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ファブ・ブータン・チャレンジの受賞チーム [ブータン]

ビール缶が自助具に変身~大衆が選ぶファブ・チャレンジ優勝作品
Beer cans to assistive aids, people’s choice winner of Bhutan Fab Challenge
Tshering Deki記者、BBS、2023年7月31日(月)
http://www.bbs.bt/news/?p=189729
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【ほとんど抄訳【抄訳(www.DeepL.com/Translator(無料版)翻訳を筆者編集)】】
ビール缶が障害者支援に使えるなんて想像したことがあるだろうか?これが可能なのだ。ブータン・ファブ・チャレンジに向け、ファブラボネットワークに参加している科学技術大学(CST)のファブラボCSTは、アルミ缶と地元で入手可能な材料を使って、障害を持つ子供たちを支援するプロトタイプを開発した。 このプロトタイプは、ブータン・ファブ・チャレンジの優勝チームの試作品の1つである。

CSTのカルマ・ケザン・ユーデン講師は、アルミ缶や地元で入手可能な材料を使用して障害者支援技術を開発したチームのメンバーである。視覚障害者のための点字プリンターを含むチームのプロトタイプは、チャレンジでピープル・チョイス賞を受賞した。

「私たちは、基礎的な自助技術に焦点を当て、ビール缶のようなアルミ廃棄物をアップサイクルすることで、廃棄物管理にも焦点を当てたいと考えました。私たちのファブラボで設計した自助具や簡単な教材を使って、特別な支援を必要とする子どもたちに貢献したかったのです。」

このチームは、他にも関節や筋肉に問題を抱える子供たちのための自助具や、特別支援教育を必要とする子供たちのための3Dプリント自助具を開発している。

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《後半に続く》

この取材をカルマさんが受けている時、僕は彼女のすぐ近くにいた。その際に彼女が、「(CSTではなく)「ファブラボCST」を前面に出しておけばよかった」と後悔していたが、案の定「CST」の方が前面に出てしまい、ファブラボCSTは、「ファブラボネットワークの中の1つ」ぐらいの位置付けに相対化されてしまった感がある記事だった。

《続き》
同様に、機織りの練習を容易にし、若者が機織りを始めるのを奨励するプロトタイプを開発したチームも、エキスパート・チョイス賞を受賞した。

「ひとつは伝統的な織物職人たちです。背中に問題を抱えている人たちのために、バックストラップ織機を開発しました。こうすることで、張力が背中からシートに伝わります。最後に、新しい世代のために、GAWAキットと呼ばれるフレンドシップ・ブレスレットを作るキットを作ることで、織物への興味を喚起したいと思います」―――受賞チームのメンバーの1人であるシャノン・サイクスはこう述べた。

受賞した2チームには、それぞれ5,000ドル(Nu.400,000)の賞金が授与され、プロジェクトの実施資金に充てられる。

受賞者は、プロトタイプの経済的機会、技術とイノベーション、持続可能性、地域社会、青少年と教育への示唆という評価視点に基づいて選考された。これらのプロトタイプは、ファブ・ブータン・チャレンジの5つのチャレンジ・アイデアの2課題にもとづくもので、今後実装に移されれば、ブータン経済に高い利益をもたらすと経済学者たちは述べている。

ファブ・ブータン・チャレンジは、「レジリエントな未来をデザインする」というテーマの下、持続可能かつ効果的な方法で重要な問題に取り組むことで、ブータンの社会にテクノロジーがポジティブな影響を与える可能性を示している。

ファブシティ財団とブータンの5つのファブラボ・ネットワークがファブ・チャレンジを主催した。22カ国から60名近くの参加者が6日間のチャレンジに参加した。

また、記事にはエキスパート・チョイス賞受賞チームの作品の紹介も絡められていた。ファブ・ブータン・チャレンジは2つの受賞カテゴリーがあったことがこの記事ではわかるが、先にファブラボCSTがピープル・チョイス賞受賞が決まってしまったので、エキスパート・チョイス賞の授賞対象から外されたのだろう。7月23日(日)の「ファブ・フェスティバル」に来られた方ならお気づきになったと思うが、この2つの展示ブースは隣り合わせになっていた。この2つの展示ブースをご覧になった方には是非振り返ってみていただけたらと思う。

この報道も、「ファブラボCST」という名を無意識のうちに極小化している感がしないでもない。FAB23カンファレンスを通じて、主催者も登壇者も「スーパーファブラボとファブラボネットワーク」という言い方をずいぶんしていたが、問題はそのネットワークの中身で、DHIが設立した4つのファブラボとJICAが支援したファブラボCST、さらにはチェゴファブラボとの間には、待遇面で微妙な線引きがあったように僕は感じていた。ファブ・ブータン・チャレンジの準備過程でも、時々ハシゴを外されるような事態が起こり、現場ではカルマさんも含めて結構腹を立てていた。

それでもファブラボCSTはファブ・ブータン・チャレンジでは良績を納め、いずれご紹介するが、支援したサムチ県の高校がファブ・スチューデント・チャレンジで2位に入り、さらに他のサイドイベントも企画実施して気を吐いたので、中央の主催者が無視できなくなるほどの存在感を示した2週間だったと思う。

「FAB23において、「ファブラボCST」の存在感を示す」―――というのが僕たちの目標だったので、それは果たせたんじゃないでしょうか。

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《これが優勝盾――手作りだけど、嬉しいものは嬉しい》

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《歓喜の輪の中に自分もいられた》

そうか、うちって5,000ドルの臨時収入があったんだ!盾をもらってみんな喜んでいたけれど、5,000ドルをどう活用するのかも考えないといけない。来年8月のFAB24(於メキシコ)では実施状況報告義務が生じたし、今回の経済効果に注目した政府関係者や投資家が、同じようなプロトタイピングのイベントをやたらと主催してくる可能性もないとはいえない。参加勧奨するだけじゃなく、ちゃんとお金もファブラボに流れる仕組みを作って欲しいものだが。

ファブ・ブータン・チャレンジの裏話は、今後はプロジェクトのHPやnoteでも紹介していくつもりだ。
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