2017年のGOOD-BAD-UGLY [ご挨拶]
毎年大みそかに書いているこのテーマですが、昨年はあまり1年間の出来事をブログで詳らかにしないよう意識し、ブータンの話題を敢えて避けて書きました。ブータンに来てから2回目の年末ですが、固定読者が増えたことで、このブログの匿名性との両立が益々難しくなってきたと感じています。匿名だというのをご存じなくて、第三者も聞いているような場で僕にブログのことを話される方もいらっしゃいます。繰り返しですが、一応このブログは匿名で書いています。
とはいえ、今年は年間を通じてブータンでの話が多くなるのはお許し下さい。
1.(GOOD)Qちゃんに会う
1月、マラソンの高橋尚子さんがブータンに来られた。岐阜県出身者で、しかも市民ランナーだった僕にとって、Qちゃんは神様のようなお方です。もちろん、本当に高貴な筋のお方も6月にはお越しになられ、ブータン人の間ではSNS上でファンクラブすら形成されるくらいに祝賀ムードで盛り上がったのだけれど、個人的にはQちゃんご来訪は一生モノの宝となるような出来事でした。お陰で、3月にブータン国際マラソンを走るモチベーションのアップにもつながりました。
2.(UGLY)ブータン国際マラソン、見事玉砕
上記1でもご紹介した通り、3月、18年ぶりというフルマラソンに挑戦。そんなに野心的な目標設定をしていたつもりはありませんが、3ヵ月連続で月間200kmを走り込んだわりに、タイムは自己ワースト。このマラソン、スタート地点とゴール地点の標高差だけを見ればダウンヒルコースだと言えますが、その途中には急な下り坂も急な上り坂もあり、スタート地点は氷点下近いのに、ゴール手前の10kmは強い日差しを遮るものもなく、気温は20度近くまで上がります。相当難しいコースで、かなり甘く見ていました。できれば来年リベンジしたいけど、事情あってハーフにとどめざるを得ません。
3.(GOOD)7年ぶりの・・・
古い読者の方であれば、僕がインドに駐在していたのはご存知かと思います。インド再訪自体は昨年既に実現しており、印度剣道同好会(剣印会)の稽古にも昨年お邪魔しており、今年のインド渡航は二度でしたが、うち一度は剣道具携行して、稽古させてもらいました。が、このヘッドラインでのGOODは、2010年以来という、何名かの方々との再会でした。3月にはプネで、4月にはデリー、グルガオンで、以前からの知り合いの方々とお目にかかりました。付け加えると、3月にはビシャカパトナム在住の知人と、ティンプーでお仕事ご一緒するという貴重な機会もありました。この中でも最も嬉しかったのは、インド駐在時代に僕にとって父のような存在だったJさんとの涙の再会でした。
4.(GOOD)英語論文を書きまくる
4月に某省庁にレポートを提出しましたが、棚の肥やしにされるのも嫌だったので、王立ブータン大学の研究紀要向けにリライトして、5月末に投稿しました。11月末には見事掲載につながりました。これ以外にも、4月と10月に事前提出論文が必須の学会発表用に2本別のペーパーを書き、11月末にはブータン農業省が新設するアカデミックジャーナル向けにもう1本ペーパーを書いて投稿しました。今年だけで書いた英文ペーパーは4本にものぼります。加えて新聞への寄稿も3回やりました。来年前半であと3本ぐらい書く予定なので、これらを全部合わせて、年内に1冊の本にまとめるのが来年の目標になります。そういう足掛かりが作れたのが2017年という年でした。
5.(GOOD)ファブラボ・ブータン
これは僕自身の直接的成果とは言えませんが、昨年4月にブータン赴任の際に自分がいる間に絶対実現させたいと考えていた市民向けデジタルものづくり工房「ファブラボ」の第1号が7月にティンプーにできたのは嬉しい出来事でした。開所式にはトブゲイ首相やMITのガーシェンフェルド教授も出席され、その後も閣僚や政府高官の訪問が相次ぎました。設立にあたって最も大きな役割を果たしたのはコペンハーゲン在住のブータン人だったので、ファブラボ・ブータンのネットワークにはデンマークのファブラボ関係者が多くいますが、それだけじゃ寂しいので、日本のものづくり愛好家からのコンタクトをお待ちしています。個人的には、ティンプーにファブラボができたおかげで、時々通って個人プロジェクトに取り組んでいるところです。今後は、国内第2、第3のファブラボの開設に向けて取り組んでいきたいと思っています。
