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「場の空気」について [読書日記]

福田健著『「場の空気」が読める人、読めない人』                                                                      PHP新書、2006年6月


内容(「BOOK」データベースより)
会議で頓珍漢なことを言いだす上司。疲れて帰宅した夫に「仕事と私、どっちが大事?」と迫る妻。おかまいなしに長話をするおばさん。マニュアル通りの対応で客をイライラさせる店員…。時と場所をわきまえない話し方は、雰囲気をぶち壊し、気がつけばあとの祭り。あなたの周りにも、うかつな一言で「場の空気」を曇らせる人がいるだろう。ビジネスから恋愛まで、巷に溢れる気まずい会話の実例を挙げ、臨機応変のコミュニケーションを考察。相手の気持ちを読み取り、明るく前向きな空気に変えるための知的会話術。

今週前半僕を悩ませていた体のだるさ、後半になって治まっていたかと思っていたら、土曜午後くらいから特に足腰のだるさがひどくなってきて、なんとなく殆ど横になって残りの1日半を過ごした感じである。今日は頭痛もひどく、服用したバファリンが合わなくて吐き気までもよおした。明日朝一で研修講師をやる予定がなければ、現時点で明日の病欠は決定といった感じである。無理して行くけど。

その間に読んでいたのがこの1冊。ここ2年くらいの間に、「場の空気」「場の雰囲気」といったテーマを扱っている本が目立つようになってきた。それだけ職場の雰囲気がぎすぎすしたものになってきたということなのかなと思う。少なくとも2003年以前にはこのようなテーマの本は1冊も検索できない。

元々地域社会においては既に「コミュニティ」が崩壊して、ご近所の人々との関係性には問題もあったのだが、代わりに会社という別のコミュニティがあり、サラリーマンはそれに安住していればよかった。ところが、団塊世代が退職期を迎え、地域住民との関係性の構築という課題に直面せざるを得なくなった。それでなくても会社内でも雇用形態の多様化が進み、正規社員とパートや派遣社員、サービスのアウトソーシング等が行なわれ、職場の中での一体感も創出しづらくなってきている。それだけに「場の空気」をどう和ませるか、生産性の高い組織、一体感のあるコミュニティをどう作るのかが大きな課題となってきているのではないかと思う。

そもそも僕がなぜこのような本に手を出したかというと、僕の職場には「場の空気」が読めてない人が少なからずいると感じているからである。当初から1時間と決めて会議を始めても、議論を収束させるよりもシッチャカメッチャカな方向に持っていく発言をしてしまう人がいてまとまらなくなってしまったり、若手の女性スタッフに突如としてプライバシーに関するセクハラすれすれの質問をしてしまったり。僕が今の部署に配属になって満3年となった一昨日には、当部の人事を統括している某課長から「これでリセット、5年はいるだろう」と言われ、顔で笑って心で泣くということがあった。無意識の発言だろうが、聞く側の状況如何によっては神経を逆なでされるような発言だと思う。

かく言う僕も、部長から行き過ぎた発言をたしなめられたこともある。そこでそういう発言をしてしまった人間が、他者からそれとなくコード違反のシグナルを受け取って、それとわかって軌道修正ができればいいが、上下関係があってそうしたシグナルを送れなかったり、或いは送られた側がやっぱり鈍感でシグナルと気付かなかったりで、上手くいってないケースが多い気もする。

どうやって相手に「場の空気」を伝えたらいいのか。こうした本を読む人はその殆どが「場の空気」の読めない人にどのように対峙したらいいのかを悩んでこの本に手を伸ばしたのだろうと思うが、ここで取り上げられている事例は極めて個別的特殊的で、そうした状況にならないと適用できないような気がする。だから、そういうことを容易にわかってくれない相手にどうやって伝えたらいいのかについてはあまりしっかりと示唆をしてくれていないような気がする。

体調の問題もあるが、従って読後感はイマイチである。さっさと読み終わり、コミセンに返却してしまった。


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