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インドの高齢労働者 [インド]

インドに年寄りのくつろげるところはない
India's no country for old men

2009年3月18日、Times of India
ニューデリー発、Mahendra Kumar Singh記者
 殆どの高齢者が年金と貯金でリラックスした老後を送れるのを楽しみにしている今日、1430万人もの年老いた市民は生きるために働くことを強いられている。その殆どが臨時雇い労働者(casual laborour)である。
 計画委員会が公表した労働と雇用に関する報告書によれば、最も深刻な影響を受けているのは農村部の高齢者である。1350万人が働くことを強いられている。この中には304.4万人の女性も含まれてる。
 若者はこの世の春を謳歌し、政府も政党も若者を取り込むのに全精力を傾けている昨今、1億1000万人にものぼる高齢者の苦境は殆ど注目を浴びていない。
 ある試算によれば、2007年には60歳以上の男性1000人につき647人が労働に従事していた。2012年までには、農村部では651人に増加するという。
 皮肉なことに、農村部の高齢者の大多数は後発地域に焦点を当てた政府のフラッグシップ事業があるにも関わらず、働くことを強いられているのである。この報告書によれば、農村部で労働を強いられる高齢者の人口は2012年の1350万人から2017年には1600万人に増加すると見られている。一方、都市部においては60歳以上で働く高齢者の人口は2012年の75.1万人から2017年には79.8万人に増加すると予測される。
 報告書はまた、60歳以上の総労働者数は2012年の1500万人から第12次5カ年計画最終年にあたる2017年には1700万人に増加していると予測している。報告書は、中央における高齢者向け年金拠出額の増額と州の老齢年金の増額、生涯を通じた年金カバレッジ、高齢労働者向け医療制度の必要性を強調している。しかし、高齢労働者の、特に農村部における増勢は、独立以来高齢者向け政策の失敗を示すものである。
最近インド・ネタをあまり扱っていないのが気になっていたが、今回はオフィスのシニア・スタッフが教えてくれた3月18日付のTimes of India紙の記事を紹介してみた。

お年寄りが働かなければ食べていけないという状況について扱った報告書を計画委員会が発表したという記事だが、現時点で計画委員会のHPにはこれに該当する報告書は掲載されていない。

ただ、この記事を読みながら、農村部の高齢者に関する記述が適切なのかどうかについて、少しばかり疑問に感じたのが正直なところだ。「オラは65だけんど、もう十分働いたんで、そろそろゆっくりさせてもらえんかのぅ」なんて思っているお年寄りが農村部にどれくらいいるんだろうか。実際働いてはいても本当のところはこんな風に思っているのだろうか。

体を動かさなくなったら体の機能は低下する。適度な運動は体にいいから臨時雇いとかパートタイムだったら働こうとか思っている方も多いのではないだろうか。勿論、農村での労働が体に良い適度な運動という程度のものなのかどうかという点には疑問もあるのでいずれにしても次回農村に入る時には調査をしてみたいとは思うが、記事のトーンとして感じられる「60歳を過ぎても働かされている高齢者は不幸」という前提はちょっと違うのではないかという気がしてならない。
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コメント 1

kobakoba

日本も高齢者に冷たい社会になってきましたが インドも貧富の格差が激しく大変なようですね なかなか国民が望むような 理想の国の建設はできませんね
by kobakoba (2009-03-19 05:37) 

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