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アマルジョティ・スクール再訪 [インド]

今年2月に初めて訪れたアマルジョティ・スクールを4月22日(木)に再び訪れる機会に恵まれた。前回は他の大勢のお客さんの中に紛れての施設見学だったため、あまりこの学校とそれを運営するAmar Jyoti Charitable Trustについて、自分一人が興味本位でいろいろな質問をするのは難しかった。でも、今回はウマ・トゥーリ代表にアポをちゃんと取って訪問したので、ウマさんには質疑応答だけでも1時間はたっぷり時間を取ってもらい、さらには前回見学できなかった手工芸品や木工、電気機器等のワークショップもしっかり見せていただいた。二度目の訪問で、さらにアマルジョティに対する理解も深まったように思う。その幾つかを紹介する。

1)職業訓練施設の製品
下のパンフレットは、この学校の職業訓練施設で作られている製品のカタログの一部である。ジュート製の手提げバッグ、ペットボトルバッグ、クッションカバー、テーブルマット、封筒セット、写真立てなどに加えて、ネックレスやイアリング、バングルといった装飾品も製作されている。ここの卒業生が製作に携わっているが、中には国際アビリンピックで優秀な成績を上げた方もいて、製品としてはなかなかの出来栄えだと思う。

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僕はショルダーストラップ付のペットボトルバッグが前から欲しかったので、1ついただくことにした。これ以外にも、インドでセミナーやシンポジウムといった催し物になると必ず付いてくる会議用フォルダーとか会議参加者バッグといったノベルティに利用可能なアイテムもあった。

インドではこうした会議でノベルティを無料配布するようなことが日常茶飯事で行なわれている。しかもその会議の件数が馬鹿にならない。殆ど毎日のようにそうしたイベントが行なわれている。イベントに出れば出るほどノベルティがたまって困るぐらいだ。そのためにバッグ業者や文具業者は結構繁盛していると思う。そうしたイベント開催の際のノベルティとして、民間の業者よりもアマルジョティから仕入れるというのは一案だと思う。一種の「グリーン調達」である。他のNGOもあろうが、これまで見たところではアマルジョティのノベルティは最もしっかり作られている印象であった。

アマルジョティに限らないが、最近、文具の調達先としてこういうNGOから購入することで活動支援することができないものかと考えることが多い。例えば名刺。以前市内でDevelopment Alternatives(DA)という現地NGOの事務所を訪問して名刺交換した際、先方の応対された方々の名刺がいずれのごわごわの厚紙のような素材を使ったものだった。なかなか風情がある名刺だが、これも関係のある現地NGOから仕入れているのだと言われていた。

因みにこのパンフレット自体も、アマルジョティ・スクール構内にあるコンピュータ実習施設で製作されたものである。ここでは周辺スラムに住む若者達向けにこうしたコンピュータ研修も行なっており、その中でDTPも習っている。従って、僕らが普段使っている名刺をスキャナで取り込んで別の紙に印刷するようなこともやればできるのではないかと思う。

2)里親制度
僕はこの学校はかなり広範囲の地域から障害を持つ児童と持たない児童を集めてきているのだろうと勝手に思っていたが、実はこの学校は寄宿舎を持たず、周辺のコミュニティから児童が通いで来ているのだというのを初めて知った。アマルジョティのある西デリーは隣りのウッタルプラデシュ州やビハール州から集まって来た貧困家庭が居住して形成されたスラムが幾つもあり、全般的に貧しい。アマルジョティはそうしたコミュニティの児童に就学機会を与えることを目指しており、授業は無料、給食は政府のMid-Day Mealプログラムを利用しているという。

こういう教育に重点を置くNGOであれば、当然考えられるのが「里親制度」である。寄付者にどの児童の里親になるかを決めてもらい、毎年定額の寄付を行なうか一括寄付してその利息収入で毎年の教育費をカバーする方法が考えられる。ウマさんによると、児童1人にかかる費用は年間7,000ルピーだという。この程度の利息収入を得ようと思うと、元本としては100,000ルピー程度が必要だが、一回納付すれば半永久的にこの寄付が毎年児童を支援し続けるということになる。こういう形での協力もいいかもしれない。

3)最後に
アマルジョティは敷地内に設置されている学校にどうしても目が行くが、実はここには医科大学も併設されている。外来患者がリハビリ医療サービスを受けられる施設もあり、そこで研修生が実習を行なっている。職業訓練施設で作られた製品は外部から購入できるし、コンピュータ研修も地域に開かれている。単なる教育施設というより、地域との繋がりを重視するコミュニティサービスとしての性格の方が強いように感じた。

アマルジョティにはボランティアとして来ている社会人の方も多い。以前僕が訪問したマルヴィヤナガルの柔道道場のゴギ先生御夫妻も、アマルジョティでリハビリ介助のボランティアをされていると仰っていたし、他にも「自分は時々アマルジョティにお手伝いに行っている」と仰っていた方を何人か存じあげている。この日もウマさんのところには退職したIAS(インド高級官僚)の方が来られていた。ここで昔インターンをしていたことがあるという日本人の方は折り紙を教えていたと仰っていたが、他にも柔道が課外授業で教えられており、柔道の素養のある人ならボランティアで柔道教室のお手伝いに来やすいと思う。

地域には開かれており、国の内外を問わず外からボランティアが入りやすく、かつ人材育成も進められるというモデルはとても優れており、これを考えたウマさん他のスタッフの皆さんの慧眼には頭が下がる。

ウマ・トゥーリ代表も常に笑顔を絶やさず、構内でも最敬礼を表するお辞儀を児童から何度も受けておられた。児童や学校スタッフの方々から慕われている姿が印象的だった。世界的にも名の知れたカリスマ的人物である。なんとか今後も交流の場を作れたらと思う。

*前回ブログ記事「アマルジョティ・スクール訪問」
 http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2010-02-13-2

*Amar Jyoti Charitable TrustのHP
 http://amarjyotirehab.org/
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