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二子山親方のご逝去

先月30日の悲しい出来事は二子山親方―――元大関貴ノ花のご逝去だった。未だ55歳と若かったということもあるけど、それ以上にボクの子どもの頃のヒーローがいなくなった喪失感というのが大きい。これは、長嶋さんが脳梗塞で倒れた時と同じくらいのマグニチュードの衝撃だった。貴ノ花が難攻不落、不敵な敵役の北の湖を千秋楽で破って初優勝した時は、昭和49年の中日ドラゴンズ優勝の瞬間と同じくらい鮮明に覚えている。

自分の息子2人が角界入りした時に親子の関係は捨てて親方と弟子という厳格な関係を維持し続けた。若乃花に続いて貴乃花も引退を迎え、「これで親子の関係に戻れる」と笑ってインタビューに答えていたのは未だ2年前だ。息子2人が揃って横綱になったのはいいが、やれ兄弟の確執だなんだとマスコミに騒がれ、奥様とも離婚されて、決して幸せな家族だったとはいえないと思う。苦悩の表情ばかりがマスコミからは流れていたので、ご心労が絶えなかったのは本当なんだろう。それを乗り越えての笑顔の会見だったと思う。それがたった2年で―――そう考えるとボクは涙が止まらなくなった。

それにしても、こうした悲しい出来事の最中にも若貴兄弟の喪主を巡る争いをことさらクローズアップするマスコミの姿勢には腹が立った。東京湾のクジラとか直立不動のレッサーパンダとかそんな話題に群がり、米国のテニススクールで育ったのに「ロシアの妖精」などというニックネームを付けてもてはやし、挙句の果ては尼崎のJR事故の際にはJR西日本の社員はどこに配属されていようが総懺悔を求めるかのような報道姿勢、行き過ぎではないかと疑問に思う。もっとちゃんと報道して欲しいものだ。NHKも、「ご近所の底力」や「その時歴史が動いた」あたりだったら視聴料を払ってもいいと思うが、民放と同じく画一的な話題しかニュースで取り上げない姿勢には本当に幻滅させられる。

繰り返すが、こういう時はご家族をそっとしておいてあげて欲しいと願ってやまない。


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参明学士/PlaAri

はじめまして!関連記事から飛んできました。
今回の報道姿勢には許しがたい怒りを感じています。
現状のマスコミの低レベルさを痛感しました。
記事にしましたのでTBさせて頂きます。
by 参明学士/PlaAri (2005-06-02 12:31) 

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