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ロティカ・サルカール事件続報3 [インド]

11月15日付Hindu紙第1面に標題の事件の続報が出ていた。いつもながらHindu紙はこのような人権絡みの報道に強い。他紙ではあまり触れられていない報道だ。

タイトルは「2人のフォスター・マザー(養い母)の奇妙な事例(The curious case of two foster mothers)」(Gaurav Vivek Bhatnagar記者)である。記事全文は下記URLからダウンロード可能だ。
http://www.thehindu.com/2009/11/15/stories/2009111557900100.htm

以下はその記事の要約―――。

1)「Maintenance and Welfare of Parents and Senior Citizens Act 2007」に基づきデリー法律審査局(Delhi Tribunal)が行なった調査では、ロティカ・サルカール夫人以外にも、インド警察サービス(IPS)の高官であるN. C.ダウンディヤル氏が受け入れたフォスター・マザー(養い母)がもう1人いることがわかった。この女性はロティカ夫人同様、子供がいない未亡人で、かつ大学教授を務めていて高額の資産も保有する女性である。この女性はダウンディヤル氏に有利な遺言書を書かされているという。

2)このケースを把握した審査局では、アラハバード県行政長官(ウッタルプラデシュ州)に文書を送付し、アラハバード大学歴史学科のウマ・ラオ博士の資産と財産に関する全ての情報を詳細に提供するよう要請した。要請した情報の中には、アラハバード市で彼女自身か或いは彼女の養子によって所有権移転ないしは処分が行なわれた事例の有無についても含まれている。ラオ博士の夫はインド行政サービス(IAS)の高官で、アンドラプラデシュ州出身の裕福な家庭の出である。

3)ラオ博士のケースは南デリーのファテプール・ベリー警察署のビレンドラ・ジェイン捜査官が審査局に報告したもので、調査の過程で、ジェイン捜査官もアラハバードを二度訪れ、現地捜査を行なっている。「ラオ博士はダウンディヤル警部がランチー(ジャルカンド州)に配属されていた頃にそのランチーのダウンディヤル邸で既に亡くなっている。

4)遺言書の提示を求められた際、ダウンディヤル警部はそれを紛失してしまい、第一発見報告(FIR)も行なっていないと述べた。また、ダウンディヤル警部はまた、この養母縁組についても政府に報告していなかった。「その手続きは必要ないと考えたから」である。

5)こうして財産を巡ってお年寄りが被害に遭うという事例がパターン化しすつあることについて、ロティカ夫人のケースに関わったNGO関係者は、アラハバード県行政長官から提出されるレポートで事件の全容が明らかにされるべきであると要求した。

6)こうした要求に対し、ダウンディヤル警部側はこれに反対している。ウマ・ラオ教授が自分の養い母であるケースについて、デリー法律審査局はアラハバード県は管轄外であり、アラハバードやランチーの話に関わる権限はないとしている。

7)しかし、審査局はこの反対を押し切り、アラハバードからのレポート提出が3週間以内に行なわれることを求めている。

―――疑惑はますます深まるばかり…。
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