6.(GOOD)昨年のリベンジ、学会発表
昨年は突発的な事態のために一時帰国出発2日前にキャンセルを余儀なくされた日本南アジア学会での発表、今年は別のテーマでしたが9月に無事終えました。リベンジできて非常に満足しています。既報の通り、11月上旬には第7回GNH国際会議でこれまた別のテーマで発表を行いました。学会ではないものの、セミナーのような場での発表も4月と10月に行いました。
7.(GOOD)剣道 in ブータン
本邦滞在中お世話になった方々から、「いつになったら立ち上がるのか」と圧力をかけられ続けた海抜2300メートルでの剣道、7月に待望の稽古相手を得て、10月から稽古を始めました。勿論地稽古もやりますが、初心者もいるため、もっぱら木刀による剣道基本技を中心に教えているところです。来年12月の建国記念日まで僕がいられるようであれば、チャンリミタン・スタジアムでの演武をやらえてもらえないか、ロビー活動を進めていきたいと思います。
8.(GOOD/BAD)ティンプーRC1周年、いっこうに減らないゴミ
昨年12月24日に立ち上げた「ティンプー・ランニング・クラブ」、毎週土曜日の朝、ラン5km、またはウォーク3kmで、ルンテンザンパの警察本部前でゴールし、そこからメモリアル・チョルテンまで歩きながらゴミ拾いをやるというルーティンを、地道に1年間続けました。出張等もあって参加できない日もありましたが、レギュラーメンバーも数名おり、雨でできなかった日が1日あった以外は、毎週開催できました。でも、ゴミ拾いを続ける中で、ティンプー市民のゴミのポイ捨てについて考えさせられました。メモリアル・チョルテンにお参りに来る人が、その行きか帰りに歩道や公園で平気でポイ捨てするメンタリティの理解には今も苦しんでいます。こんなことまでインドの真似しなくてもいいのに…。また、「それは素晴らしい取組みだ」と絶賛してくれるブータン人がいる割に、ブータン人の参加者が思ったように増えなかったのも、裏切られた感が相当あります。(それなら「今週末から参加する」なんて言わなきゃいいのに…。)
9.(BAD)歯のケアには要注意
3月、左の奥歯が急に痛くなり、あまりに仕事が立て込んだので、3週間我慢し続けました。既述の通り、3月下旬にはプネとデリーを訪れる機会がありましたが、その間に痛みがひどくなり、左の頬が腫れてきて、さすがにまずいと思ってデリー滞在最終日の夜、急遽バサントビハール地区の歯医者さんに駆け込みました。10年前にインド駐在していた頃、デリーの歯医者の凄まじさを経験した僕にとって、二度とやるまいと思っていたインドでの歯科治療は悪夢でしたが、措置はそれまでの歯痛に比べたら随分ましでした。お陰で3週後にもう一度デリーに行くはめになりましたが。
これでもう二度と歯の治療は受けまいと思っていたら、今度は10月上旬にパロで干した牛肉を調理したブータン料理をご馳走になっていて右の奥歯の詰め物が取れてしまい、これまた近々国外に出る予定もなかったので、年末まで我慢しました。冷たい水が歯にしみて、大変つらい2カ月半でした。この年末、一時帰国の機会に治療してもらっているところです。皆さん、ブータンの固い干し肉を使った料理は歯に負担をかけます。歯のケアにはくれぐれも気を付けましょう。
ところで、この歯に関するトラブルを在ブータン・インド大使館のサルカール大使にお話したところ、ハのインド軍病院に相当腕の良い歯科医がおられることを教えていただきました。どうにも我慢できない時は、ハまで行かれるのが宜しいかと思います。
まあ、こうして振り返るとBADやUGLYよりもGOODの方が圧倒的に多かった1年だったので、良かったと思います。勿論、1つの物事を実現にまで持って行くまでの悪戦苦闘はどれも少なからずあったのですが、今となっては良い思い出ですね。
