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値上げ、値上げ、また値上げ [インド]

毎日の食事代が高くなる
Your daily meal to get costlier
Hindustan Times、11月16日、Rajesh Mahapatra記者
【ニューデリー発】ここ数ヶ月の価格上昇は今後数ヶ月の間にもっと悪化する可能性があり、インドで進んでいる経済回復基調を無効にするかもしれない。著名なエコノミストが警告している。
 11月12日(木)に発表された9月の工業生産成長率は9.1%と予想外に高水準だった。しかし、政府関係者の間では、同じ日に発表されたもう1つのデータにも注目が集まっている。それは10月の卸売物価指数で、食料部門では前年同期比13.7%と高騰していた。インフレは政府の懸案事項として再浮上してきている。
 「インフレ率はかなり高く、私達も注視しています」――今月はじめ、ムカジー蔵相はこのように述べた。また、卸売物価指数と小売物価指数の乖離幅が広がっていることにも懸念を示している。例えば、豆類(パルシー)の卸売価格はこの1年で21%上昇したが、消費者は実際には前年と比べて50%以上払わされている。
 確かに、食料価格はモンスーン期の降雨不足の収穫高への影響が懸念され強含みで推移している。農業省の速報値によれば、6月から9月に栽培されるカリフ期(雨期)作物は、今年は前年比18%の落ち込みが予想されている。「農業生産の不調が食料価格にもたらす上昇圧力は、1月から2月にかけて収穫される冬期作物が市場に出てくるまで続くでしょう。」――こう述べるのはゴールドマン・サックスのエコノミストであるプランジュル・バンダリとトゥシャール・ポッダーである。10月の調査月報の中でこうした見方を明らかにしている。
*後半に続く。
今インドではインフレ懸念が再燃している。砂糖の政府在庫が既に昨年から低水準で砂糖価格が上昇していることは以前別のブログ記事で述べたことがあるが、それ以外の食品でも9月から10月にかけてアムル(Amul)社とマザー・デイリー(Mother Dairy)社が相次いで乳製品価格を値上げした他、屠殺場移転問題とも絡んでデリーでは食肉価格も高騰した。さらには、11月に入って6日(頃だったと思うが)デリー市バスが料金値上げを行ない、13日にはデリー地下鉄が料金値上げを行なった。
*続き
 豆類や野菜、砂糖の価格はここ1年間にわたって食料価格上昇を牽引してきたが、ここにきて綿花や大豆、コメ、油糧種子などが今後数ヶ月の価格上昇の牽引役として浮上してきた。バークレイズ・キャピタルが調査レポートでこの見方を明らかにしている。
 しかし、多くの識者はまた、投機や売り惜しみによる食料価格の高騰を非難している。「本当に不足しているわけではなく、大規模な売り惜しみが起きているのが問題です。農家と消費者が搾取され、投機家だけが儲けている構造です。」――インド人民党(BJP)のプラカシュ・ジャヴァデカー・スポークスマンはこう語る。
 モンスーン期の降雨量は確かに不足したが、終盤の雨が農地に十分な水分をもたらし、これがラビ期(乾期)の収穫見込みを楽観的なものにしている。
 食料価格上昇が一服しても、原油が牽引する世界的な商品価格上昇は全体的な物価上昇圧力に繋がる可能性があるとの見方もある。ゴールドマン・サックスをはじめとした投資銀行は、インフレ圧力の上昇とともに金利も上昇すると予想している。「私達は2010年中に政策金利が125ベーシスポイント(1.25%)程度引き上げられると予想しています。」――シティグループは10月21日に発表した世界経済見通しの中でインドについてこのように述べている。
 利上げが行なわれた場合、インドの中所得者層にとっては二重の足枷となる。食費は高騰し、借入れ金利の上昇するからである。

13日(金)には、公共料金値上げに反対する野党BJP(インド人民党)がデリーでストライキを起こした。職場のあるコンノート・プレイスに軒を連ねるレストランや小売店はどこのシャッターを下ろしていたが、実はシャッターの裏側ではちゃんとコソコソ営業をやっていて、僕らも昼食には困らなかった。
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