『新・日本の七不思議』 [読書日記]
内容(「BOOK」データベースより)『邪馬台国はどこですか』を読んだので、次に鯨作品を読むならどれにしようかと考え、『邪馬台国~』の続きで日本史がいいかと思い、『新・日本の七不思議』を読んでみることにした。前作からトーンダウンしているという批判は免れないだろうと思うが、『邪馬台国~』がいわゆる「アームチェアー・ディテクティブ」(あるいは「ベッド・ディテクティブ」)の流れを踏襲して基本的にバーでのほろ酔い(?)トークだけで推理を展開していたのに対し、『新・日本の七不思議』の方はバーを飛び出し、実際に登場人物が現地を歩くというシーンが頻繁に登場する。いわばバーでの推理を裏打ちするための現地調査なのだが、それが上手くハマっている話はそれなりに面白かった。
スリーバレーのバーテンダー松永は、早乙女静香の話についていくため日夜歴史の勉強を続けている。ある日、静香が宮田六郎と連れ立って店に入ってきた。これまで宮田に対してやたら喧嘩腰だった歴史バトルにおいても、何やら風向きが違う。なぜだ?二人の親密な態度は気になるが、現存する世界最古の国ニッポンのことを知らないのも捨て置けない…。
ただ、どうしても戸惑ってしまうのは、『邪馬台国~』で熱いトークバトルを展開した宮田六郎と早乙女静香が、なぜか本書では良い仲になっていたこと。これにはバーテンダー松永でなくても何が起きたのか全く理解できずに戸惑う。聞けば本書の前に『新・世界の七不思議』が位置付けられているようだから、順番から言って、『邪馬台国~』の後には『新・世界の七不思議』を読むことをお薦めしたい。
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