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『電動アシスト自転車を使いつくす本』 [持続可能な開発]

電動アシスト自転車を使いつくす本

電動アシスト自転車を使いつくす本

  • 作者: 疋田 智
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2016/08/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
知っているようで実は知らない!電動アシスト自転車使いこなしガイド。ほんの少しの「電動アシスト」という力で、すべての人を自転車フレンドリーに。本書を片手に、電動アシスト、試してみませんか?電動のメリットがたくさん。気づかなかった電動アシストならではのノウハウ、目からウロコの使い方など、さまざまな発見が!本書の内容で、電動アシスト自動車バッテリー(約3万円)の寿命を長持ちさせる経済効果も。

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

今年の年明けは2年ぶりに岐阜の実家で過ごしています。昨年11月末に論文を1本書き上げてから1カ月、仕事をこなしつつ今まで後回しにしていた本をいろいろ読み、充電に努めているところです。ブータンに持って帰る本は購入し、取りあえず一時帰国中に読み終える本は図書館で借りて、この1年あまり読み込めなかった分を取り返すべくハイペースで読み込みを続けているところです。

そんな中で、今日ご紹介する1冊は、内容に自信がなかったので取りあえず図書館で借りて読み、良ければキンドル版を購入して座右に置いておくことを考えていた。読んでみて今の電動アシスト自転車とそれを取り巻く環境を概観する上ではかなり包括的な1冊だと思ったので、キンドル版を購入するつもりでいる。

2018年元日の記念すべき1冊は、そんなわけで、電動アシスト自転車を理解するための本である。その意味するところは、今年1年、ブータンで、いやティンプーで、電動アシスト自転車を普及させる取組みを進めるぞという宣言でもある。

イーロン・マスクの信望者であるトブゲイ首相は、電気自動車(EV)の導入に一時期燃えておられて、役人はそれを忖度して、今年7月から始まる第12次五カ年計画においても、EVの普及率引上げが達成目標の1つに掲げている。電源が水力であるこの国で、EV普及はありだと思うが、1台450万円もするリーブを購入できるブータン人はそうそう多くなく、タクシー等で導入されて以降、新車のリーブが走っているのは見かけたことがない。あと数年もすると、これらのリーブにガタが出てきて、整備修理のニーズが出てくる筈だが、それができる人材を育てていない中で、そんな時期を迎えるのは相当に怖い。廃車にするにしても、充電用バッテリーの処分制度どころか、車自体の廃棄についてルールが決められていない。どうなるのかを考えるとゾッとする。

のべつまくなしに輸入されている車の台数を考えると、ティンプーの交通渋滞や大気汚染が今後10年で相当悪化するのは確実だ。中央政庁の入っているタシチョゾン周辺は観光スポットではあるが、今や政府職員が通勤で使っている車であふれかえり、駐車スペースを見つけるのにもひと苦労である。事態が今後さらに悪化する前に、打てる手立てを今から考えておいた方がいい。購買力を考えればEVはそんなに簡単に普及しないだろうから、代替策を今から考えておくことも必要だと思う。

この1カ月の間、僕は電動アシスト自転車というのが相当有効な代替策ではないかと思うようになった。電源が水力だからCO2排出にはつながらないし、雨が少ない。以前勤めていた東京・市ヶ谷のシンクタンクで、通勤や外勤から戻る途中で急な坂道を歩いて上らなければならなかったが、電動アシスト自転車の前と後ろに子どもを乗せ、ペダルをくるくる回しながらスイスイ坂を上って行かれるお母さんの姿を何度も見かけた。あの坂を難なくクリアできるのなら、ティンプーの坂もクリアできるに違いない。

先日ご紹介した『2050年の技術』でも、自転車の復権に言及されていた。

最初は完成車1台を日本で購入してブータンに戻る時に携行しようかと考えた。しかし、リチウムイオン電池を使っている完成車は航空会社で空輸が拒否されるらしいことがわかった。海上輸送でコルカタ陸揚げ→プンツォリンまで陸送となると、チャリ1台だけでは超割高となる。そのあたりのブレークスルーはこれから考えるにせよ、世の中にはいろいろ考えている人がいるようで、キックスターターでは、既存の自転車の前輪にパワーユニットを装着して電動アシスト車にコンバートするデバイスの販売も受付が始まっているようである。既にティンプーにはバイクショップはあるようなので、既存のMTBに装着するパワーユニットを開発するなんてのも、ブータンでできたらいい。

そんな問題意識とか、背景要因とか、夢とかを抱えた上で、本書を読んでみた。
読んでみていくつかわかったこともある。

僕は坂の上りのことばかり考えて電動アシスト自転車を推していたが、上りがあれば下りもあるわけで、ブレーキ機能の強化も考慮する必要があるようだ。また、これは調査してないので要確認だが、この国では自転車走行に関する法制度が存在しない可能性があるので、その整備も併せて考える必要がありそうだ。また、バッテリー充電の仕組みを理解できたのも有用情報。僕は何かにつけてスマホの充電をこまめにやってしまっていたが、実はバッテリーは充電回数によって寿命が変わってくるというのがわかった。これは電アシ自転車とは別の話になるが、自分のスマホ充電のやり方を見直すきっかけにはなった。

この著者、自転車関連のジャーナリストだと思うが、表現に蛇足が目につき、本署の主題とは異なる無駄な表現が多いのが気になった。でも全体としては良書だといえる。できれば東京都内で見られる電アシ自転車のバイクシェアの仕組みについてもっと詳述されていればもっとよかった。ブータンへの最初の電アシ自転車の持ち込みをある程度のロットで行うなら、バイクシェアのような仕組みを試行的に導入・運用するのがあり得るスターティングポイントであるように思う。この仕組みを理解できるような英語の説明資料を作ることが必要だろう。そのベースになるような日本語の説明資料があればいいのだが、そこまでのニーズには本書は応えられていない。

いずれにせよ、ティンプー・バイクシティ化に向けて、世論の喚起を図るには、①大勢の人の目につくような電アシ自転車をとにかく市内で走らせること、②それが何かを説明するような英文コンテンツを作って、大衆が読むようなメディア(クエンセルとか)で取り上げてもらうこと、③JICAの民間連携スキームのようなものを利用して、日本の自転車メーカーかバイクシェア運営企業に実証調査をやってもらうこと等が取りあえずは考えられる。長期的には、既存のMTBに取り付けられるパワーユニットの研究開発とかができる大学工学部の能力強化とかもありだろう。

今年1年、少しでもこの構想実現に向けて、布石を打って行けたらと思っている。新年にあたっての1年の計ということで、以上開陳させていただいた。

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