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下院補欠選挙の結果は与党の圧勝 [ブータン]

与党PDP、北ティンプー補欠選を制する
PDP wins North Thimphu
Kuensel、2016年11月5日、MB Subba記者
http://www.kuenselonline.com/pdp-wins-north-thimphu/

2016-11-5 Kuensel01.jpg

【ポイント】
野党DPTのキンガ・ツェリン下院議員の辞職を受けて4日に行われた北ティンプー選挙区下院補欠選挙は、即日開票が行われ、結果与党PDPのツェリン候補(33歳)が、DPTの後継候補ケサン・ワンモ候補(26歳)を大差で破った。この選挙区は伝統的に野党DPTが強かったが、今回初めて与党PDPが勝利し、トブゲイ首相の政権運営が強い支持を受けていることが確認された。この結果、下院の勢力は、PDP33議席、DPT14議席(計47議席)となった。

一方で、大票田の北ティンプー選挙区において、6,312人の有権者のうち、実際に投票したのは2,692人(42.6%)に過ぎず、特に男性の有権者の投票率は40.2%と低調だった。

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さて、北ティンプー選挙区と南ティンプー選挙区の境界線はどこにあるかご存知でしょうか。ティンプーを訪れたことがある人なら、メモリアル・チョルテンの北側の道、王立ブータン警察(RBP)本部の横を流れる渓流が境界線なのだそうです。従って、メモリアル・チョルテンはギリギリ南ティンプー選挙区に入ります。

この選挙のお陰で、11月4日は官公庁がお休みになり、商業施設も軒並み休業。でも南ティンプー選挙区の方のお店は開いていたところもあったらしい。北ティンプーでは学校すらもお休みになった。こういう、「選挙だから休み」というのは9月27日の地方選挙の時にもあった。北ティンプーだけの選挙のせいで全国のお役所が休みになるのはなんだかやり過ぎじゃないのかという気もする。

そもそもこの選挙、傍で見ていていろいろ驚かされることが多かった。

第1に、元々野党のキンガ・ツェリン議員が8月に議員辞職した際の理由が驚きだった。かねてから希望していた米国の大学院への留学が決まったからというのが理由である。国政よりも自分の留学が大事という神経は、日本で育った自分には全くよく理解できないが、官公庁の公務員を見ていると、留学できるとなった時は躊躇なく辞める。上司は引き止めもしない。労働法で決められている労働者の権利だからと最初から諦めている。この辺の感覚は、以前病み上がりで職場復帰して僕の部署に配属された部下に、突然海外での病気治療を理由に退職願を出され、事情が事情なので退職を認めたところ、その後1年近くにわたってスタッフの補充をしてもらえず、当時の上司曰く「懲罰人事」を喰らった経験者としては、こういうのをすんなり認めてなんのお咎めもないのかというのが驚きだった。

第2に、キンガ・ツェリン議員の辞職後、野党はすぐに後継候補を立てたが、何らかの理由でその候補者が辞退してしまった。野党は与党側が横やりを入れたと批判していたが、その後出てきた代替候補がケサン・ワンモ氏だった。相手方の候補者の適格性に批判を加えてくるのは日本でも行われていることだろうから、これは驚きではなかったけれども、むしろ次に野党が立てた候補者が26歳の女性だったというのにはびっくりした。

第3に、まあ当然といえば当然だが、与党は首相をはじめ主要閣僚が各世帯を訪問して投票を呼びかけるなど、相当有利な選挙戦を展開したと言える。そもそも首相のご自宅も、閣僚の邸宅もどちらも北ティンプー選挙区内にあるのだから、当然のことだ。(但し、有権者登録は各々の選挙区でされていると思うが。)だから、結果については想定の範囲内であり、野党候補も敗戦の弁は自分の力不足というよりも、相手が悪かったという潔さが感じられるものだった。

最後に、僕は今回の投票率の低さも驚きだった。わざわざ祭日にまでして、結局42%というのは僕の思っていたブータンの選挙のイメージを覆すものだった。当然僕はもっと高くなるだろうと思っていたからだ。これじゃ祭日にする意味もあったのかどうかもわからない。

いずれにしてもツェリン新議員、任期は2018年までとなるわけです。国会は11月10日に開会予定。

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