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ボパール有毒ガス漏洩事故から25年 [インド]

予定していた工場跡地の公開中止、インド・ガス事故から25年
11月27日配信 CNN.co.jp
(CNN) インド中部のマディヤプラデシュ州政府は27日までに、ボパールの殺虫剤工場で1984年12月初旬に起きた有毒ガス漏えい事故から25年が経過したことを踏まえ、当初予定していた同工場の公開の中止を決めたと発表した。
 工場跡地に危険性は最早ないことを住民に知らせるための行事として企画したが、犠牲者、被害者の支援組織や環境保護団体から事故での州政府の責任を軽減させる試みなどの批判が生まれていた。
 ただ、行事中止の理由としては、ボパール市で12月に実施される市議会選挙を前に、有権者の集票作戦として受け止められかねない行事は不適切との判断が働いたとしている。工場の一般公開は今後、改めて計画するとしている。
 事故は84年12月2日から3日未明にかけ、当時の米ユニオン・カーバイド社の工場で発生。イソシアン酸メチルのタンクに水が混入し、猛毒ガスが街を襲っていた。約4000人が即死したともされる。事故が原因の犠牲者はその後も増え、「史上最悪の産業災害」と呼ばれている。
 現在の工場は空き家となっており、コンクリート製の壁と鉄条網で封鎖されている。

Sanchaiの25年前とインドを繋ぐキーワードは2つあった。1つは「インディラ・ガンジー」、1984年10月31日に暗殺された当時のインドの首相である。そしてもう1つが「ボパール」、同じく1984年12月3日未明のユニオン・カーバイド社工場ガス漏れ事故の起きた町である。インドの都市名としてはボンベイやマドラスは世界史でも習っていたが、世界史を通じないで初めて知ったインドの都市名が「ボパール」だった。しかも、この事故の第一報はNHKの夜7時のニュースだったと思うが、僕はそれを京都の伯母の家で夕食をご馳走になりながら見ていたという記憶がある。まさか自分がそれから25年も経ってボパールと多少でも縁のある仕事に関わるようになるとは思ってもみなかったが。

そのボパールでここ1ヵ月ほど争点となっていたのが旧ユニオン・カーバイド工場跡地の公開問題である。州政府側はこの跡地の残留有毒ガスが安全な水準にまで減少したとして、こうした悲惨な事故を二度と繰り返さないよう記憶にとどめるための記念館のような形での保存を考えた。しかし、犠牲者、被害者の支援組織や環境保護団体は、被害者の神経を逆なでする行為だと反対を唱えていた。残留濃度の健康への影響も懸念されていたようだ。

こうした論議は実は1ヵ月ぐらい前にHindu紙が一報を伝えていた。結論が出ていない話だったのでブログでは敢えて紹介してなかったが、今回のCNNの報道は公開中止という結論が出たことを伝えている。

因みに、このユニオン・カーバイド工場ガス漏れ事故の状況については、こんな本が出ているので一応紹介しておく。積読状態になっていて読んでないのがお恥ずかしいが、挿入されている写真だけを見ても大変な災害であったという当時の様子が窺える。

Five Past Midnight in Bhopal: The Epic Story of the World's Deadliest Industrial Disaster

Five Past Midnight in Bhopal: The Epic Story of the World's Deadliest Industrial Disaster

  • 作者: Dominique Lapierre
  • 出版社/メーカー: Grand Central Publishing
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: ハードカバー
内容説明
It was December 3, 1984. In the ancient city of Bhopal, a cloud of toxic gas escaped from an American pesticide plant, killing and injuring thousands of people. When the noxious clouds cleared, the worst industrial disaster in history had taken place. Now, Dominique Lapierre brings the hundreds of characters, conflicts, and adventures together in an unforgettable tale of love and hope. Readers will meet the poetry-loving factory worker who unleashes the apocalypse, the young Indian bride who was to be married that terrible night, and the doctors who died that night saving others. It is a gripping, fascinating account that is already mesmerizing readers around the world.


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