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『最新 世界の鉄道』 [読書日記]

WorldRailways.jpg社団法人 海外鉄道技術協力協会編
『最新 世界の鉄道』
2005年6月

鉄道関係者や鉄道愛好家に利用してもらい、さらには海外旅行をする人のガイドブックとしても活用できるようにと編集された世界の鉄道図鑑が本書である。こういう図鑑は通常、自分が何らかの形で関心を持っている国の鉄道の部分を先ずは見ることになる。

世界初の公共輸送目的の鉄道は、1825年に英国ストックトン・ダーリントン鉄道である。

そして我が(?)インドでは、19世紀中頃になって鉄道建設が始まる。1853年4月のボンベイ(ムンバイ)ボリブンダー・ターネ間の旅客鉄道を皮切りに、1854年にはカルカッタ(コルカタ)、1856年にはマドラス(チェンナイ)で開通。沿岸3都市から内陸に向かって鉄道は敷設されていき、その目的は植民地インドからの綿花など原材料の輸出にあった。

1850年代の鉄道創世記には、インド政府が保証して民間資本による鉄道建設が進んだが、1860年代以降は政府主導で鉄道建設が進められた。1920年代までには主要路線が「インド標準軌(1676mm)」で出来上がった。しかし、その後の支線建設では工事費が割安な狭軌が採用された結果、インドには1676mm、1000mm、762mmという3種類の軌間が併存する形となった。

英国による統治が終わるまでに、54,694kmの鉄道網が施設されている。

最初に電化されたのはムンバイで1925年のことである。

インドの鉄道は、鉄道省の監督下にインド鉄道(India Railways)があり、そのインド鉄道は、従来9つの地域鉄道(鉄道管理局)により運営されていた。しかし、大規模なメーターゲージの広軌化、コンカン鉄道の開業などによる列車の運行形態の変更などを考慮し、地域鉄道の担当範囲が再検討され、7地域鉄道を新たに創設することが1996年に決定された。現在はそれが16分割された地域鉄道によって運営されるようになってきている。

インド鉄道(IR)は63,141kmの路線網を持ち、1日14,444本の列車を運行している。単一の鉄道事業体としては、路線網ではロシア鉄道、中国鉄道に次いで世界第3位、旅客輸送量(人キロ)としては世界第2位、貨物輸送(トンキロ)は世界第5位、職員数147万人は中国に次いで第2位であり、規模、輸送量ともに世界最大級の鉄道である。

その路線網のうち、ムンバイ、デリー、コルカタ、チェンナイを結ぶ路線は「黄金の四角形」と呼ばれ、この4辺と対角線2本の合計6路線だけで旅客輸送量の55%、貨物輸送量の65%を占める。しかしこれらの路線はすでに飽和状態にあり、輸送力の増強が必要になってきている。

貨物輸送の主な輸送品目は石炭や石油、肥料、穀物などである。ムンバイやコルカタなど大都市圏では近郊旅客輸送も多く、高頻度で電車が運行されている。

インドの鉄道の大きな特徴として、異なる軌間(ゲージ)が混在していることが挙げられる。このことはとりわけ貨物輸送にとっては軌間不連続地点での積み替え問題が生じ、輸送上のボトルネックとなっている。このため、メーターゲージを1676mmで統一する工事が継続進行中である。

以上、本書77~79頁からの引用である。

振り返ってみて僕がインド国内で利用したことがある鉄道といったらバンガロール~ホスペット間(カルナタカ州)、デリー~アグラ間、ビシャカパトナム~ムニグダ間の3路線しかない。家族とともにダージリン鉄道には乗ってみたいねという話を以前はしていたが、実現もせずに昨年8月に家族は先に帰国してしまった。(ダージリンは治安の問題もあるため、家族旅行に適したところかというとちょっと難しくなってきているのであるが。)あまり大したことは語れないのだが、逆に本書を読んで勉強となった。

もう1つ、僕は米国の鉄道には興味がある。それまで紹介している時間はないが、そちらの方は米国駐在時代にかなり経験しているので、その頃の訪問録をご覧下さい。
http://www.sanchai.net/Railways.htm
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