『スラムドッグ＄ミリオネア』

自分で未だ観てない作品を紹介するのは気が引けるが、ゴールデン・グローブ賞作品賞受賞の一報を受けたテレビ局の報道を見ていて、結構面白いシーンが多かったので、観てみたいなと思った。最近はめっきりオッサンになってプロデューサー業の方が板についてきたがこの作品ではテレビのクイズショーのホスト役で出演していたアニル・カプールが受賞を大喜びしているシーンや、作曲賞を獲ったA.R.ラーマンがガッツポーズしているシーンが大写しになっていた。

この作品、主人公の少年がスラム街出身ということで作品公開時のインド国内での受けはイマイチだったそうだが、そういうのが逆に欧米では評価されたりするのですね。

また、一夜明けてのインドでの報道ぶりを見ていて思ったのだが、インド人にとってより大きなニュースは、むしろA.R.ラーマンがインド人としては初めてゴールデン・グローブ賞を獲ったことのようだ。『スラムドッグ＄ミリオネア』の挿入曲での受賞なのだが、インド人であることが重要なのだろう。

A.R.ラーマンは、風貌はともかく、彼が作曲してボーカルで歌っているインド映画音楽は結構多い。タミル映画『Roja』（1994年）でキャリアをスタートしたラーマンは、『Rangeela』（1995年）でヒンディー映画に進出し、その後『Meenakshi』、『GURU』等で曲を書き、歌も歌っている。シャー・ルク・カーン主演の『Dil Se』（1998年）、アーミル・カーン主演の『Rang De Basanti』（2006年）もそうだ。日本のインド映画ファンには、『Bombay』の挿入曲の作曲をした人といったらどんな曲を作る人かすぐに想像できるであろう。