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生徒が動くなら、それはチャンスかも [ブータン]

プンツォリンの中高生、プナカに移動へ
Phuentsholing students move to Punakha by Aug 15
Yangchen C Rinzin記者、Kuensel、2021年7月31日(土)、
https://kuenselonline.com/phuentsholing-students-move-to-punakha-by-aug-15/
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【抄訳】
教育省は、8月15日より、クラス9からクラス12までの888人の生徒と、約78人の教師、及びサポートスタッフをプンツォリン市からプナカ県のパドゥナに移動させる。生徒と教師の最初のバッチは8月15日に現地に到着する予定。

首相自身が行った所有者との交渉の結果、パドゥナに建設中の私立教育機関に生徒を移す計画が最終決定した。パドゥナはプナカ県庁からガサ方面に向かって約8kmのところにある。プンツォリンからの生徒と教員の到着後、この学校はプナカ県下で独立した高等教育機関として機能し、プンツォリンの校長と2人の副校長が置かれる。

生徒と教師はいずれも同校で2週間隔離され、その後コロナの陽性検査が行われる。生徒はそのまま寄宿生活を送るが、教員は学校構外に住む予定。

政府が4月17日にプンツォリン封鎖を宣言して以来、プンツォリンの4つの公立学校と2つの私立学校は閉鎖されたままになっている。生徒たちはオンラインで授業を続けている。封鎖がまだ続いている状態で、クラス4からクラス12の生徒は中間試験を受けておらず、進行中のオンライン授業による継続的な形成的評価に基づいて評価を受けた。対面教育の重要性と状況の重大さを考慮して、学校教育局のカルマ・ゲレ局長は、彼らの学習が妨げられないよう、生徒を移すことを決定したと述べた。
(後半へ続く)
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但し、同局長によると、既に封じ込めモードで運営されている私立学校2校――ヨンテン・クンジュン校とノルブ・アカデミーについては、現在のモードを継続する予定だと付け加えた。また、チュミタン中期中等学校のクラス9及びクラス10の生徒も8月2日から封じ込めモードでの授業が始まる見込みである由。プンツォリン市内各校のクラスPPからクラス8は、オンラインでの授業を継続する。政府はまた、学習管理システムを含む1カ月間の無料データパッケージを提供することを決めた。これには約170万ニュルタムの費用が見込まれる。

生徒と教師を輸送するために83台のバスが手配されているが、教育省では一度に移動させるか、数次に分けて移動させるかについては未だ検討していない。同省はまた、プンツォリンの学校からすべての教室用家具を輸送するとする。寝具や二段ベッドについては、全国の他の学校から集められる。

一部の教師は初等学年と中等学年の両方を教えているため、学校はどの教師を移動させるかについても検討を進めている。ある校長によれば、これでのところ、どの父兄からもこの政府の決定について再考を求める要求書を受け取っていないという。「父兄が望むのであれば、他県の別の学校に子どもを送ることも可能だというメッセージを事前に両親に送付した。それにより、父兄は移動が行われることを知っていたのだと思う。」一部の学校では、7人以上の生徒が父兄の判断で他校に転校し、低学年でも20人以上の生徒が既に転校している。

王立人事院が調理師の募集を承認するまでの暫定期間に6人の調理師が手配される予定。その間、50人近い労働者が寄宿舎の部屋の仕上げを急いでいる。教育省によれば、8月10日までにすべての準備を整える予定だという。

この移転により、政府は、台所用品や食器、二段ベッドの調達と輸送、食卓と椅子などの費用を含めて、2800万ニュルタムの支出を見込んでいる。生徒の奨学金だけでも1,583万4000ニュルタム、加えてスタッフの旅費として1,443万ニュルタムが見込まれる。同省は、生徒と教師の輸送を担うすべての運転手が、彼らの帰宅を許す前に隔離すべきかどうか、COVID-19タスクフォースの助言を求めるとする。

なお本紙は、この学校の所有者と政府が、土地とインフラの取得に関して、まだ交渉の過程にあるとの情報を入手した。当初は高等専門学校として計画されていたが、王立ブータン大学が附属機関証明を発行しなかったため、計画が変更された。

なんか毎回のような気がしますが、長ったらしい記事の抄訳でごめんなさい。

ロックダウンが100日も続いていれば、学校の授業ってどうなっているのかと心配になる。比較するのが変だけれど、未だ僕が日本にいた頃、ロックダウンほど厳しい措置ではなかったものの、子どもたちが通っていた大学が構内立入りできなくなり、講義がすべてオンラインになってしまった期間が長く続いた。狭いとはいえ子どもたちにも個室があったのでなんとかなったが、僕自身のウェブ会議と子どもたちのオンライン授業が時間帯が重なったりした時には大変だったし、誰かがオンライン授業を受けている時には電子レンジは使わないようにするとか、かなり気を遣った。

日本でこれなんだから、プンツォリンのあの狭い街の中で、ロックダウンで身動きも取れずに狭い家の中でオンラインで授業を受けるのも大変に違いない。

で、この記事が僕の心に刺さった理由は、プンツォリン市内にいた中高生の多くが、いずれプナカに来てしばらくそこで過ごすというところにちょっと機会を感じたからだった。以前にも別の記事で触れた通り、僕は今、プンツォリン郊外の科学技術単科大学(CST)の入構制限により10月になるまでティンプー滞在を余儀なくされているCSTの3年生に対して、3Dモデリング&プリンティングの講習会を主宰している。それも導入編だけでなく、希望者には土曜日にフォローアップ編も開いて、反復演習を行っている。彼らはいずれキャンパスに移動するし、移動してすぐにJICAの技術協力で構内にファブラボができるので、今のうちに練習を積んでおけば、ファブラボのユーザーとして期待できる。

同じような構図がプンツォリン市内の中高生にも当てはまる。プンツォリンのユースセンターには、ユニセフの援助でいずれ3Dプリンターが配備される予定である。コロナの影響で配備は遅れているし、その導入研修を担う予定のファブラボ・ブータンも、研修は未だ先だと見ていた。でも、想定ユーザーである中高生がプンツォリンではなくプナカにいるのであれば、プナカにいる間に3Dモデリング&プリンティングの研修をやっちゃったらいいし、どうせならこのプナカの学校に3Dプリンターを何台か配備したっていいくらいだ。

僕はCSTとの関係があるからこの中高生の動きに対して主体的に動ける立場には必ずしもないけれど、間もなく隔離明けで首都に戻って来るユニセフの担当官とか、ファブラボ・ブータンの代表とかに働きかけることはできるかもしれない。

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