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孤独な老夫婦 [インド]

エイジウェル財団(Agewell Foundation)が昨年12月に首都圏の核家族化における高齢者の位置付けと課題に関して調査レポートを発表した件は、12月28日付の本ブログ記事でもご紹介した通りであるが、それとは異なる調査レポートを同財団は発表したようだ。「高齢で迎える疎外(Isolation in Old Age)」というタイトルのこのレポートについては、既に同財団HP上でも概要が公表されているので詳細はそちらでご覧いただきたいが、ポイントとしては、配偶者と一緒に暮らしている高齢者の94%が疎外感を感じており、こうした状況は、神経質、不安、パニック、食欲不振といった状況に繋がっているという点にあるらしい。

*エイジウェル財団HPから報告書概要はご覧いただけます。
 http://agewell-initiatives.blogspot.com/2010/01/agewell-study-on-isolation-in-old-age.html

*この報告書発表を論じた1月28日付Hindu紙の記事全文はこちらからご覧いただけます。
http://www.hindu.com/2010/01/28/stories/2010012857480400.htm

本日は、このHindu紙記事(1月28日付「殆どの高齢者が疎外感を感じている(Most aged people feel isolated)」)の要約から、この報告書についての内容をご紹介したい。

1)デリー首都圏の高齢者の間で、疎外感が大きな問題となっている。エイジウェル財団の研究・アドボカシーセンターが明らかにしたもので、高齢者1000人を対象に疎外感の広がり具合を調査した。うち838人が孤独だと回答、都市部に絞れば全体の89.8%の高齢者が疎外感を訴え、農村部では77.6%であった。

2)配偶者と同居している高齢者の94%、ひとり暮らし高齢者の97%の人が、自分は疎外されていると感じていることもわかった。

3)こうした高齢者が疎外感を強く感じるという傾向は過去数年加速されてきており、特に80歳以上の超高齢者の疎外感は著しく、93.9%の超高齢者が疎外感を感じているという。60代の高齢者の場合、77.9%であり、これが70代には87.4%に上昇する。

4)デリー首都圏の都市部では、44%の高齢者が社会的に感情的にも疎外感を味わっていると報告されているが、社会的疎外よりも感情的な疎外感の方が厳しいという。

5)核家族の場合、高齢者の71%が、家族による適切な介護が得られないとして疎外感を感じながら暮らしているという。こうした孤独感のために、高齢者は、不幸や不安を抱え、健康障害へと繋がっている。

因みに、同日付のHindu紙には、デリー市(MCD)が1月27日、市内各住区(ward)に1つ、「高齢者市民センター(Senior Citizens' Centre)」を近々設置するとの記事も載っている。高齢者の自宅から近い場所に、高齢者が集まってお互いに交流をする場所を設けると発想は、日本でよくある高齢者サロンに近いもののようだが、お年寄りだけで集まるのではなく、もっと子供と接したりする機能が今後付加されてくることを期待したい。
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