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ケララのシニア市民パワー [インド心残り]

シニア市民、独立部署設置を求める
Senior citizens seek separate department
2010年4月28日、The Hindu
【コジコデ(ケララ州)発】 州政府の高齢者支援政策は2006年に発表されたが、ここ数年、政府は殆ど何もやっていない。
 州内に1,000もの支部を持つケララ・シニア市民フォーラム(Kerala Senior Citizens Forum)は、シニア市民の多くが直面している苦労の深刻さをかんがみ、シニア市民の福祉を専門で担当する独立した部局の設置を求めている。
 P.バラクリシュナン会長、K.マダヴァン事務局長、M.K.サティヤパラン広報担当、フォーラムを代表する3人は火曜(27日)、報道陣に対し、V.S.アチュタナンダン州首相が高齢者支援政策を公表したにもかかわらず、ここ数年シニア市民に対して州政府は殆ど何もしていないためにこんかいの要求を行なったと述べた。
 3人によれば、州首相が行なった政策発表自体はフォーラムの活動の大きな成果だという。1997年以来、フォーラムは様々な公共の場を通じて政策立案の必要性を訴えてきたからだ。
 フォーラムは35項目の行動計画を準備し、1998年に州政府に提出。長年の検討を経て、2004年11月に州政府は高齢者支援政策の草案を発表した。そこからさらに討論を経て最終案が纏まり、政府は2006年12月5日に新政策を発表した。
*後半に続く。

ケララのシニア市民のパワーを垣間見れた機会は、結局2009年2月に参加したトリバンドラムでの老人学学会の場一度っきりで終わってしまいそうだ。学会の席上でお目にかかった方々に、「次にケララに来たら是非一度皆さんの活動を見学させて欲しい」とお願いした。中にはHelpAge Indiaのケララ支部の代表の方もいらっしゃった。これ以外にも、日本のNGOであるオイスカの南インド総局(ケララ州カリカットにある)の代表の方にも別の機会でお目にかかった。オイスカを有名にした「子供の森」計画は、ケララだったら「老人の森」計画に変えてやってみたらいいね、なんて話をしたところ、「もうやっているよ」と言われた。是非行ってみたいと思った。

インドで最も人口高齢化が進んでいるケララ州は、最も行ってみたかった州の1つであった。しかし、その一方ではデリーから最も遠く、移動には時間も金もかかる場所であった。加えて僕はデリーで携わっている職場の仕事の関係ではケララとの接点が全くなく、先述の学会での発表のような機会を無理矢理作らないと、行ける機会がなかなか作れない場所であった。(職場の他の方々の中には、ケララに時々行っている担当者もいたのだが、ラインが違うのでおとなしくしておりました。)

職場の現地人スタッフにはケララ出身の人が多く、特に僕が最も信頼を置く75歳の非常勤スタッフJさんからは、インドの全体事情だけではなく、ケララの話をできるだけ聞かせてもらうよう心掛けてきた。州外出稼ぎが多いという事情は、Jさん自身が典型的なそのパターンなので、それはそれで参考にはなった。「実際に見に来てよ」と言われたし、僕も行く気まんまんだったのだが、突然の帰国内示でそれもかなわない夢と終わった。僕が帰国内示の話を切り出した時のJさんの寂しそうな顔が印象的だった。

自分の博士論文の事例調査にケララを入れていたのに、在勤期間中にケララで現地調査もできなかったというのは非常に大きな心残りである。しかも、下見すらしてないわけだから、日本に戻ってからもう一度インドに来てケララで現地調査をやろうにも、とっかかりがあまりできてないのが現状だ。「逃した魚」の大きさを悔やむ日々だ。

 フォーラムは、4月29日にコジコデのシュリ・ナラヤナ百年記念ホールで開催される第13回州年次総会において、独立局設置要望を提出する予定。「村落出身の多くの人々がコジコデの総会には出席します。州内400万人いると言われるシニア市民の約75%は農村部に今も住んでいます。女性の場合、70%は夫に先立たれた未亡人です。ある予測によると、高齢者の89%もの人々が金銭面で不安な立場に置かれています。フォーラムはこうした人々の福祉向上のために活動しています。私達のミッションはそのためにも非常に重要なのです」――報道陣に対し、フォーラム経営陣はこのように述べた。
*記事全文は下記URLからダウンロード可能です。
 http://www.hindu.com/2010/04/28/stories/2010042853080300.htm
――こういう、高齢者のパワーがとても身近に感じられる州なんだろうけどね。それに、何もやってないと市民フォーラムから突き上げを喰らっている州政府ではあるけれど、高齢者支援政策を策定しているという意味では先進州の1つであり、州の施策も興味あるところなのだけれど…。

ほんと、行きたかったなケララ…
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