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『くたばれベンチャー』 [仕事の小ネタ]

くたばれベンチャー! モノづくりニッチで起業

くたばれベンチャー! モノづくりニッチで起業

  • 作者: 日比 恆明
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2016/03/10
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
大企業なら優良で中小企業は脆弱である、というのはマスコミが作り上げた先入観です。現在、全国には380万以上の中小企業がありますが、その中には上場企業にも見劣りしないほど業績の良い企業がたくさんあります。本書は、安定した利益が得られる中小企業をどのように運営していくか、を指南したものです。一回限りの人生です。あなたも本書を参考にされ、夢のある中小企業にチャレンジしてみてください。

物資買出し以外、何もできない週末だった。図書館で新たに本を借りたいと思っても、近所のコミセン図書室は土曜日から休館、市立図書館は日曜日まで空いていたけれど、予約していたら届くまで時間もかかるし、月曜日からは休館となる。これでは新しい本を図書館で借りるわけにはいかない。

だったらできることは?そう、積読状態になっている蔵書を切り崩していくしかない。読書メーターによると、週末時点での積読本は31冊あった。うち6冊は洋書、5冊はデザインソフト等の操作マニュアルである。読み始めるのは構わないにせよ、週末のうちに読み終われる軽い書籍ではない。

ということで手にしたのは、いかにも1日で読了可能そうな、モノづくりスタートアップに関する1冊。「モノづくりニッチで起業」というサブタイトルに惹かれて、内容を確認せずにアマゾンで購入した。

ただ、著者の言う「起業」の定義が、「下請けの中小企業がニッチ企業に転身すること」であるので注意が必要。紹介されている中小企業のケースは、ほとんどが先代や先々代の頃から長年操業してきたエスタブリッシュメント企業で、それがバブル崩壊やリーマンショック後の苦境に直面して、大手企業の下請け的な仕事で食っていけた時代の成功体験を捨て、新製品の発掘や選択と集中で難局を乗り切ってきたというところが多い。サブタイトルと内容があまり合ってなかった気がする。

製造業でこれから起業して有望といえるのはニッチ企業だと著者はいう。ニッチ企業とは、「新聞・雑誌などのマスコミにはあまり取り上げられませんが、利益率の高い隙間商品を製造している中小企業の総称」だという。そして、ニッチ企業と呼ばれるための要件として、以下列挙している。

 ①従業員が少ない。
 
 ②プロ向けの商品を製造している。

 ③社長に技術系の人が多い。

 ④オリジナルの隙間商品を製造している。

 ⑤自己資本で運営している。

―――こりゃ、僕の目指すところじゃないね。これに該当するのは、弟がやっている会社だわ。弟の会社は、この要件を全て満たしている。本書にある「成功したニッチ企業」の事例に、弟の会社が取り上げられていないのが不思議なくらいだ。

弟がやってきたことを見れば、著者が何を言いたいかだいたい想像がついてしまう。それなら本書など読まずに弟のやり方を見てればよほど勉強になる。そして、僕の期待とは内容が違っていたけれども、書かれていることは正しいという結論になる。

ただ、本書にある「成功したニッチ企業」の事例は、少しぐらいは今の我が家の大学生の子どもたちに読ませてもいいかもとは思った。うちには大学生が2人いて、1人は理系で大学院に進む気満々、もう1人は女子大生で、コロナ騒ぎが収束すればすぐに就職活動を始めないといけない学年にいる。少しでも良い人材を獲りたいと競争を繰り広げる大手企業だけが就職先ではないと思うし、大学院に進んでその後どこかの企業に入るとしても、そこから独立してこうして歩めるニッチでの起業もあり得るのだというのをわかってほしいから。

最後に僕自身はというと、先日、某金融機関を業務外の仕事で訪ねた後、同行下さった企業の方から、「Sanchaiさんも加わって会社設立すればこの話は意外とすんなり行く」というお話があった。僕も58歳になったら自分の会社を立ち上げたいと思っているので、その事業の1つとして、いただいたお話は考えておく。ただ、製造業ではないので、本書で書かれていることがそのままは該当しないかなと思っている。

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