公共交通機関にシルバーシート？

お年寄りに席を譲れ－NGOがデリー地下鉄に嘆願書提出
NGO files petition against Delhi Metro for failing to provide seats for seniors
1月11日、ニューデリー
　地下鉄利用客に対する飲料水とトイレ施設の提供を求める嘆願書が、デリー地下鉄（DMRC）及びデリー準州政府に提出され、来週デリー高等裁判所で開かれる公聴会で取り上げられる見込みである。
　この嘆願書は「インドの声（Voice of India）」というNGOが提出したもので、それによると、DMRCと州政府へのあらゆるルートを通じて行なわれたあらゆる嘆願も取り上げてもらえなかったため、高等裁判所にアプローチしたとある。嘆願書によれば、2007年12月に同団体はデリー州政府とDMRCに列車と駅の基本的施設の整備を求める陳情を行なったが、満足いく回答が得られなかったという。
　通勤客に対する飲料水施設に加えて車内トイレの不足を訴えるこの嘆願書によれば、高裁は毎日列車を利用している通勤客の便宜のために介入する必要があるとしている。DMRCに2ヶ月以内にこうした施設の整備を求めるとともに、同嘆願書では、DMRCが高齢者向けに特別席を設けていないことも批判している。
　また、同団体は地下鉄駅の安全対策の不備も指摘し、高裁に対してこの点もよく見るよう求めている。嘆願書によれば、「手荷物検査と検査装置は機能しておらず、プラットフォームに上がる際に利用客が通らなければならない木製の金属探知機にも欠陥がある」という。
　嘆願書はまた、高裁に対して、地下鉄通勤客の便宜に必要な措置が今後も取られるよう監視するための特別委員会の設置も求めている。

1月11日付Times of India紙の記事の引用。せめて駅にトイレでもあったらいいのになとは思うものの、2ヶ月以内にトイレや飲料水設備を装備した車両を導入しろというのは結構無理な要求だなという気がする。こんなの日本の地下鉄にだって導入されていない。駅と駅の間隔を考えたら、やっぱり駅にそういう施設を設けた方がいいように思う。何だかピントが外れているような嘆願内容だな。

この記事の中で本当にお年寄りへの配慮が感じられるのはシルバーシート導入の部分であるが、バスを何度か利用した経験から言わせてもらうと、そんな制度による縛りが必要なほどインド人乗客はお年寄りに対して無関心であるわけではないと僕は感じている。普通の若者がお年寄りに席を譲る光景はデリーの市バスに乗っていてよく目撃する光景であり、自己中心的で周囲への配慮に欠けるインド人にしてはお年寄りに対してだけはよく気がつくと感心すらする。