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全国一斉ゴミ拾いの日 [ブータン]

ゴミ処理ルールと罰則の厳格適用、今日から
Stern enforcement of waste management rules and penalties from today
Kuensel、2016年12月10日、Tshering Dorji記者
http://www.kuenselonline.com/stern-enforcement-of-waste-management-rules-and-penalties-from-today/

2016-12-10 Kuensel01.jpg

9月中頃からだったか、トブゲイ首相が頻繁に自宅近所のゴミ拾いをやってる話をFacebookページにアップし始めた。首相官邸からご自宅のあるタバ地区までの道すがら、時々拾っておられるご様子。まあ、うがった見方をすると、11月4日の北ティンプー選挙区での下院補欠選挙に向けたアピールということもあったのかもしれないが、ひょっとしたら、12月9日に向けた布石だったのかもしれないとも思う。

当地では12月9日、現国王の戴冠10周年となった。それを祝福するため、政府は12月2日、この日を全国一斉清掃日に指定し、急遽祭日扱いにすることを発表した。ブータンではこの手の祭日が非常に多いが、今年は特に多い気がする。あまり職場を休みにすると仕事やってないと疑われるので、9日はうちの職場は休みにならず、代わりに午後業務を中断して、事務所周辺のゴミ拾いと排水路のどぶさらいをやった。

こういうのを全国一斉にやってのけるブータンも凄い。お隣りのインドとは違い、ゴミを拾うのに特段の躊躇もないから、本当に全員でゴミ拾いをやるのである。インドやネパールの汚さを知っているだけに、僕はブータンの町並みはまださほどゴミでどうこうというほどではないと思っているが、少ないからなおのこと清掃など1人ひとりのちょっとの努力でできてしまうところがある。

クエンセルの記事によると、この日1日だけでティンプー市内で回収されたゴミの量はトラック65台分、195トンにも上ったらしい。

ただ、ゴミの量もさほどではないとはいえ、そこは内陸国での話。処分場は人里離れた山中に作らざるを得ないが、どこも満杯になりつつあるのが現状で、街を美化するだけではなく、ゴミ自体の排出を極力抑制することが必要となる。全国一斉清掃日は排出抑制に向けた強力なメッセージにはなるとは思うが、削減や再利用、リサイクルを含めた「3R」が重要になってくるのではないかと思う。

少し前に地方都市の助役さんにお会いする機会があった。あまりにも「最終処分場が必要」とおっしゃるので、「ゴミ排出削減に向けた住民啓発も必要ですよね、首相もゴミ拾っておられますよね」と申し上げたところ、「首相のゴミ拾いなんて政治的なポーズであって効果はない。首相が拾ったところで翌日にはまたゴミを捨てる奴がいる」と平然とおっしゃっていた。確かに、うちの事務所の周囲も、折角掃除したのに、夜退社して家に帰る時に見ると、既にゴミが捨てられていた。ガッカリだ。

政府もやっぱりそこは問題点として認識されているようで、罰則の厳格な適用を進める方針だと記事では書かれている。ただ、問題は法制度はあっても執行能力が十分ではないことで、今回出された方針もどこまで効果があるのかはよくわからない。

首相のゴミ拾いを鼻で笑った某市の助役さん、住民啓発も、ゴミを捨ててるのが隣国インドから出稼ぎで来ている労働者なので、市民相手に啓発活動をやってもゴミの排出削減には効果はないとおっしゃっていた。インド人が多いエリアであればその考えには一理あるところはあるものの、ティンプーで住民啓発が効果なしとはならないでしょう。

自分にも何ができるかをちょっと考えてみたいと思っている。




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