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「貧困」の定義をいじると…(6) [インド・トリビア]

「貧困」の定義をいじると…(5)
これもデリー在住のインド人の知人が気を利かせて送ってくれた新聞記事である。7月15日付Times of India紙に「インドの総人口の55%が貧困層との新たな報告(55% of India's population poor: Report)」(Rukmini Shrinivasan通信員)という記事である。サブタイトルには、「UNDP(国連開発計画)が複合指標を用いてインドの貧困層人口を6億4500万人と推計」とある。
前回この記事を紹介したところ、このUNDPのMPI(Multi-dimensional Poverty Index)についてはインドでは続報があったらしい。この指数を公表した英国OPHI(Oxford Poverty and Human Development Initiative)は、ご丁寧にもインドの州別のMPIまで公表した。さらには、指定カーストや指定部族といったグループ別のMPIも算出したのだそうだ。

7月27日(火)付のTimes of India紙に、「フィリピンからシエラレオネまでがインドの繁栄の弧の一部(Philippines to Sierra Leone is arc of Indian prosperity)」(Rukmini Shrinivasan記者)という記事が掲載された。ウェブ版では「ジャルカンド、ビハールは飢えるコンゴと同じ開発レベル、ケララはフィリピン並み(Jharkhand, Bihar development like starving Congo, Kerala similar to Philippines)」となっている。こちらの方が記事の内容が想像しやすいかも。
http://timesofindia.indiatimes.com/india/Jharkhand-Bihar-development-like-starving-Congo-Kerala-similar-to-Philippines/articleshow/6221434.cms

そういう内容の記事である。では、インドの各州は他の途上国の発展の水準からみてどの国と同等なのだろうか。その主立ったケースを以下で紹介しておこう。

  ケララ州 = パラグアイ、フィリピン
 
  ゴア州 = インドネシア

  パンジャブ州 = グアテマラ

  ヒマーチャル・プラデシュ州 = モロッコ

  タミル・ナドゥ州 = ガーナ

  マハラシュトラ州 = ナミビア

  グジャラート州 = ニカラグア

  アンドラ・プラデシュ州 = レソト

  カルナタカ州 = レソト

  西ベンガル州 = コートジボワール

  ウッタル・プラデシュ州 = コンゴ民主共和国

  マディア・プラデシュ州 = コンゴ民主共和国

  オリッサ州 = チャド

  ラジャスタン州 = タンザニア、モーリタニア

  ジャルカンド州 = ルワンダ

  ビハール州 = シエラレオネ

  北東州 = ハイチ

要するに、中所得国から最貧困国までの極めて発展段階のバラつきの大きい州を同じ国の中に抱えているのがインドだということである。因みに、インド最後発のビハール州のMPIはソマリアよりも少しましで、シエラレオネと同水準ということだ。


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