今年も1年大変にお世話になりました。
読者の皆様の新年のご多幸をお祈り申し上げます。
とはいえ、今年は年間を通じてブータンでの話が多くなるのはお許し下さい。
1.(GOOD)Qちゃんに会う
1月、マラソンの高橋尚子さんがブータンに来られた。岐阜県出身者で、しかも市民ランナーだった僕にとって、Qちゃんは神様のようなお方です。もちろん、本当に高貴な筋のお方も6月にはお越しになられ、ブータン人の間ではSNS上でファンクラブすら形成されるくらいに祝賀ムードで盛り上がったのだけれど、個人的にはQちゃんご来訪は一生モノの宝となるような出来事でした。お陰で、3月にブータン国際マラソンを走るモチベーションのアップにもつながりました。
2.(UGLY)ブータン国際マラソン、見事玉砕
上記1でもご紹介した通り、3月、18年ぶりというフルマラソンに挑戦。そんなに野心的な目標設定をしていたつもりはありませんが、3ヵ月連続で月間200kmを走り込んだわりに、タイムは自己ワースト。このマラソン、スタート地点とゴール地点の標高差だけを見ればダウンヒルコースだと言えますが、その途中には急な下り坂も急な上り坂もあり、スタート地点は氷点下近いのに、ゴール手前の10kmは強い日差しを遮るものもなく、気温は20度近くまで上がります。相当難しいコースで、かなり甘く見ていました。できれば来年リベンジしたいけど、事情あってハーフにとどめざるを得ません。
3.(GOOD)7年ぶりの・・・
古い読者の方であれば、僕がインドに駐在していたのはご存知かと思います。インド再訪自体は昨年既に実現しており、印度剣道同好会(剣印会)の稽古にも昨年お邪魔しており、今年のインド渡航は二度でしたが、うち一度は剣道具携行して、稽古させてもらいました。が、このヘッドラインでのGOODは、2010年以来という、何名かの方々との再会でした。3月にはプネで、4月にはデリー、グルガオンで、以前からの知り合いの方々とお目にかかりました。付け加えると、3月にはビシャカパトナム在住の知人と、ティンプーでお仕事ご一緒するという貴重な機会もありました。この中でも最も嬉しかったのは、インド駐在時代に僕にとって父のような存在だったJさんとの涙の再会でした。
4.(GOOD)英語論文を書きまくる
4月に某省庁にレポートを提出しましたが、棚の肥やしにされるのも嫌だったので、王立ブータン大学の研究紀要向けにリライトして、5月末に投稿しました。11月末には見事掲載につながりました。これ以外にも、4月と10月に事前提出論文が必須の学会発表用に2本別のペーパーを書き、11月末にはブータン農業省が新設するアカデミックジャーナル向けにもう1本ペーパーを書いて投稿しました。今年だけで書いた英文ペーパーは4本にものぼります。加えて新聞への寄稿も3回やりました。来年前半であと3本ぐらい書く予定なので、これらを全部合わせて、年内に1冊の本にまとめるのが来年の目標になります。そういう足掛かりが作れたのが2017年という年でした。
5.(GOOD)ファブラボ・ブータン
これは僕自身の直接的成果とは言えませんが、昨年4月にブータン赴任の際に自分がいる間に絶対実現させたいと考えていた市民向けデジタルものづくり工房「ファブラボ」の第1号が7月にティンプーにできたのは嬉しい出来事でした。開所式にはトブゲイ首相やMITのガーシェンフェルド教授も出席され、その後も閣僚や政府高官の訪問が相次ぎました。設立にあたって最も大きな役割を果たしたのはコペンハーゲン在住のブータン人だったので、ファブラボ・ブータンのネットワークにはデンマークのファブラボ関係者が多くいますが、それだけじゃ寂しいので、日本のものづくり愛好家からのコンタクトをお待ちしています。個人的には、ティンプーにファブラボができたおかげで、時々通って個人プロジェクトに取り組んでいるところです。今後は、国内第2、第3のファブラボの開設に向けて取り組んでいきたいと思っています。
《トブゲイ首相やガーシェンフェルド教授も出席した開所式の様子》
