから、このネットワークの形成にはJICAがコミットしてもいいのではないかと思う。(フィリピンでは、2014年の国内最初のファブラボの設立には当時の青年海外協力隊員が相当大きな役割を果たしたとしてJICAは一目置かれていた。でも、その後JICAはフィリピンのファブラボネットワークの拡大にほとんど関わっておらず、その間米国国際協力庁(USAID)がオイシイところを持って行ってしまった。)

◆◆◆◆

もう1つ、FAB18のブータン開催について注意が必要なのは、2023年が国政選挙の年であるということだ。FAB17準備過程でターゲットとされていた「7月下旬」というのがそのまま2023年に持ち越されるのであれば、2018年の国政選挙の時の経験からいえば国政選挙絡みで問題になることはおそらくないだろう。ただ、その準備過程で何らかのワークショップやセミナーを当地で実施する場合、そこは上院選挙の日程との関係で制約があるかもしれない。

この点は、「延期」の話がチラホラ出はじめていた昨年11月の段階で、「延期」を口にしていた関係者の方には僕から注意を促したことでもある。僕は外国人だからか、FAB17準備委員会には入れてもらっていないので、メンバーになっている人にリマインドするぐらいしかできない。国政選挙のことは、意外とブータン人でも忘れていることが多いと感じた。

◆◆◆◆

さらに、FABxのブータン開催が来年に延期になったからといって、10月にバリで代替開催されることになったFAB17に何も関わらないというわけにはいかないと思う。ちゃんとバリに出向いて行って、FAB18に来てもらうためのプロモーション活動はやらねばならない。旅費の工面もままならないため、ファブラボ・マンダラの関係者が現地に行ける保証も今のところはないが、何かできないか、僕らも考えないといけない。

いずれにしても、「ファブ・アイランド」の詳細はまだ発表されていない。サイドイベントの受付要領についてもまだわからないが、確認でき次第すぐに行動を起こさないといけない。

その上で、FAB18で何をやるか―――。旅費がかからないこの部分については僕自身も腹案があって、すでにそれに向けて動いていることもある。世界中からものづくり愛好家が集まる絶好の機会だ。外国人である僕たちがやたらと現地で訊かれる、「これ何とかしてくれ」という要望に対して、「世界中のものづくりの愛好家が向こうから来てくれるんだから、その人たちと一緒に働いて、問題解決に向けたソリューションを自分たちで作ってみようよ」と働きかけ、マッチングを図るのが僕らにできることではないだろうか。

タグ:ファブラボ
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