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インドの水不足の将来見通し [インド]

インドの水需要、2030年までに倍増―節約を!
India's water demand to double by '30, conserve now
11月24日、Hindustan Times、Anika Gupta記者
【ニューデリー発】インドの水危機はもっと悪化すると予想される。
 多くの人が中産階級的食生活を受け入れてコメや小麦、砂糖に対する国内需要が増加するのに伴い、水に対する需要は向こう20年の間に世界最大となる。一方で供給は需要の半分程度だという。
 月曜日(11月23日)に発表された水資源グループ(Water Resources Group)の調査レポートによると、水需要は2030年までに7,000億㎥から1兆4,980億㎥に増えるという。最も受給ギャップが大きくなるのは人口が集中するガンジス、クリシュナ、インダスといった大河川の流域だという。水需要は中国の8,180億㎥をはるかに上回る見通しである。
 必要とされる水の80%は農業に行く。農民がより多くのコメ、小麦、サトウキビを作付するからである。レポートによれば、こうした作物はインドの増え続ける人口を支えるために栽培される。 
先日の砂漠化の現状を描いたレポートもショッキングだったが、向こう20年間でインドの水需要が倍増するというのも結構意外な予測だった。調査を行なったWater Resources Groupというのは、オーストラリアの水分野のコンサルタントらしい。
 レポートによれば、この水不足は回避することが可能だという。特に農業分野において基礎的保全策がとられれば、水不足には陥らない。田畑一面に水を撒く方法から点滴灌漑に切り替え、鍬や耕運機を用いないことによって、十分な水を節約でき、未来の水需要にも応えることができる。
 「私達の農業は非効率です。特に水利用という面では。」こう語るのはインド農業研究所(Indian Agricultural Research Institute)のP.K.アガルワル教授である。「水保全の技術はちゃんとあるのに、それが適用されていないのです。」
 インドは使用している水の40%を浪費していると主張するのは中央水委員会(Central Water Commission)のA.K.バジャージ議長である。「最大の課題は農民の啓蒙とそれにかかる費用です。」この調査では、予想される水需要に応えるための水確保の戦略を実行するには60億ドル(2,790億ルピー)かかると予想している。しかし、潜在的な見返りは相当に大きい。農業所得は2030年までに830億ドル(3兆8,595億ルピー)にまで増加することが可能だという。しかし、これは「想定される水節約措置が十分に取られることが前提となっている」とレポートは述べている。「いつまでも同じことをやっているわけにはいかないのです。」バジャージ議長はこう付け加える。
 アガルワル教授によれば、政府は農民にシードマネーを給付してリスクに対する保険をかけるべきである。「農民が新しい技術の導入にかかる費用を負担できるよう、農民をサポートしていかなければならないのです。」
 一部の保全策は既に導入されている。2008年には政府は国家水計画(National Water Mission)を策定した。この計画では水利用を今後数年間かけて20%節約することを目指している。マハラシュトラ州やグジャラート州では、既に賢い水の利用法に関する農民向け啓蒙普及プログラムが始まっている。
*記事全文は下記URLでダウンロード可能です。
http://www.hindustantimes.com/India-s-water-demand-to-double-by-30-conserve-now/H1-Article3-479486.aspx
節約しないとね。農業で水をなるべく節約するというのは、記事の中で挙げられている鍬入れの回避以外にも、有機肥料を用いたり、雨水の利用も含めて地域で利用可能な水を地域内で活用する小規模流域管理の手法を用いたりすることで、賢い水利用がある程度はできるだろう。問題はやっぱりスケールアップをどうやって実現するかだろうか。
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