6.(GOOD)昨年のリベンジ、学会発表
昨年は突発的な事態のために一時帰国出発2日前にキャンセルを余儀なくされた日本南アジア学会での発表、今年は別のテーマでしたが9月に無事終えました。リベンジできて非常に満足しています。既報の通り、11月上旬には第7回GNH国際会議でこれまた別のテーマで発表を行いました。学会ではないものの、セミナーのような場での発表も4月と10月に行いました。
7.(GOOD)剣道 in ブータン
本邦滞在中お世話になった方々から、「いつになったら立ち上がるのか」と圧力をかけられ続けた海抜2300メートルでの剣道、7月に待望の稽古相手を得て、10月から稽古を始めました。勿論地稽古もやりますが、初心者もいるため、もっぱら木刀による剣道基本技を中心に教えているところです。来年12月の建国記念日まで僕がいられるようであれば、チャンリミタン・スタジアムでの演武をやらえてもらえないか、ロビー活動を進めていきたいと思います。
8.(GOOD/BAD)ティンプーRC1周年、いっこうに減らないゴミ
昨年12月24日に立ち上げた「ティンプー・ランニング・クラブ」、毎週土曜日の朝、ラン5km、またはウォーク3kmで、ルンテンザンパの警察本部前でゴールし、そこからメモリアル・チョルテンまで歩きながらゴミ拾いをやるというルーティンを、地道に1年間続けました。出張等もあって参加できない日もありましたが、レギュラーメンバーも数名おり、雨でできなかった日が1日あった以外は、毎週開催できました。でも、ゴミ拾いを続ける中で、ティンプー市民のゴミのポイ捨てについて考えさせられました。メモリアル・チョルテンにお参りに来る人が、その行きか帰りに歩道や公園で平気でポイ捨てするメンタリティの理解には今も苦しんでいます。こんなことまでインドの真似しなくてもいいのに…。また、「それは素晴らしい取組みだ」と絶賛してくれるブータン人がいる割に、ブータン人の参加者が思ったように増えなかったのも、裏切られた感が相当あります。(それなら「今週末から参加する」なんて言わなきゃいいのに…。)
9.(BAD)歯のケアには要注意
3月、左の奥歯が急に痛くなり、あまりに仕事が立て込んだので、3週間我慢し続けました。既述の通り、3月下旬にはプネとデリーを訪れる機会がありましたが、その間に痛みがひどくなり、左の頬が腫れてきて、さすがにまずいと思ってデリー滞在最終日の夜、急遽バサントビハール地区の歯医者さんに駆け込みました。10年前にインド駐在していた頃、デリーの歯医者の凄まじさを経験した僕にとって、二度とやるまいと思っていたインドでの歯科治療は悪夢でしたが、措置はそれまでの歯痛に比べたら随分ましでした。お陰で3週後にもう一度デリーに行くはめになりましたが。
これでもう二度と歯の治療は受けまいと思っていたら、今度は10月上旬にパロで干した牛肉を調理したブータン料理をご馳走になっていて右の奥歯の詰め物が取れてしまい、これまた近々国外に出る予定もなかったので、年末まで我慢しました。冷たい水が歯にしみて、大変つらい2カ月半でした。この年末、一時帰国の機会に治療してもらっているところです。皆さん、ブータンの固い干し肉を使った料理は歯に負担をかけます。歯のケアにはくれぐれも気を付けましょう。
ところで、この歯に関するトラブルを在ブータン・インド大使館のサルカール大使にお話したところ、ハのインド軍病院に相当腕の良い歯科医がおられることを教えていただきました。どうにも我慢できない時は、ハまで行かれるのが宜しいかと思います。
◇◇◇◇
まあ、こうして振り返るとBADやUGLYよりもGOODの方が圧倒的に多かった1年だったので、良かったと思います。勿論、1つの物事を実現にまで持って行くまでの悪戦苦闘はどれも少なからずあったのですが、今となっては良い思い出ですね。
今年も1年大変にお世話になりました。
読者の皆様の新年のご多幸をお祈り申し上げます。
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